ゼロの執行人 【完結】
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「…赤井っ! !」
安室が振り向くと 拳銃を持った赤井が立っていた。
やはり 窓を撃ったのは…!
拳銃をしまった赤井は しゃがんで アイリスとコナンの様子を見た。
「最も ボウヤの方はアイリスのハンカチのお蔭で あまり煙を吸わずに済んだ…」
赤井はアイリスを抱き上げ、コナンの傍に落ちてるハンカチを見ながら言った。
「…ん…」
その時、煙を少し吸い込み 気を失っていたコナンが目覚めた。
そして、すぐに追跡メガネの右のモニターで、“エッジ・オブ・オーシャン”の“カジノタワー”が無事である事を確認した。
安心したコナンは床に付いている左手に血が付いている事に気づいた。
「…あ…」
「後はこっちで処理する」
コナンが安室を見ると 左腕を押さえて立っていた。
コナンは立ち上がった。
「安室さん! アイリスさんは!?」
【ここだ】
「!」
コナンは驚き 声の主を見た。
「赤井さん!」
やっぱり アイリスさんの協力者って…!
「今回も大活躍だった様だな ボウヤ」
「…そんな事ないよ。 …アイリスさんと…」
コナンは安室を見た。
「安室さんがいたから」
コナンは赤井に視線を戻して、赤井に抱き上げられているアイリスを見た。
「…アイリスさんは大丈夫なの…?」
「ああ。 意識は失っているが、呼吸、脈拍とも正常だ」
「…良かった…」
コナンは安堵の表情をした。
「君もすぐ行くんだ」
コナンは安室を見た。
「まだ謎は解けてないよ」
コナンの顔が真剣になった。
「どうして 小五郎のおじさんを巻き込んだの?」
「…ふふ…。 僕は立場上 公に捜査出来ないし、彼を事件に巻き込めば 君は必然的に協力者になる…」
「!」
「そうすれば 君の本気の力が借りられるだろ?」
「……買いかぶり過ぎだよ」
コナンは困った様に笑った。
安室とコナンはお互いに微笑し合い、コナンは背を向けてその場を後にしていった。
「…さて」
安室は赤井を睨みつけた。
「どうして あなたがここに居るんですか?」
「…“どうして”? …質問の意味がよくわからないが?」
赤井は安室を睨みつけた。
「………」
「………」
2人の間に沈黙が流れた。
「……ん…」
その時、アイリスが目を覚ました。
「!」
「アイリスさん!」
「……零さん…」
アイリスは自分を抱き上げている人物を見た。
「……秀!?」
アイリスは思いも寄らない人物に目を見開いて驚いた。
赤井は微笑した。
「大丈夫か?」
アイリスは頷いた。
「……零さんがいたから」
そう言って アイリスは安室を見た。
「!」
その時、アイリスは安室が怪我をしている事に気付いた。
アイリスは赤井の腕から降りて 安室に駆け寄った。
「零さん 大丈夫っ!?」
「大した怪我じゃないですよ」
「………」
アイリスはロングスカートの裾を裂き出した。
「!? アイリスさん 大丈夫ですよ…!?」
「ちゃんと止血しないと…!」
アイリスは引き裂いたロングスカートの裾で安室の左腕をキツく縛った。
「痛くないですか?」
「大丈夫です。 …折角お似合いのスカートだったのに…すみません」
アイリスは首を横に振った。
「私の方こそ…私のせいで怪我をさせてしまってごめんなさい…」
「アイリスさんのせいではないですよ」
安室はアイリスの頬に触れた。
「…だから 泣きそうな顔をしないで下さい」
「……っ…」
アイリスの瞳から涙が流れ落ち、アイリスは安室に抱きついた。
「!」
「…良かった…みんな無事で…っ」
「………」
赤井は小さなため息をついて 背を向けた。
その様子を見ていた安室は、アイリスに視線を戻した。
「……はい」
そして アイリスを抱きしめ返した。
「では アイリスさん、僕も行きますね」
「うん。 またね 零さん」
安室は微笑した。
そして 赤井を睨みつけた。
「今回は見逃してやるが、次に会う時は容赦しない」
そう言い残して 安室は背を向けて去っていった。
「…秀」
「…なんだ?」
「…どうして 来てくれたの?」
「…なら逆に聞くが、なぜフォルシオンとラジャイオンに命令した?」
アイリスは瞳を伏せた。
「……それは…」
秀と零さんを出来るだけ 会わせたくなかったから……
「………」
赤井はアイリスを抱きしめた。
「……秀?」
「…お前を護るのは俺の役目だろ?」
「! ……うん!」
笑みを浮かべたアイリスは赤井を抱きしめ返した。