1.番い
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東海道を行っていた 剣心と操が京都に到着して、剣心は葵屋でお世話になっていた。
そして、翁に新井 赤空と比古 清十郎の居場所を探す様に頼んだ。
同じ頃、薫と弥彦が船で京都に到着し、妙の実家である、“白べこ”でお世話になっていた。
弥彦は道中見かけた 蒼紫が気になっていた。
翁に人探しを頼んだ次の日、探し人の一人だった、剣心の逆刃刀を造った刀匠 新井 赤空が八年も前に亡くなっている事が判明した。
が、赤空から全ての技術を伝授した息子、新井 青空がいると知り、剣心たちは会いに行った。
しかし、平和を生きる新井 青空は剣心の刀を打って欲しいと言う依頼を断られてしまった。
時尾の所で長居してしまった琴乃と斎藤は、京都へ向けて 出発していた。
「…長居してよかったんですか?」
「今頃、抜刀斎が京都についている頃だろうな」
「……そうですよね…」
「…それより 身体は大丈夫か?」
「……え?」
斎藤は琴乃の腰に触れた。
「お前があまりにも可愛い事を言うもんで 歯止めが効かなかった…」
「……っ…」
琴乃の顔が真っ赤になった。
その頃、志々雄たちは比叡山の北東中腹 六連ねの鳥居の叢祠にあるアジトに戻って来ていた。
そこで、新井 赤空の最後の一振りの話を聞いた十本刀の一人、沢下条 張が青空のもとに現れ 息子である伊織を攫っていった。
その情報は、再び青空に刀を造ってもらう様にお願いしに行った操により、ルの一番によって 操から剣心と翁に伝わった。
剣心は翁から手紙を取り上げ 葵屋を飛び出し 赤空の最後の一振りが御神刀として奉納されている、白山神社に向かった。
剣心が白山神社に到着してすぐ 伊織を人質に取っている張がやって来た。
張は伊織を木にぶら下げ、闘いを挑んできた。
だが 張は出し惜しみをしていた。
剣心にやられ ブチ切れた張は着物を脱いだ。
そこに 操たちが駆け付けてきた。
張は銅に巻き付けていた、後期型の殺人奇剣 “薄刃乃太刀”で攻撃してきた。
そして 剣心と張の本気の闘いが始まった。
薄刃乃太刀によって 右足の太腿を刺された剣心は身動きが取れにくくなった。
一方、青空は剣心を囮にして伊織を助けようと考えていた。
「時代を創るのは“刀”ではなく、それを扱う“人”でござる」
剣心の言葉により はっとした青空は走り出し、伊織の前を通り過ぎ 赤空の最後の一振りが御神刀として奉納されている祠の方へ向かった。
青空から赤空の最後の一振りを受け取った剣心だったが、“不殺”を心に決めている為 剣を抜けなかった。
だが、伊織を殺そうとした張に剣心は吹っ切れ 目つきが変わり、張に向かっていった。
「飛天御剣流 “龍巻閃・旋”!!」
そして 剣心は張を倒した。
剣心は冷たい目で張を見下ろしていたが、赤空の最後の一振りが逆刃刀だと気づき いつもの目に戻った。
その後、赤空の最後の一振りである、“逆刃刀・真打”を受け取った剣心は翌日、独りになる為 葵屋を出て行った。
操は気分転換に白べこにお昼を食べに来た。
そこで 薫と弥彦に出会った。
夕方、琴乃と斎藤は京都に戻って来ていた。
「やっとつきましたね…」
「全くだ。 随分遠回りをしたもんだ」
その時、一軒の蕎麦屋が斎藤の目にとまった。
あの店は…
「一様 どうした…あ!」
琴乃は斎藤の視線を追い、一軒の蕎麦屋が目にとまった。
「あのお店 懐かしい!」
「…少し早いが 夕飯でも食っていくか?」
「はい!」
琴乃は満面の笑みを浮かべた。
一方、剣心は師匠である 比古 清十郎のもとを訪れ、十五年前にやり残した“飛天御剣流奥義“の伝授を頼んでいた。
そして、薫と弥彦は操の道案内で、剣心と再会を果たした。
琴乃と斎藤はかけそばを食べていた。
「美味しい!」
「………」
「…ところで…こんなにのんびりしていて いいのですか? …先程 志々雄一派の剣客が捕らえられたと言う情報が…「もう日が暮れる。 そんなもの 明日でもいいだろう」」
琴乃は驚いた顔で斎藤を見た。
「なんだ その顔は?」
「……いえ」
斎藤は湯呑を置いた。
「…俺はお前とのんびり、この懐かしい店で夕飯を食いたかっただけなんだがな…」
「! ……一様…」
斎藤は微笑した。
これから…この闘いが終わるまで、こう言う時間も減っていくんだろうからな――…