ゼロの執行人 【完結】
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アイリス達は高速道路で屋根になっている 日本橋の上に移動した。
「その前に 現段階で“ゼロ”が掴んでいる情報を教えて下さい」
「ああ」
安室は携帯に耳を当てて 喋った。
「――――――――」
安室の声は小さく 車の音にかき消され、アイリスには聞こえなかった。
「“NAZU(ナズ)”!?」
風見は予想だにしなかった言葉に目を見開いて驚いた。
「!?」
“NAZU(ナズ)”ってアメリカの宇宙開発機関の…!?
アイリスも目を見開いて驚いた。
「その情報をサイバー犯罪対策課に流し、捜査会議で刑事部に報告させる」
安室は携帯を下ろした。
「刑事部に花を持たせるんですか?」
風見は顔を背けた。
「我々 公安部から報告すべきです」
「フッ。 ご褒美だよ」
安室は片目を瞑りながら 風見に顔を向けて、視線を正面に戻した。
「爆破テロが事件化出来たのは刑事部のお蔭。 それに この情報が“ゼロ”からだって事は 裏の理事官には伝わっている」
風見は顔を背けた。
「……降谷さんが怖いです」
「風見、僕には 僕以上に怖い人が2人いるんだ。 その内の1人はまだほんの子供だがな」
「今、降谷さんと同じ子供を思い浮かべましたよ…」
そう言って 風見が安室の方を見ると、安室はいなくなっていた。
「……零さん?」
その時、アイリスの携帯に安室からメールが来た。
〔すぐそこの 警視庁方面へ向かう交差点で待ってます〕
「!」
アイリスは風見を見た。
「傘 ありがとうございました」
そして、強引に風間に傘を手渡し、安室に指示された交差点に急いで向かっていった。
「…え? アイリスさん?」
強引に傘を返された風見は訳がわからないまま、走っていくアイリスの後ろ姿を見ていた。
捜査会議では、小五郎のパソコンが不正アクセスされ 中継点に使われた事、検察にいた小五郎がアクセスポイントである公共のWi-Fiの場所にいる事が不可能である事、IoTテロの不正アクセスにも爆破テロと同様 “Nor(ノーア)”が使われていた事が報告された。
そして、サイバーの追跡システムが“NAZU(ナズ)”にある事が告げられた。
妃法律事務所には英理の秘書である栗山 緑がバカンスの途中で帰って来た。
そして 新一に頼まれたと言う 境子先生の調査結果を渡した。
そこで、去年まで境子先生が事務所を経営していたが、そこの事務員だった羽場 二三一が窃盗事件を起こした事がきっかけで事務所を閉めている事、その後 送検された羽場が拘置所内で自殺をしている事が伝えられた。
一方、小五郎のパソコンで不正アクセスがあった事がわかり、岩井統括官は日下部検事に小五郎を“不起訴”にする様に言った。
その時、岩井統括官の胸ポケットに入れてあった携帯が発火し、日下部検事は急いで 岩井統括官のジャケットを脱がせ 髪の炎を払った。
岩井統括官がIotテロの被害に遭った事が、妃法律事務所を訪れた白鳥刑事によってコナン達に伝えられた。
その時、白鳥刑事の携帯に小五郎の不起訴が決まった旨の連絡があり、それを聞いた蘭は泣いて喜んだ。
「お手数をお掛けしてすみません」
「うううん」
交差点で合流した安室と合流したアイリスは、RX-7の助手席に乗った。
安室は右にウインカーを出して RX-7を出した。
「今回、“ゼロ”として行動している僕が、風見とあまり一緒にいると色々とあるもので…」
「……今回、零さんが凄い人なんだなぁって改めて思った」
「!」
安室は微笑した。
「…少しは惚れ直してくれましか?」
「…え?」
アイリスが安室を見ると、安室は正面を向いていたが 口元が嬉しそうにしていた。
コナン達が妃法律事務所で境子先生の調査結果を見ていると、岩井統括官が主任検事となっていた。
そこへ 境子先生が戻って来て、岩井統括官が羽場の窃盗事件によって出世した事を言った。
そして、どうして自分の事や元事務員である羽場を調べているのか問い、英理は境子先生の事をよく知りたくて調べをお願いした旨を告げた。
境子先生は自分の調査結果に目を通した。
「……よく調べてある。 あなたも優秀な事務員のようね?」
「“あなたも”?」
境子先生の言葉に疑問を感じたコナンは羽場が境子先生にとっては悪い事務員である旨を言った。
「あれは二三一のせいじゃない!!」
いつも物静かな境子先生が声を荒らげた。