ゼロの執行人 【完結】
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「「アイリスさん!」」
蘭と園子は助けを求める様にアイリスを見た。
「風見さん やり方が少々手荒ではないですか?」
「……何と言ってもらっても構いません」
「……なら、私の顔に免じて、今回の逮捕 見送ってもらえませんか?」
「「!」」
小五郎を連れて行こうとしている公安警察官 2人の額に冷や汗が浮かんだ。
「……申し訳ありませんが、例え 貴女の頼みであろうが 今回は聞く事は出来ません」
「!」
「失礼します」
風見たちは小五郎を連れて アイリスの横を通り過ぎようとした。
「まだ話は終わってないわ!」
「「「!」」」
風間たちが声を荒げたアイリスを見ると、鋭い目で 自分たちを睨みつけていた。
「「っ!」」
小五郎を連れて行こうとしている公安警察官 2人は不安の表情で風間を見た。
「……仕方ありません。 これ以上引き止めると言うのであれば、貴女を逮捕する事になりますよ?」
「「「!?」」」
アイリスたちは目を見開いて驚いた。
「アイリスさんを逮捕ですって!? あんた! アイリスさんが誰だかわかって言ってるの!?」
「勿論 知っています。 桜雅家の当主 桜雅 アイリスさん」
「なら! それに 一体 何の罪よ!?」
風間は園子を見て アイリスに視線を戻した。
「…言わずとも 貴女ならわかりますよね?」
「………」
アイリスは瞳を伏せて バックに隠している二丁拳銃を見た。
アイリスを見ていたコナンは風見に視線を戻した。
警察はアイリスさんまで逮捕するつもりなのか!?
「どうやら 分かって頂けた様ですね? では 我々は…「誰が “はい そうですか”って言うと思ってんのよ!?」」
アイリスは風見に蹴りを繰り出そうとした。
「アイリスさん!! ダメだ!!」
「っ!?」
コナンがアイリスと風間の前に立ち塞がり、アイリスの足は風間の首元で止まった。
「………」
風間の頬を冷や汗が伝った。
アイリスは風見を睨みつけた後、ゆっくり足を下ろした。
風間は顎の下に伝った冷や汗を拭った。
「…失礼します」
そして、風見たちは小五郎を連れて アイリスの横を通り過ぎていった。
「……誰の命令ですか…?」
「!」
風見は一瞬立ち止まった。
「…答える道理はありません」
そう言って 背を向けたまま立ち去っていった。
「………」
…風見さん…人が変わったみたい…
…一体…何が起きようとしているの……?
園子は小五郎が公安に逮捕され 連行されていった事に涙を流す蘭を励ましていた。
「………」
…蘭ちゃん…
あまりの出来事に思考が一時停止していたコナンだったが、我に返って 小五郎の後を追っていった。
「…コナン君!」
アイリスもコナンの後を追って外へ出たが、既に小五郎を乗せた公安の車は走り去っていった。
その時、ポアロのドアベルが鳴り、ちりとりとほうきを持った安室が出てきた。
「!」
「! ……零さん…っ…」
アイリスの瞳に涙が浮かんだ。
「!?」
その時、アイリスはポアロの前を掃除をしている安室の顔に傷がある事に気づいた。
「零さ… !」
安室に駆け寄ろうとしたアイリスの前にコナンの静止の手が出された。
「……コナン君?」
コナンはポケットから携帯を取り出して、安室に風見の写真を見せた。
「これ 公安の刑事さんだよね?」
安室は横目で写真を見て そっぽを向いた。
「…さあ? 知らないけど」
「!?」
…どうして 嘘を…?
「怪我してるね。 風見刑事も、安室さんも」
コナンはポケットに携帯をしまった。
「つまり 安室さんもいたんだよね? 爆発現場に」
「何の話かわからないなぁ…」
「サミット会場の下見をしてたんでしょ?」
掃除をする安室の手が止まった。
「きっとその時、テロの可能性を察知した…」
掃除を終わらせた安室はポアロに向かって歩き出した。
「だけど、今のままじゃ 爆発を事故で処理されてしまう…」
コナンは安室を追いかけた。
「そこで 容疑者をでっち上げた!」
「!?」
…それが…毛利さん……!?
「違う!?」
「………」
「安室さんや彼みたいな警察官なら パソコンに細工をしたり、現場に指紋を残す事だって可能だよね!?」
「警察はね 証拠の無い話には付き合わないんだよ」
「なんでこんな事するんだ!!?」
コナンは声を荒げた。
「………。 僕には 命に代えても守らなくてはならないものがあるからさ」
そう言うと 安室は背を向けたままポアロの扉を閉めようとした。
「待って!」
アイリスは安室に駆け寄った。
「…どうして…?」
アイリスはポアロの扉の取っ手に手をかけている安室の手に触れた。
「……どうして こんな事するの……?」
「………」
安室はアイリスの手を軽く払い退けた。
「!」
そして、安室は背を向けたままポアロの扉を閉めた。
「……零さん…」
アイリスは自分の手を握り締めた。
「………」
今回の安室さんは…敵かもしれない―――…
ポアロに戻った安室は 立ち止まった。
ごめんね コナン君……
…そして…
ごめんなさい アイリスさん…
僕はまた…貴女の心を傷つけてしまう―――……