1.番い
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剣心が“飛天御剣流”の最後の奥義を伝授してもらうのが決まった頃、葵屋への帰路、操が御庭番衆の一味だと発覚していた。
薫は般若たち四人が亡くなったことを操に告げた。
その頃、翁のもとに蒼紫からの手紙が来ていた。
翁は蒼紫に呼び出された茶屋に出向いた。
そして 剣心の話を少しして、蒼紫は翁の忠告を受けながら 背を向けて去っていった。
その後、街中で東日本にいた十本刀を連れた宗次郎と出会った。
そして 宗次郎の誘いに乗り、蒼紫は志々雄のアジトを訪れ 志々雄と同盟を組んだ。
夜、琴乃と斎藤は政府が用意した部屋に帰って来た。
「久しぶりに一緒に風呂でも入るか?」
「え?」
斎藤は微笑した。
「冗談だ」
斎藤は制服の上着を脱いだ。
琴乃は斎藤に抱きついた。
…一様…
「……なんだ 誘っているのか?」
斎藤は琴乃の頬を撫でた。
「そんな事…んっ」
斎藤は琴乃の口を塞いだ。
…私が子供の話をしてから 今まで以上に優しくなった気がする――…
一方、葵屋は志々雄一派の夜襲専用の隠密部隊の“梟爪衆”に襲われたが、翁たちにより 撃退された。
そして 次の日の朝、拷問を受けた“梟爪衆”の一人が 蒼紫宛の伝言を彫られ 志々雄のアジトに戻って来た。
翁に呼び出された蒼紫は “阿の所”に出向き、待っていた翁と死闘を始めた。
御庭番衆の先代御頭と唯人一人互角で闘えた翁であったが、先代を超える力を持つ蒼紫に次第に押されていった。
「小太刀二刀流――回天剣舞六連」
そこに増髪から翁と蒼紫の決闘を聞いた操が到着した。
操は翁と蒼紫が無事だったことに喜んだ束の間、翁の体が切り刻まれ 大量の血が吹き出た。
翁と操と別れた蒼紫は葵屋にやって来て、剣心への伝言を残して 去っていった。
かろうじて生きていた翁は、手当をされ 葵屋の部屋に寝かされていた。
御庭番衆を解散させると言う翁の書置きを見た操は、忍装束に着替え 自分が御頭になる事を宣言した。
その頃、琴乃と斎藤は再び 京都の警察署に戻り、捕らえられた張の話を聞きに 署長の案内で留置所を訪れていた。
そこには 街中で大ゲンカをした左之助が入れられていた。
左之助は中山道を修行しながらやって来た事を言った。
「…あの厳しい中山道を?」
「おうよ!」
「…相手にするな 琴乃。 馬鹿がうつる」
「なんだと!?」
「……フン」
「つうわけで、さあ 斎藤!! さっそく修行の成果を見せてやるぜ!!」
「斎藤? 知り合いかね?」
「いえ 全く」
「………」
…一様…
斎藤と署長は背を向けて歩き出した。
「ちょっと待てェ コラ!!」
無視された左之助は怒り、牢を破壊して 出てきた。
「驚いたか コラ。 以前の俺と同じだとナメてかかると…」
左之助は斎藤を見た。
「てめーもこうだぜ」
「貴様…」
「署長、こいつの始末は私が付けます。 上で待っていて下さい」
「…わかった」
署長は上へ戻っていった。
斎藤は左之助に歩み寄り 破壊された牢の状態を見た。
「…で 俺の言った防御のいろははどうした?」
左之助は“さっぱり”と言いたげな顔で 首を横に振った。
怒った斎藤は無言で左之助の胸倉を掴んだ。
「けっ! 誰が てめーの言い成りにするかってんだ!」
左之助は中指を立てて 斎藤を挑発した。
斎藤は左之助の胸倉を掴んでいた手を離し、背を向けて歩き出した。
「あっ 逃げるか てめー!」
「俺は忙しんだ。 お前と遊んでる暇はない」
「………。 そうかい。 じゃあこいつは 俺の不戦勝って事だな?」
「ああ。 好きな様にしとけ」
納得のいかない左之助は怒り出した。
「ふふっ。 面白い人」
琴乃は笑った。
「誰が面白いって!」
「…ごめんなさい…!」
琴乃は左之助を静止する様に 両手の掌を前に出した。
斎藤は振り返った。
「やめておけ。 お前じゃ 琴乃には勝てん」
「なに…?」
左之助は琴乃に視線を戻した。
琴乃は微笑んだ。
確かに刀を持っているけど…闘う雰囲気なんて 全く感じないし……
「…つーか、お前 誰だ?」
「え?」
「…今更か」
「なんだと!?」
斎藤は背を向けた。
「……家内だ。 何度も言わせるな」
「聞いたの初めて…って……“家内”!!?」
左之助は思わず 驚きの声をあげた。