ゼロの執行人 【完結】
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警視庁に到着したアイリス達は、すぐに警視庁内に入り 人々が逃げ惑う中 ある人物を探した。
そして、コナンは逃げ惑う人混みの中、悠然と歩きながら 携帯を操作する日下部検事を見つけ、左腕を掴んだ。
その拍子に日下部検事の手から携帯が落ち、安室は携帯を拾い上げた 画面をコナンと日下部検事に見せた。
その画面にはNAZU(ナズ)の地上局で見られるデータが表示されていた。
「…テロの犯人さん?」
「っ!!」
日下部検事の顔は引きつっていた。
コナンは日下部検事が提示したサミット爆破事件の証拠一覧の中に、まだ発火物が高圧ケーブルだろうと思われていたのにも関わらず、犯人しか知り得ないガラス片があった旨の話をした。
その時、栗山からNAZU(ナズ)不正アクセス事件の詳しい資料がコナンの携帯に送れられてきた。
コナンは事件の真相を話し始めた。
「私の物に勝手に触れるな!」
その時、日下部検事は安室の手から強引に携帯を奪い 逃げていった。
「待て!」
アイリス達は日下部検事の後を追いかけた。
「あのスマホに “Nor(ノーア)”を使った痕跡があるんだ!」
「わかった!」
「全く!」
安室は回り込んだ。
「逃がすかよー!!」
コナンは置いてあった缶コーヒーをキック力増強シューズで蹴り飛ばした。
「っ!」
コナンが蹴り飛ばした缶コーヒーは日下部検事の左腕に当たり、日下部検事の体は歩道に転がり落ちた。
が、また逃げ出した。
「くそっ! ダメか!」
「問題ない!」
安室は車の上から上へ跳び、歩道を走る日下部検事の前に先回りし 立ち塞がった。
が、横からアイリスが飛び出してきて 日下部検事を蹴り飛ばした。
「「!」」
「ぐっ!」
日下部検事は歩道の植木に突っ込んだ。
「…“復讐は復讐しか生まない”……」
「!」
日下部検事はぶつけた頭を押さえながら アイリスを見た。
「“だから 絶対にしてはいけないよ”…」
顔を上げたアイリスは冷たい目で日下部検事を見下ろした。
「っ!」
「…それが私の亡くなった父の教えだった…」
「……アイリスさん…?」
いつもと様子が…
「……それが何だと言うんだっ!」
「……でも 大切な人が殺されたとなったら 復讐したいと思う気持ちはわかる……」
「……!」
…やっとわかった…
なぜ 彼女が黒の組織を憎み 復讐をしてこようとしないのか……
その時、安室はベルモットの言葉を思い返した。
“彼女は私たちを恨んでいないのかしら……?”
彼女は知らないんだ…
いや 知らされていないのかもしれない…
彼女の両親を殺したのが―――…
「なら なぜ邪魔をする!?」
「それでも、
あなたは私と違うから…
「……ふざけるなっ!」
激怒した日下部検事はアイリスに向かってきた。
「…一度痛い目を見ないとわからない様ね?」
アイリスは背筋が凍る様な笑みを浮かべた。
「っ!?」
「アイリスさん!」
アイリスを殴ろうとしている日下部検事の前に安室は立ち塞がった。
そして 日下部検事の腕を捕み そのまま地面に倒し 拘束した。
「零さん 手出ししなくて良かったのに」
「…アイリスさんに手を出させる訳にはいきませんよ…」
「……そう」
その後、安室にテロを起こした動機が公安警察なのかを問われ、日下部検事は語りだした。
「なぜそこまで公安警察を憎む?」
「お前らの力が強い限り、我々 公安検察は正義を全う出来ないっ!」
「正義の為なら 人が死んでもいいって言うのか!?」
そして、民間人を巻き込まない様に 公安警察しかいない時にサミット会場を爆発させたり、死亡者が出にくいIoTテロにし、耐熱カプセルを落とすのも警視庁にした旨を言った。
そこで、アイリス達は警視庁を停電させたのは 民間人を避難させる為である事、警視庁へ向かう道でIoTテロを起こしたのは 民間人が入って来るのを止める為である事に気づいた。
安室は日下部検事の拘束を解いた。
「…それでも 誰かが犠牲になる可能性は十分あったはずだ!」
「……正義の為には 多少の犠牲はやむを得ない!」
「そんなの正義じゃないっ!」
「! ………」
日下部検事は項垂れた。
「…私の…私の協力者だって…犠牲になった……」
「羽場さんは」
「!」
「やっぱりあんたの協力者だったんだね…?」
日下部検事は顔を上げて コナンを見た。
「…なぜ それを?」
コナンは日下部検事の携帯のパスコードの暗証番号が“88231”である事を言った。
安室は公安警察の協力者は全て“ゼロ”に報告され、番号で管理される旨を言った。
そこでコナンは羽場の窃盗事件は裏がある事に気づき、日下部検事は羽場の窃盗事件は自分が頼んだものであり 裏の真実を語り始めた。
羽場と助けようと動き出すが、本人には断られ、担当検事である現在の岩井統括官に全てを話すが 聞き入れてもらえず、公安警察に直談判をしようとして警視庁へ向かっている時 現在の岩井統括官から電話が鳴り 羽場が自殺した旨を伝えられ、公安警察に絶望し 公安警察を恨むようになった。
そして 小五郎が犯人では無い事を証明するためにIoTテロを仕組んだ事を言った。
「もうこれ以上 罪を重ねちゃダメだ! 不正アクセスして 変更したコードを教えて!」
が、日下部検事は教えようとはしなかった。
「こんな事、羽場さんが望んでいると思っているの?」
「…羽場だって公安警察を憎んでいるはずだ!」
「……なら ちゃんと本当の声を聞きなさい」
「……は? 死んだ者の声をどうやって聞くと言うんだ!?」
「日下部検事!」
日下部検事は振り向いた。
コナンは阿笠博士に頼んでいおいた、警視庁の屋上にあるヘリポートにいる様に合成した羽場の映像を携帯で見せた。
「……馬鹿なっ!?」
日下部検事は自殺したと思っていた羽場が生きていることに 驚きを隠せなかった。