ゼロの執行人 【完結】
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アイリスの言葉に 境子先生はコナンの携帯に映る羽場を見て、そして 無言で警視庁の屋上から去っていった。
『……境子…』
コナンの携帯に映る羽場は涙を流していた。
『…あの……アイリスさん…?』
アイリスはコナンの携帯に映る羽場を見た。
『ありがとうございました』
「…いいえ。 お幸せに」
そう言って アイリスが微笑むと、羽場の映像が消えた。
「どんなに憎まれようと 最後まで彼女を守れ」
風見は振り返って 安室を見た。
「それが 我々 公安です」
そう言って 風見は境子先生の後を追っていった。
安室は左手をポケットに突っ込み コナンを見た。
「君のお蔭で 日本を貶めるテロリストを逮捕できた」
安室はアイリスを見た。
「アイリスさんもありがとう」
「…大した事出来なくてごめんね」
「そんな事ないですよ」
安室はアイリスに笑いかけた。
「いつテロだと思ったの?」
安室はコナンに視線を戻して、コナンの推理通りである旨を答えた。
「凄いね 君は。 全ての謎を解く」
「これで一件落着だね!」
「いや、まだ解けてない謎がある」
「え?」
「それは…「携帯」」
安室はコナンの携帯を指で示した。
「さっきから ずっと光ってる」
コナンは蘭からの着信が来ていた事に気づき、“エッジ・オブ・オーシャン”の“カジノタワー”に避難していると言う 蘭の留守録を聞いた。
安室は掛かってきた電話に出て、耐熱カプセルが爆発により “エッジ・オブ・オーシャン”へ落下すると言う情報が伝えられた。
「!?」
“エッジ・オブ・オーシャン”には秀たちが…っ!
アイリスは3人に 耐熱カプセルが “エッジ・オブ・オーシャン”へ落下する旨の内容のメールを送り、フォルシオンとラジャイオンのメールには 急いで“エッジ・オブ・オーシャン”へ向かう様付け加えた。
耐熱カプセルが落下すると言う情報により 目暮警部たちが“エッジ・オブ・オーシャン”に避難した人達を別の場所へ避難させようとしていた。
が、情報が錯綜して 一般車両が“エッジ・オブ・オーシャン”へ避難しようとして来ている為、2本しかない道路が大渋滞していた。
「アイリスさん 転ばないように気を付けてください」
「うん…!」
その頃、アイリス達は停電している警視庁内を携帯の明かりを頼りに 出口へ向かっていた。
「くそ! ダメだ! 蘭に連絡がつかねぇ!」
コナンは階段の上で立ち止まった。
安室とアイリスは階段の下からコナンを見上げた。
「どうする? 時間がないぞ!」
「安室さん 今度は僕の協力者になってもらうよ!」
「!」
コナンはアイリスを見た。
「アイリスさんも 引き続きお願い!」
「!」
安室は冷や汗を浮かべながら微笑し、アイリスは力強く頷いた。
「アイリスさん 助手席に座ってもらって、太腿と太腿の間にコナン君でもいいですか?」
「え?」
「後ろ 狭いですし、助手席に座っていてもらった方が何かと対処しやすいと思うので…」
「……でも…」
…それって違反だし、かなり危険じゃ……
アイリスは不安そうにコナンを見た。
「僕は平気だよ」
コナンは安室を見た。
「ね 安室さん?」
「ああ」
安室はアイリスに視線を戻した。
「僕のドライブテクニックを信じて下さい」
「……うん!」
アイリスはRX-7の助手席に座り、コナンはアイリスの内腿と内腿の間に座った。
そして、アイリスはコナンごと シートベルトをして、コナンの体に腕を回した。
「コナン君 キツくない?」
「大丈夫だよ。 …アイリスさんこそ 体制辛くない?」
「大丈夫。 しっかり掴まっていてね」
「うん!」
安室は運転席に乗って シートベルトをした。
「行きますよ」
「うん!」
「ええ!」
安室は勢いよくRX-7を出し、警視庁から“エッジ・オブ・オーシャン”へ向かった。
アイリスはコナンに腕を回しながら 携帯でメールを打っていた。
「アイリスさん 誰にメール打ってるの?」
アイリスは人差し指を唇に付けた。
「………」
そして、アイリスはコナンの耳元に顔を近付けた。
「…私の協力者たち」
「!」
アイリスは片目を瞑ってみせた。
コナンは微笑した。