ゼロの執行人 【完結】
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「零さん 誰を待っているんですか?」
安室はRX-7を路地裏に停めていた。
「アイリスさんのよく知る人ですよ」
「!」
……まさか…
アイリスが携帯を見ると 蘭から着信と留守録が入っていた。
「…蘭ちゃんから 留守録?」
「きっと 毛利さんの不起訴が決まったという連絡ですよ」
アイリスは蘭からの、小五郎が不起訴となった旨、小五郎を迎えにこれから警視庁へ行く旨の内容の留守録を聞いた。
「……良かった」
アイリスは安堵の表情をした。
「……あまり驚かれないんですね?」
「…さっきの零さんと風見さんの会話で確信が持てたし」
アイリスは安室を見た。
「それに 元から毛利さんがそんな事する人だと思ってないから」
そう言って アイリスは笑った。
アイリスは、赤井とフォルシオンとラジャイオンの3人に小五郎が不起訴となった旨の報告の内容のメールを送り、赤井には 沖矢の姿で自分の代わりに小五郎の顔を見て来て欲しい旨の内容を付け加えた。
その頃、落ち着きを取り戻した境子先生は羽場の事を話し始めた。
そこで コナンは、風見が話してくれた 安室が去年 取り調べを行った容疑者の男を自殺に追い込んだ話を思い出した。
「なぜ羽場さんを事務員にしたの?」
「……人にはね、表と裏があるの。 君が見ているのはその一面に過ぎない…」
「………」
そして、小五郎が不起訴となった事を蘭から聞いた境子先生は妃法律事務所を後にしていった。
警視庁に戻ろうとした白鳥刑事はコナン達に、“NAZU(ナズ)”では 去年の不正アクセス事件をきっかけに、“Nor(ノーア)”ユーザーを追跡するシステムがある事を伝えた。
警察はNAZU(ナズ)の無人探査機 “はくちょう”を着水させるミッションと、東京サミットの日が重なり 大変である事を言った。
そこで、コナンははっとし、今までの会話を思い返した。
そして、何かに気づいたコナンは栗山にNAZU(ナズ)不正アクセス事件の詳しい資料を送るように新一名義で頼み、ターボエンジン付きスケボーを手に持って 妃法律事務所を飛び出していった。
「ねぇ 零さん」
「何ですか?」
「…さっき言っていた、零さんが恐れる もう1人の人って誰ですか?」
「……それは…」
安室はゆっくりアイリスに顔を向けた。
「貴女ですよ」
「…私…?」
「…ふっ。 冗談ですよ」
「……もう…」
「でも…」
安室はアイリスに顔を近づけた。
「…貴女に嫌われる事が……何よりも怖いです」
「……零さん」
安室は笑みを浮かべた。
一方、コナンはターボエンジン付きスケボーで、急いで警視庁へ向かっていた。
「あ コナン君!」
RX-7が停めてある路地裏の前をコナンが通ったのが見えた。
「行きますよ アイリスさん」
安室はRX-7を路地裏から出して、コナンの後を追った。
少しして 自分を追ってきている安室のRX-7に気づいたコナンは、振り返りながら ターボエンジン付きスケボーを止めた。
安室も左にウインカーを出して止まった。
「僕が来る事がわかっていた様だね」
「コナン君!」
「アイリスさん!? 連絡が無いから心配してたんだよ!」
「…ごめんね」
コナンは真剣な目つきで安室を見た。
「初めに違和感に気づいたのはあの時だよ」
コナンは風見たちが毛利探偵事務所に家宅捜索が行われた時の事を言い、携帯にアイコンが残らないタイプの遠隔操作アプリを入れられた事を話した。
「…公安が仕込んだ証拠は?」
「無かったよ。 流石だね」
「折角わかったのに、なぜアプリを抜かなかった?」
「今から犯人に会うからさ」
安室はコナンに顔を向けた。
「まさか! テロの犯人が!?」
「コナン君 本当!?」
「うん。 動機もね。 …動機は…」
コナンが鋭い目つきで安室を見た。
「…安室さん、あんた達だ!」
「!」
「!?」
…零さん達が……?
コナンは事の発端がNAZU(ナズ)不正アクセス事件である事を言い、安室ははっとして 羽場に気づいた。
コナンは頷いた。
「羽場さんは 去年、拘置所で自殺してるよね?」
安室は正面を見た。
「ああ。 …去年の今日だったな…」
「去年の……“今日”って!?」
「そうか! 何てことだ!」
「きっと まだ! 犯人の復讐はまだ終わってない!」
そう言って コナンはターボエンジン付きスケボーで急いだ。
安室は右にウインカーを出して RX-7を出した。
「…また誰か被害者が…」
「大丈夫です。 僕たちが食い止めますから」
アイリスは頷いた。
アイリスは犯人を捕まえる為に警視庁へ行く旨のメールを3人に送り、フォルシオンとラジャイオンの2人のメールには 待機する様に付け加えた。