純黒の悪夢 【完結】
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「零さんっ! 大丈夫っ!?」
「…ああ」
観覧車の頂上から落下した安室は起き上がった。
「秀はっ?」
「どこだ?」
安室は赤井の姿を見失っていた。
赤井は壁走りし 安室に蹴りを入れた。
「ぐっ!」
安室はすぐに起き上がったが、頭からは血が流れ出ていた。
「零さん 血が!」
「アイリスさん 離れていてください!」
「でもっ!」
見守る事しかできないなんて…っ!
「はぁー!」
再び肉弾戦をし始めた。
でも――…
「ぐわっ!」
赤井の顔に安室の拳が当たり 赤井の口からは血が出た。
この戦いは“スコッチ”と言う人の死が関係しているもの……
「がっ!」
赤井の拳により 安室はフェンスから落ちそうになった。
が、赤井は胸倉を掴んで 引き上げた。
「もうよせ」
何の関係もない私が 手出ししていいものじゃない……
安室は赤井を蹴飛ばし 離れさせた。
「もう降参ですか? はぁ…はぁ…はぁ」
安室は頭から出ている血を拭った。
それでも……
誰かこの戦いをやめさせて……!
安室は構えた。
「さあ 第二ラウンドといきましょうよ…」
「チッ」
赤井も構えた。
どちらかが死んでしまう前に――…っ!
【赤井さーん!】
その時 下からコナンの声が聞こえていた。
「っ!?」
コナン君っ!?
アイリスは涙を拭った。
「そこにいるんでしょう? 大変なんだ! 力を貸してー!」
安室は構えたままだったが、赤井は構えを解いた。
「奴ら キュラソーの奪還に失敗したら 爆弾でこの観覧車ごと全てを吹き飛ばすつもりだよ!!」
赤井は構えを解かない安室に対して 首を横に振った。
「お願いだ! そこにいるなら手を貸して!」
「零さん…」
「………」
安室も構えを解いた。
「奴らが仕掛けてくる前に 爆弾を解除しておかないと 大変なことに…!」
安室はコナンがいる下の方を見た。
「本当か コナン君!?」
「安室さん!? どうやってここに!?」
「その説明は後だ! それよりも爆弾はどこに!?」
「車軸とホイールの間に無数に仕掛けられてる! 遠隔操作でいつ爆発するかわからないんだ! 一刻も早く解除しないと!!」
赤井は頷いた。
「行くぞ アイリス」
「…うん!」
赤井とアイリスは歩き始めた。
「わかった! FBIとすぐに行く!」
「! うん!」
コナンは嬉しそうに返事をした。
赤井とアイリスは観覧車の車軸に張り巡らされているコードの先の爆薬の形状を見ていた。
「C-4か…」
「こっちの方にも沢山あるよ 秀!」
赤井は頷いた。
アイリスは赤井の元に戻ってきた。
「……怒ってる?」
「何がだ?」
「……零さんといたこと…」
「怒っているつもりはない…」
お前にはそう見えたのか…?
…柄にもなく 嫉妬はしていたかもしれんが……
「なら…いいんだけど…」
「そう言えば さっき泣いていたな…」
「…え?」
アイリスは赤井と安室の戦いを思い返した。
「…だって…っ…」
このままどちらかが死んでしまったらと考えたら……
アイリスの瞳に涙が浮かんだ。
「お前はよく泣くな…」
赤井はアイリスの涙を指で拭った。
「…ごめんなさいっ…」
赤井はアイリスを抱きしめた。
「謝ることはない。 …ありがとう」
俺たちの為に涙を流してくれて…
赤井はしばらくの間 アイリスを抱きしめてくれていた。
その頃、コナンと合流した安室は起爆装置が設置してある消火栓を開けようとしていた。
「どう 安室さん?」
「もう少しだ。 …あ」
安室はトラップを外した。
「これで大丈夫だ」
「ふーっ…。 やっぱりトラップが仕掛けられていたんだね…」
「ああ。 安易に開けなかったのは 正しい選択だったよ」
そこに赤井とアイリスが降りてきた。
「赤…え!? アイリスさん!?」
「久しぶり コナン君」
アイリスは微笑んだ。