1.愛する人
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暗い部屋の中、携帯の音が鳴り響いた。
「おやおや こんな夜更けにどなたでしょう? お嬢様が起きられたら大変… !」
フォルシオンはディスプレイで携帯の相手を見た。
「おや これは珍しい方ですね」
フォルシオンは電話に出た。
「お久しぶりですね ――様」
朝日が昇り、フォルシオンはアイリスの部屋のドアをノックした。
【アイリス様】
「………」
【アイリス様 入りますよ】
フォルシオンはアイリスの部屋に入った。
「アイリス様 そろそろ起きてください」
アイリス様が遅くまで寝坊とは珍しい
「…ん……秀……」
「! ………」
赤井様の夢を見られているのでしょうか
「!」
その時 アイリスが目を覚ました。
「…フォルシオン?」
……夢…か……
「おはようございます アイリス様」
「…フォルシオンがいるってことは…私 かなり寝坊しちゃった?」
「ええ まあ」
「今日の予定ってお昼からだったよね?」
「はい。夢想動物公園にて ホワイトタイガーの赤ちゃんが間もなく一般公開する予定とのことでしたので、その最終調整の打ち合わせと成長した姿を見て頂きたいとのことで」
「そうだったね! 早く支度しないと」
「はい。 あと 急遽 夕方からもう1つ予定が入りました」
「わかった。 それは後で聞く。 早くホワイトタイガーの成長した姿 見たいもん」
「はい。 では 私はダイニングルームでお待ちしております」
…ホワイトタイガーより アイリス様にとっては大切な予定だったのですが…
フォルシオンは一礼して部屋を出て行った。
支度を済ませたアイリスはダイニングルームに向かった。
「「「おはようございます アイリス様」」」
「おはよう みんな」
「アイリス様 少し早めの昼食と言うことで軽食にしてあります」
テーブルの上には桜紅茶とスコーンが配膳された。
「ありがとう。 いただきます」
アイリスは桜紅茶を一口飲んだ。
「…美味しい。 やっぱりフォルシオンの淹れる紅茶 好きよ」
「お褒めのお言葉 ありがとうございます」
フォルシオンは胸に手を当て 頭を下げた。
朝食を食べ終えたアイリスは広い庭に向かった。
「リオン! シオン! レオン!」
【【【オォ~ン!!】】】
アイリスのペットであるオオカミのリオン達が走ってきた。
「おはよう。 いい子だね」
アイリスはリオン達の頭を撫でた。
「「オォン!」」
「クゥ~ン」
シオンは甘えるようにアイリスにくっついてきた。
「よしよし シオンは本当に甘えん坊だね」
【お前が寝坊したせいで 俺がこいつらの餌やりする羽目になったじゃねェか】
「!」
アイリスは振り返った。
「ラジャイオン! おはよう! …ごめんね」
「フン。 …具合が悪いとかじゃなくて安心した」
「…心配してくれてありがとう」
リオン達とスキンシップをした後 アイリスは庭を後にした。
フォルシオンは白色のロールス・ロイスの扉を開けた。
「どうぞ」
「え? 私1人で行くつもりだったんだけど」
「いえ それは困ります」
「どうして?」
「今回は打ち合わせもありますし」
「イベントの内容はこないだもう決めてあるから あとはイベントスケジュールだけでしょ? それなら私一人で決められるし」
「それはいいんですが……夕方からの予定にはそのまま行っていただきたいのです」
「…そう言うこと」
「そう言うことです」
「……わかった」
アイリスは車に乗った。
フォルシオンは扉を閉め 運転席に乗り エンジンをかけた。
「では 行きますよ」
「あれ? ラジャイオンは一緒に行かないの?」
「俺は今日 別の仕事があるんだよ」
「…残念…」
「夕方には合流するから安心しろ」
「うん!」
フォルシオンはラジャイオンに目配せした。
ラジャイオンは頷いた。
「「「いってらっしゃいませ」」」
使用人たちに見送られ アイリスを乗せたロールス・ロイスは桜雅家を後にした。
「さてと 気が進まねェが、俺は奴を迎えに行くとするか…」
ラジャイオンは黒色のロールス・ロイスに乗り込み 桜雅家を後にした。