純黒の悪夢 【完結】
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警察庁内部では組織の女スパイが情報を持ち出そうと侵入していた。
「…キュラソー?」
その頃 アイリスと赤井はエンジンを切った状態のマスタングの車内で待ち伏せをしていた。
「組織のNo.2ともされるラムの腹心だ」
「本当に危険を冒してまで 警察庁内部に侵入するのかな?」
「本格的に“NOC”を抹殺するつもりなのかもな」
「! ………」
アイリスは赤井の手に触れた。
「………」
“NOC”…と言うことは…秀も……
アイリスの手は微かに震えていた。
赤井はアイリスの手を握り返した。
「俺はもうとっくにバレているから 今更と言うこともあるが…。 それに 俺が生きていることを組織の奴らはまだ知らないだろう」
「…でも……」
それでも 心配……
「それより 彼の方が心配なんじゃないか?」
「…彼?」
零さんのこと?
その時 車のクラクション音が響き渡った。
「!?」
「どうやら逃げられたらしいな」
「え?」
1台の車が勢いよく強引に曲がっていくのが見えた。
「あの車…」
「追うぞ」
赤井はマスタングのエンジンをかけ 車を出した。
「チッ」
スパイであるキュラソーを取り逃がした安室もRX-7に乗り 後を追った。
キュラソーは高速道路に乗った。
「どこに逃げる気なんだろう?」
「さァな」
赤井も高速道路に乗った。
キュラソーは車の中で“NOC”の人物のコードネームをメールで送っていた。
「秀 見失っちゃうよ!」
「いや この先は工事中で渋滞がある。 このまま行けば 渋滞に捕まっている車と俺の車で塞が… !」
その時 白いRX-7が物凄い速さで走っていった。
「!」
あの車とナンバーって…
「…どうやら 彼は短気らしいな」
「え?」
「少し運転を荒くするぞ」
「うん」
赤井は微笑すると アクセルを強く踏んだ。
安室のRX-7は次々と車を抜かし キュラソーの運転する車の横に並んだ。
「くっ」
キュラソーは安室の前に無理矢理入り ドリフト走行した。
安室もドリフト走行し、赤井もドリフト走行した。
「誰だ!?」
安室はドリフト走行してきた赤色のマスタングを見た。
「赤井…!?」
「透さん!」
アイリスは小さく手を振った。
「それに アイリスさん!?」
3台の車がドリフト走行したことにより 横を走っていたトラックが壁にぶつかった。
「秀!」
このままじゃ一般人が…
「わかっている」
その時 安室のRX-7が赤井のマスタングに接触してきた。
「下がれ 赤井! ヤツは公安のモノだ!!」
「……… !」
少し前方を走るキュラソーの運転する車によって 一般の車が宙に舞い、少し後方を走っていた赤井と安室の方に落ちてきた。
「っ!」
赤井と安室は左右にかわした。
宙に舞った車はそのまま落下し 後方を走っていたタンクローリーがかわしきれずぶつかった。
車の中からは人が降りてきた。
「ねえ 秀!」
「ああ」
赤井はマスタングを止めた。
赤井が車を止めたのを確認した安室は微笑し そのままキュラソーの運転する車を追っていった。
「大丈夫ですか!?」
アイリスは巻き込まれた人たちに声をかけていた。
赤井はライフルを取り出していた。
キュラソーの強引な運転によって距離を離された安室はスピードを上げ 後を追っていた。
もし逃げられでもしたら 世界中がパニックに…!
「!」
その時 前から沢山のクラクション音が聞こえてきた。
そして 安室のRX-7の横をキュラソーの運転する車が通っていった。
「まさか…逆走!?」
渋滞に捕まらない為に キュラソーは高速道路を逆走していた。
アイリスは赤井の元に戻って来た。
「秀 どうしてライフルを?」
「渋滞に捕まらない為には 自ら高速を飛び出す以外 逆走しか考えらない」
少しして アイリスと赤井がいる方にキュラソーの運転する車が戻って来た。
「アイリス 俺の後ろへ下がっていろ」
赤井はマスタングを設置台として ライフルを構えた。
「うん」
アイリスは赤井の後ろに身を潜めた。
「ライ!?」
キュラソーはライフルを構えている赤井に気づいた。
「フッ。 面白い。 轢き殺してやるよ!!」
キュラソーはスピードを上げ アイリスと赤井の方に向かってきた。
「「!」」