1.番い
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「いくぞッ!!」
左之助は斎藤に向かっていった。
左之助は斎藤に反撃の隙を与えない様に乱打をしてきた。
「…フン」
だが、斎藤の体には一発も当たっておらず、制服の裾が切れただけだった。
「「「!」」」
琴乃を除いて 左之助たちは驚いた。
「………」
…一様の言う通りなのかもしれない…
斎藤は微笑した。
「俺の拳が後の先の返しだと?」
斎藤は構えた。
「笑わせるな」
そして、斎藤は左之助に乱打をし、最後に顎を殴り 左之助の体が宙に浮き そのまま地面に倒れた。
「………」
…これからの闘いはこの子達にとって荷が重すぎる……
斎藤は自分や剣心との実力や経験等の差を話したが、左之助はそれでも京都へ行く事を諦めず 立ち上がってきた。
「お前は…京都へは行けん」
斎藤は拳のみで牙突の構えをした。
「よけろ 左之助! そいつをくらったらマジでヤバイ!!」
「無理だな。 今のこいつは立っているのがやっとだ」
最後の顎への一撃が左之助の足にきていた。
「どんなにいきがろうが あがこうが…」
斎藤は左之助に向かっていた。
「お前は ただのヒヨッコに」
「っ…!」
琴乃は目を瞑った。
…まだ 若い子達の人生を終わらすわけにはいかない……
…だから…諦めて……
「過ぎん!!」
斎藤は左之助の顔面に拳の牙突を食らわせた。
「だからなんだってんだッ!!!!」
左之助は斎藤の左腕を両側から拳で挟んだ。
「「「!」」」
琴乃達は目を見開いて驚いた。
「な…」
「どうでェ。 ヒヨッコにだって てめェの腕を潰すくらいは出来るんだぜ。 ちったあ驚いたか?」
「貴様…」
左之助は斎藤や剣心が最初から今の強さだった訳じゃない事を指摘した。
「ヒヨッコだからって 甘くみてんじゃねーぞ」
「フン」
斎藤は一発 左之助の顔を殴り、拳を退かした。
「ヤロウ…」
「止めだ」
斎藤は背を向けて歩き出した。
そして 琴乃のもとにやって来て 刀を取り上げた。
斎藤は振り返った。
「天性の打たれ強さに自惚れて、防御のいろはも知らんボケは どの道長生き出来ん」
「………」
「行くぞ 琴乃」
「…はい」
琴乃は左之助たちに頭を下げて 斎藤の後を追った。
琴乃と斎藤は家に向かって歩いていた。
「制服 着替えないと…ですね」
「全くだ」
「……ふふっ」
斎藤は琴乃を見た。
「なにが可笑しい?」
「いえ…一様が楽しそうだったので」
「楽しい? あのヒヨッコとやり合うのか が?」
斎藤は正面を見た。
「ただの時間と労力の無駄だ」
その頃、恵はクヨクヨしている薫を説教していた。
その後、神谷道場に戻って来た弥彦に説得され、薫は剣心に会いに京都に行く事を決心した。
斎藤はお風呂に入り 新しい制服に着替えた。
「一様」
「なんだ?」
「…いつ京都へ行かれるのですか?」
「これが終わってからだ」
「……?」
お風呂に入っている琴乃に黙って こっそりと家を出た斎藤は目的の場所へ向かっていた。
恐らく 俺の予想が正しければ……
奴は琴乃と何か関係があるはずだ――…
恵が神谷道場に戻って来た。
鍵が開いている事に疑問に思った恵は神谷道場の扉を開けた。
すると そこには隠密御庭番衆 御頭である蒼紫がいた。
「抜刀斎はどこへ消えた?」
剣心の命を狙っている蒼紫に答えようとしなかった。
蒼紫はしゃがんで 恵の頬に手を添えた。
「答えないなら殺す」
「………」
【抜刀斎なら京都へ行ったぜ】
そこに 斎藤がやって来た。
「…お前は?」
蒼紫は立ち上がった。
「藤田 五郎。 みての通りただの警官だよ」
「斎藤 一。 元新撰組三番隊組長。 牙突の名手は今や政府の犬か…」
「ほぉ…流石だな、元御庭番衆の情報は」
「………」
「幕末の生き残りがもう一人 東京に現れると聞いて来たんだ」
斎藤は蒼紫に今までの経緯を話した。
志々雄 真実の話を聞いた蒼紫は神谷道場から去っていこうとした。
「おい」
「…なんだ?」
蒼紫は立ち止まり 振り返った。
「四乃森 琴乃って知ってるか?」