ゼロの執行人 【完結】
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次の日、アイリスとコナンは警視庁のロビーでソファに座り、目暮警部から捜査状況を聞き出そうとしていた。
【毛利先生が どうしたって?】
「「「!」」」
アイリス達のもとに安室が差し入れを持ってやって来た。
「安室君…」
安室はアイリスを見た。
「アイリスさんもご一緒だったんですね?」
「! ………」
「…聞いてたの?」
「何を? 僕は毛利先生が心配で ポアロから差し入れを持って来ただけだよ」
安室は差し入れが入った水色の紙袋を見せて言った。
コナンは送検された小五郎は拘置所にいる事を言った。
「安室さんが知らないはずないよね?」
「へぇ そうなんだ」
安室は惚けた様に顎に手を当てた。
「君は相変わらず 物知りだね」
そう言って 安室は背を向けて立ち去ろうとした。
「ああ それから、拘置所にはそう言った物は差し入れ出来ないよ!」
「…じゃあ…」
安室は振り返って アイリスの前に戻って来た。
「これはアイリスさんへ差し上げますよ」
そして、安室はアイリスに差し入れが入った紙袋を差し出した。
「………」
が、アイリスは受け取ろうとしなかった。
「…いりませんか 差し入れ?」
「………」
アイリスはゆっくり頷いた。
「…そうですか 残念です」
そう言って 安室は背を向けて歩いて行った。
アイリスとコナンは安室の行動の狙いに疑問を感じていた。
が、その時 目の前から風見がやって来て、安室とすれ違った。
「“2291” 導入成功」
そして、アイリス達に聞こえない様に小声で報告した。
アイリス達の方にやって来た風見に、コナンは「パソコンを返して」と駄々をこねながら 右腕を掴んだ。
「……コナン君…?」
…もしかして…
そして、コナンは風見のジャケットの裾の裏に盗聴器を仕込んだ。
風見が去り、アイリスとコナンはアイリスの愛車の赤色のGT-Rで妃法律事務所へ向かっていた。
「コナン君さっき…」
「ああ」
コナンはメガネの左目のレンズのモニターを付けた。
「これで 少しは向こうの動きがわかるはずだよ」
「…うん!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
アイリスとコナンは妃法律事務所に戻ってきた。
「戻りました」
「お帰りなさい」
コナンは蘭から何回も電話したと言われ、携帯の充電が切れていることに気づき、充電が無くなるのがいつもより早い事に疑問を感じながら充電した。
少しして、境子先生が警察側が申請した サミット爆破事件の資料を持ってきた。
アイリス達は資料に目を通し、コナンは違和感に気づいた。
その時、境子先生の携帯に裁判所から電話があり、岩井統括官が担当検事である日下部検事に黙って 独断で裁判の話を進めており、それに伴った公判前整理手続の連絡だった。
そこで、アイリスとコナンは小五郎が起訴される事を知った。
夜、アイリスとコナンは、風見に仕込んである盗聴器から 動向を見て “COSDOC”へ来ていた。
また、安室と梓は“COSDOC”へ買い出しに来ていた。
梓は店員にアイスクリームの場所を聞きに行き、その間 安室は小麦粉と卵を探していた。
【降谷さん】
安室は立ち止まった。
1つ向こうの列に風見がいた。
「なぜ 事件にする事に拘るんです?」
「事故で処理されれば 令状1つ取れなくなる」
安室は小麦粉を手に取って かごに入れた。
「公安なら 令状も無しの違法捜査も出来るはずです」
「だからこそ 合法的な手段を残しておかないと」
安室はもう1つ小麦粉を手に取って かごに入れた。
「自分の首を絞めることになる」
安室は風見を見た。
「自ら行った違法な作業は、自ら 片を付ける。 それが公安だからだ」
「しかし、合法的に事件を公表するか、違法に隠蔽するかを決めるのも 我々公安のはずです」
「勿論だ。 但し どちらが最も日本を守る事になるかを 考えた上でな」
そう言って 安室は前に進み出した。
「………」
風見も前に進み出し、1つ向こうの列で安室とすれ違う形になった。
その会話をアイリスとコナンは“COSDOC”の外で、風見に仕込んである盗聴器を通して聞いていた。
コナンはメガネの左目のレンズのモニターを消した。
「……零さんが何をしようとしているのかわからない…」
「……ああ。 だが、安室さんが敵ではない確証が出てきた」
「……うん」
アイリスは瞳を伏せた。
「…零さんは…真犯人を探してる……」