純黒の悪夢 【完結】
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「轢き殺してやるよ!!」
キュラソーはスピードを上げ アイリスと赤井の方に向かってきていた。
「!」
秀…頑張って!
赤井は頭を狙っていたが、キュラソーは身体を伏せながらの運転に切り替えた。
「!」
赤井は前輪に狙いを変えて狙撃し 見事命中させた。
コントロールを失ったキュラソーが乗る車は壁にぶつかり 後ろに停まっていたタンクローリーと車にぶつかった。
そして そのまま車ごと海に転落していった。
「!」
キュラソーは…!?
アイリスは落下場所を見ようとした。
が 赤井に腕を掴まれた。
その時 タンクローリーがいたことにより 爆発が起きた。
「きゃっ!」
赤井は爆風などの衝撃から護る為にアイリスを抱き寄せた。
爆風が治まり 赤井はアイリスを放した。
「怪我は?」
「大丈夫。 ありがとう。 秀は?」
「大丈夫だ」
「…良かった」
アイリスは赤井の胸元に頭をつけた。
少し遅れて 高速道路を逆走していた安室も戻って来た。
安室は車から降り 爆炎が上がる方を見た。
「っ!」
安室は赤井を見た。
「!」
赤井がライフルを持っていることに気づいた。
「赤井 貴様…」
「待って 透さん! これには… !」
その時 サイレンが聞こえてきた。
「アイリスさん また」
「え? …うん」
安室はRX-7に乗り込み その場を後にした。
赤井はジェイムズに電話をかけた。
『私だ』
「取り逃がしました…。 後始末を頼みます」
『わかった…』
赤井は電話を切った。
「後は任せよう」
「…うん」
アイリスと赤井はマスタングに乗り 高速道路を後にした。
アイリスは窓から外を見ていた。
「………」
零さん…大丈夫かな……
「………」
赤井はその様子を横目で見ていた。
そして 赤井の宿泊先である“ヘーヴロイヤルホテル”の“ロイヤルスイートルーム”に戻ってきた。
「アイリス 風呂先にいいぞ」
「ありがとう」
アイリスはお風呂に入った。
「………」
キュラソー…あの状態で助かってるのかな…?
でも 組織の人間だし、無傷では難しいかもしれないけど 生きているとしたら……
あの人は秀の顔を見てる…
そうすると 秀の生存が組織にバレちゃう……
そして、NOCリストが出回ることによって 零さん達の命が狙われる……
アイリスは急に心配になった。
電話してみようかな……
赤井はこれからすべきことを頭の中で整理していた。
その時 テーブルに置いてあるアイリスの携帯が鳴った。
画面には“零さん(透さん)”と言う文字が出ていた。
「………」
…安室君……
赤井はアイリスに声をかけようかと思ったが やめた。
そして、携帯の音が鳴り止んだ。
少しして アイリスがお風呂から出てきた。
「お風呂 先にありがとう」
「ああ」
赤井はお風呂に入る為 シャツのボタンを外した。
「そう言えば 携帯が鳴っていたぞ」
「ん? 誰だろう?」
アイリスは携帯を見た。
「零さんからだ」
「………」
赤井は気になりながら お風呂に入っていった。
アイリスはソファに座り 安室に電話をかけた。
『はい』
「あ 零さん」
『アイリスさん! 夜分遅くにお電話してしまって すみません』
「うううん。 私もちょうど電話しようかと思ってたところだったから。 …それで どうしたの?」
『…先程 追いかけていた女…“キュラソー”のこと 聞いていますよね?』
「うん。 組織のNo.2ともされるラムの腹心…」
『はい。 今回、警察庁に侵入し NOCリストを盗んだ可能性があります』
「…うん。 秀から聞いたよ…」
『………』
「………」
『…しばらく僕は…貴女と会うのを控えようと思います…』
「っ!」
『だから…少し声が聞きたくなって電話をしたんです…』
これが…最後に聞く声になってしまうかもしれないから……
「…会えなくなるなんて…言わないでっ…」
『!』
アイリスさん…
アイリスの声は涙声だった。
『…すみません』
今 目の前に貴女がいたら…きっと抱きしめているところだろうな…
「……零さん…」
『…何でしょうか?』
「…明日…会えますか……?」