ゼロの執行人 【完結】
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「…あなたも協力者だったなんて…! それも…」
境子先生は連行されていく日下部検事を睨みつけた。
「公安検事の!」
「………」
「!」
協力者って…零さんと風見さんが言ってた…?
じゃあ…
アイリスは境子先生を見た。
「境子先生」
境子先生はコナンを見た。
「あなたも協力者だったんですね」
コナンは風見を見た。
「それも風見刑事の」
「………」
やっぱり…
風見さんと境子先生は関係していたのね……
境子先生はコナンの問いである なぜ羽場を雇ったのか、それは司法修習生を罷免された羽場が、公安警察は要注意人物と目を付け、風見から羽場の監視を任された事を答えた。
そして、協力者と言う立場でありながら、羽場を愛してしまった…。
が、少しして 羽場が容疑者として捕まり、公安警察に必死に助けを求めたが、羽場が自殺した事を知り 公安を強く恨んだ。
そして、事務所を閉めて 復讐の機会を探していた時、小五郎を“無罪”にする様に弁護を命じられ、境子先生は“有罪”にしてやろうと思った事を語った。
「無関係な人たちを巻き込んで!?」
だから ずっと違和感があったのか……
公安警察の保護で生きている事を知っていたら こんな事にならなかった事を語った。
「………」
…この人も被害者だったんだ……
そして 境子先生は自分が“2291”である事を言い、羽場の協力者番号を涙ながら問いた。
「橘 境子、あなたを公安警察の協力者から解放する」
安室は風見を見た。
「いいな 風見?」
「違法な作業は自ら片を付けなきゃならない…」
風見は境子先生に歩み寄った。
「それが公安でしたね?」
風見は境子先生に羽場の居場所を書いた紙を手渡そうとした。
が、境子先生は風見の手を払った。
「思い上がるな!!」
「「「!」」」
風見の手から羽場の居場所を書いた紙が空へと飛んでいった。
「あんたの協力者になったのも 私の判断!」
境子先生は風見を指差してそう言った。
「あんたを裏切ったのも 私の判断!」
境子先生は風見の胸板に拳をぶつけて そう言った。
「彼を愛したのも 私の判断…」
境子先生は顔を伏せてそう言った。
「私の人生全てを あんた達が操っていたなんて思わないでっ!!」
「「「………」」」
アイリス達の間に沈黙が流れた。
そして、境子先生は「さよなら」と言って 屋上から去ろうと背を向けた。
「待って!」
「………」
アイリスさん…?
境子先生は立ち止まった。
「あなたはずっと辛い思いをしてきた…」
アイリスを瞳を伏せた。
「愛する人が亡くなった……その事を聞いた時、きっと頭が真っ白になったでしょう?」
「!」
境子先生は振り返った。
「あなたに何がわかるの!? 何でも権力で支配できる桜雅家の当主のあなたにっ!?」
アイリスは首を横に振った。
「わかるよ」
「!」
「私も同じだったから…。 まあ 私の場合はあまりのショックに記憶喪失になったけどね…」
アイリスは困った様に微笑した。
「でも、愛する人が会いに来てくれて 私はそこで記憶を取り戻した…」
「………」
「きっと今は混乱しているだけ。 …だから、時間を置いて 風見さんに会いに来て」
アイリスは風見を見た。
「そして 羽場さんの居場所を聞いて…」
アイリスは境子先生に視線を戻した。
「ちゃんと会いに行ってあげて」
「………」
境子先生は風見を見て アイリスに視線を戻した。
「…想い合う2人が結ばれないのは悲しいから――…」
そう言って アイリスは儚げに微笑んだ。
安室は儚げに微笑んでいるアイリスを見ていた。
アイリスさんが今 どう言う気持ちなのかはわからないが…
…それは 僕にも言える事なのかもしれないな―――……