ゼロの執行人 【完結】
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次の日、捜査会議で サイバー犯罪対策課の報告により、容疑を否認している小五郎が容疑者である確率が高いことが告げられた。
そして、証拠が揃っている事により 動機が分からないまま 小五郎を送検しようとしていた。
小五郎の事をよく知る目暮警部は、動機が分からないままで送検する事に対して反論した。
「証拠が揃えば送検」
風見は眼鏡を少し上げた。
「警察官として 当然の事です」
「「「っ!」」」
「待ってくれ! 何か引っかかる! 何かおかしい!」
「“何か引っかかる?”、“何かおかしい?”で これだけの捜査員が動くと思いますか?」
「…うんんっ…」
【なら 私の命なら動いてくれますか?】
「「「!」」」
風見たちは声の主を見た。
ドアの前にはアイリスが立っていた。
「………」
降谷さんの読み通りだ…
アイリスは中央の階段を下りて、黒田管理官と目暮警部の席の前に立った。
「捜査会議は警察官以外 立入禁止だが」
アイリスは微笑した。
「私に立入禁止の場所なんて あるんですか?」
「………」
相変わらず強引な方だ…
「…それで 桜雅家の当主であるあなたが、何のご用ですかな?」
「……毛利さんを釈放して欲しい…と言いたいところですが、私に圧力を掛けてらっしゃる…」
アイリスは横目で風見を見て 黒田管理官に視線を戻した。
「なら こちらもこちらで別の方法で毛利さんを助け出したいと思います」
アイリスは風見たち 捜査員を見た。
「私は毛利さんの無実を信じています!」
「「「!?」」」
「「「………」」」
アイリスさん…
パチパチパチ…
その時 捜査会議の部屋に拍手の音が響いた。
「「「!」」」
アイリスたちは音がした方を見た。
「…フォルシオン」
「ご立派ですね アイリス様」
「……どうしてここに?」
「アイリス様が暴走しない様 様子を見に参りました。 ですが、その心配はいらなかった様ですね」
「ふっ。 捜査会議に乗り込んでいる時点で、十分 無礼だと思うがね」
フォルシオンは鋭い目つきで黒田管理官を見た。
「無礼はお互い様ですよ?」
「………」
フォルシオンはアイリスに視線を戻した。
「参りましょう アイリス様」
「……うん」
アイリスは中央の階段を上った。
「では 失礼致します」
フォルシオンは深々と頭を下げて、アイリスと共に捜査会議の部屋を後にした。
警視庁を出たアイリスはGT-Rに乗り、フォルシオンは白いロールス・ロイスにそれぞれ乗り 一度屋敷に戻った。
「アイリス!」
「ラジャイオン!」
「心配させるんじゃねェよ!」
「…ごめん」
着替えを済ませたアイリスは、数日分の洋服を詰めたキャリーケースを引いて、屋敷を出た。
「しばらく 蘭ちゃんの家に住ませてもらうから」
「アイリス様」
アイリスは振り向いた。
「何?」
「今回の事件は今までの事件とは全く異なります」
フォルシオンは瞳を伏せた。
「…桜雅家が警察からの圧力を掛けられるなんて 前代未聞な事です」
「…ああ。 全く 俺たちを敵に回すような真似をするなんて、警察は何を考えているかわからねェ!」
「……そうね」
「何か困った事があれば、どうか 我々を頼って下さい」
「……考えておくわ」
そう言って アイリスは背を向けて歩き出した。
「「アイリス(様)!」」
アイリスは振り返らず そのまま歩いて行った。
ごめんね フォルシオン、ラジャイオン…
桜雅家の権力が使えない分、私のせいで みんなを危ない目に合わせたくない…
だから…今回はコナン君と協力して 解決したいの―――…