ゼロの執行人 【完結】
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
桜雅家の圧力が解除され、アイリスのメールにより プライベー用のヘリコプターを操縦して 桜雅家の屋敷から“エッジ・オブ・オーシャン”へ向かっていたフォルシオンは アイリスからのメールに気づいた。
〔今、耐熱カプセルの落下を食い止める為、零さんとコナン君と共に “エッジ・オブ・オーシャン”に向かってる。
詳しい事はまた後で連絡する。
…こんな事に巻き込んで 本当にごめんね――……〕
「…アイリスからか?」
「ええ」
フォルシオンは同じく操縦しているラジャイオンにメールの文を見せた。
「ハッ! 今更何言ってやがる あいつは!」
「ですね」
お嬢様、我々の望みは唯一つ…
…貴女の笑顔を見る事―――…
アイリス達を乗せたRX-7は、物凄い速さでドリフト走行しながら “エッジ・オブ・オーシャン”へ向かっていた。
「この先は渋滞だよ」
アイリスの内腿と内腿の間に座っているコナンは携帯で交通情報を見て そう言った。
「くっ! 避難誘導が上手くいってないのか!?」
「………」
渋滞に捕まっている時間は無いのに…!
安室の目つきが変わり、アクセルを強く踏んだ。
安室はアイリスとコナンを横目で見た。
「アイリスさん、コナン君 これから車体が揺れたりするので しっかり掴まっていて下さい!」
アイリスとコナンは頷いた。
アイリスはシートベルトを確認し、コナンの体に回している腕の力と内腿の力を強くした。
安室はハンドルを勢いよく切り 車をほぼ真横に傾け、大渋滞で並んでいる車と車の間を通り、キャリアカーの荷台を上がり 跳んだ。
そして、走行中のモノレールの上に着地し、モノレールの線路に下りた。
「!」
「「っ!」」
その衝撃でコナンの手から携帯が落ちた。
アイリスは車内に落ちたコナンの携帯を拾って コナンに差し出した。
「手 離しちゃダメだよ」
「ありがとう アイリスさん」
コナンはアイリスから携帯を受け取った。
“エッジ・オブ・オーシャン”に近付き、コナンは窓から顔を出して 追跡メガネの右のモニターで“カジノタワー”を確認した。
その時、安室へ風見から連絡があり、耐熱カプセルのパラシュートが外れて加速している事、予測落下地点が“カジノタワー”である事、その“カジノタワー”にあと5分で落下する事が伝えられた。
「チッ!」
「蘭っ!」
「…っ!」
秀…っ!
コナンは焦り 解決策を携帯で探り始め、アイリスも真剣に画面を見ていた。
その時、アイリスは前方から向かってくるモノレールの明かりに気づいて、窓から顔を出して前方を見た。
「零さんっ! !」
アイリスは安室に肩を掴まれ 助手席に戻された。
「しっかり掴まっていて下さい!」
「「!」」
RX-7はそのままモノレールに向かっていった。
「零さん…っ!?」
「安室さん どうするのっ!!?」
安室の目つきが再び変わり アクセルを強く踏んだ。
アイリス達を乗せたRX-7は向かってくるモノレールの明かりに照らされながら、物凄い速さでモノレールとの距離を縮めていった。
「……っ…」
アイリスは祈る思いで安室を見ていた。
「っ!」
衝突する寸前、コナンは思わず 目を瞑った。
その瞬間、RX-7の右のサイドミラーが外れ 飛んでいった。
RX-7は線路の端とモノレールを支えにして 落ちる寸前のギリギリの所で ほぼ真横に傾いて走っていた。
「「!」」
「ここだ!」
安室はモノレールの横を過ぎると 下の別の線路を走っていたモノレールの前に強引に下りた。
そして、安定の走行を取り戻した。
コナンは顎に伝った冷や汗を拭った。
死ぬかと思ったぜ…
コナンは安室を見た。
それにしても凄ぇな…
「………」
「……さん!」
「………」
「アイリスさんっ!」
「!」
ぼーっとして安室を見ていたアイリスは はっとした。
安室は心配そうにアイリスの方に顔を向けていた。
「…大丈夫ですか?」
「え? …ええ…」
アイリスは困った様に微笑した。
「…生きてる心地がしなくて…」
安室も困った様に微笑して、正面に顔を向けた。
「手荒な運転になってしまってすみません…」
アイリスは首を横に振った。
安室さんのドライブテクニックに見惚れてた…
…って言ったら……秀 怒るかな――…?