純黒の悪夢 【完結】
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ジンは柱に手錠で拘束されている安室と水無を見た。
「ここに連れて来られた理由はわかっているな?」
「我々に“NOC”の疑いがかかっている様ですね?」
「キュラソーが伝えてきたNOCリストに…お前達の名前があったそうだ」
「キュラソー? ラムの腹心か」
「ええ。 情報収集のスペシャリストよ」
「知っている様ね」
「外見の特徴は左右で目の色が違う…オッドアイ…」
「組織じゃ有名な話よ」
「昔の好みだ。 素直に吐けば 苦しまずに逝かせてやるよ」
「フッ。 僕たちを暗殺さず拉致したのは そのキュラソーとやらの情報が完璧ではなかったから」
安室はジンを見た。
「違いますか?」
「フン。 流石だな…バーボン」
「NOCリストを盗んだまでは良かったけど 警察に見つかり、逃げる途中で事故を起こした…」
「挙げ句 記憶喪失ときたもんだ」
「じゃあ キュラソーを奪還してNOCリストを手に入れるべきじゃないの!?」
水無は針金で手錠を外そうとしていた。
水無はジン見た。
「ジン! 我々が本当に“NOC”か…それを確認してからでも遅くはないはずよ!」
「確かにな…。 だが…」
ジンは拳銃を抜きながら立ち上がった。
そして 安室と水無に拳銃を向けた。
「!」
「ジン!?」
「兄貴!?」
「“疑わしきは罰する”…それが俺のやり方だ。 さあ…」
ジンは咥えていたタバコを吐き捨てた。
「裏切り者の…裁きの時間だ」
そして タバコを踏みつけた。
その頃、コナンに頼まれ 阿笠博士はキュラソーのメールの送信先を解析していた。
コナンはジェイムズ達と合流し キュラソーが送ったメールの内容を見せていた。
倉庫内に銃声が鳴り響いた。
血が流れ落ち 水無の手から針金が落ちた。
「キール!」
「うっ!」
水無は左肩を撃たれ しゃがみ込んだ。
「ほら どうした キール? 続けろよ」
「やめて!」
アイリスはジンの手にしがみついた。
「お前は黙って座っていろ」
ジンはアイリスを無理矢理 座らせた。
「っ!」
何か策は…!
ジンは水無に視線を戻した。
「手錠を外してェんだろ?」
「まだ容疑者の段階で仲間を!?」
「仲間かどうかを断ずるのは お前らではない。 最後に一分だけ猶予をやる」
「「!」」
「先に相手を売った方にだけ 拝ませてやろう…鼠のくたばる様をな…」
ジンはウォッカを見た。
「ウォッカ カウントしろ」
「了解。 …60秒…」
「っ! そんな脅しに乗るもんですか!」
「もし彼女を“NOC”と言ったら 自分も“NOC”と認めた事になる…」
安室はジンを見た。
「そんな奴をあんたが見逃すはずがない」
「50秒…」
「フッ。 そいつはどうかな? 俺は意外と優しいんだぜェ…キール?」
「40秒…」
「…くっ…」
「仲良く互いを庇い合ってると言うわけか…」
「庇うも何も 僕は彼女が“NOC”かどうかなんて知りませんよ」
「私だって…!」
「30秒…」
「でもこれだけは言える。 私は“NOC”じゃない!」
「それはこっちの台詞だ!」
「さあ」
「20秒…」
「鼠はどっちだ?」
「ジン…まさか本気で…」
「先に啼くのはどっちだ?」
「10秒…9…8…7…」
「さて バーボンか? キールか?」
安室はしゃがんだ。
「っ!」
私がジンを押さえたとしても…
ベルモットとウォッカが残ってる……
拳銃もベルモットに取られてる……
ウォッカのカウントダウンは0に近づいていった。
「…っ…」
四の五の言わず 私一人でもやるしかない…!
…秀――…
「0!」
「まずは貴様だ…バーボン!」
ジンは安室に拳銃を向けた。
「!」
アイリスはジンを押え込もうとした。
その時 倉庫の照明が落ちてきて ライトスタンドを倒し 真っ暗になった。
「!」
チャンスだ!
「! …んっ!」
アイリスは安室の方に向かおうしたが、口を塞がれ 腕を引かれた。
「なんだ!? どうした!?」
「ライトが!?」
「キール、バーボン 動くな!」
ジンは安室と水無を拘束していた柱の方に拳銃を向けた。
ベルモットは携帯で照らした。
「! バ バーボンがいない!?」
安室は手錠を外し 逃げていた。
「くそっ! どうやって?」
安室はベルモットに取られて地面に置いてあったアイリスのバックを取り返して 物陰に潜んでいた。
【………】
アイリスさん…貴女ならこの機に逃げているだろう……
距離が近ければ 一緒に逃げれたのに…
どうか上手く逃げていてくれ…
ベルモットはジンの方も照らした。
「アイリスもいないわ! 二人とも逃げたわ」
「! ………」
アイリス…
【………】
良かった…
後は奴らがいなくなってから 貴女と逃げ出すだけだ