3.ハニートラップ
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それからアイリスは、赤井との記憶が浮かんでくる異変が起きなかったのを機に、赤色のGT-Rに乗り 一人で外出することが多くなった。
そんなある日、アイリスは買い物に来ていた。
「今日 雨降るなんて言ってたかな…?」
アイリスは急に降ってきた大雨に濡れない様に 雨宿りをしていた。
そこに アイリスと同じく 屋根の下に入ってきた男がいた。
【雨 降ってきちゃいましたね?】
「!」
アイリスは声をかけてきた男を見た。
横には雨に濡れた安室が雨宿りをしていた。
「お久しぶりですね」
安室は笑った。
「貴方は“Valentine's party”の時の…!」
アイリスは頭を下げた。
「あの時は本当にありがとうございました」
「大した事はしてませんよ」
「それでも ちゃんとお礼をしたいと思っていたので またこうしてお会いできて嬉しいです!」
そう言って アイリスは微笑んだ。
「僕はまた会えそうな気がしてましたよ?」
「…え?」
「それより あの時 お名前を聞き忘れてしまって…。 僕は安室 透と言います」
「……アイリスです」
一応 苗字は伏せておこう…
「…アイリスさん…ですね。 じゃあ、僕の事も 下の名前でいいですよ」
「…じゃあ 透さん…でいいですか?」
「はい。 もちろんです」
そう言って 安室は嬉しそうに笑った。
「立ち話もなんですし、良かったら これから食事でもどうですか? 僕のおすすめのお店があるんですよ」
「ぜひ」
アイリスは微笑んだ。
「少し歩くので 僕の上着使ってください」
そう言いながら 安室は上着を脱いだ。
「…え…でも…」
「雨に濡れて 風邪を引かれても困りますし」
「それは透さんも…では?」
「僕は大丈夫ですよ。 体は丈夫な方なので」
安室はアイリスの頭から自分の上着をかけながらそう言った。
「…ありがとうございます」
「じゃあ 行きましょう」
安室はアイリスが上着から出ない様に体を包み込んだ。
「…はい」
アイリスと安室は小走りで喫茶店に向かった。
そして アイリスと安室は喫茶店に入った。
「濡れませんでしたか?」
「大丈夫です。 それより 上着が…」
そう言って アイリスは雨に濡れてしまった上着を見た。
「上着なんていいですよ」
アイリスは首を横に振った。
「クリーニングしてお返しします!」
「高価なものでもないですし 大丈夫ですよ」
僕との痕跡を残すと 貴方と接触している事を 鋭い執事が気づくみたいなので…
「…すみません」
安室はアイリスから上着を受け取った。
「――えー!? 安室さんって 29歳なんですか!?」
席についたアイリスと安室は食事を待ちながら 話をしていた。
「私と同い年くらいかと思ってました…」
「…よく言われます」
【お待たせしました】
ウェイターが料理を運んできた。
「美味しそう!」
「では いただきましょうか?」
「はい!」
アイリスと安室は料理を食べ始めた。
「……?」
少しして 安室があまり料理に手を付けず、自分の方を観察している事に気づいた。
「どうかされましたか?」
「…いえ…食事の仕方が上品だなと思いまして…」
随分と美味しそうに食べる人だなぁ
安室の目つきが変わった。
「…もしかして アイリスさんはいいお家のお嬢様ですか?」
「…え…」
ラジャイオンさんから これから接触してくる人に桜雅家の事等は何も話すなって言われてるし…
アイリスは黙り込んでしまった。
「すみません。 失礼な事を聞いてしまって…」
「…いえ…」
「僕 探偵をしているもので、細かいところを気になってしまんです。 職業病って言うやつですかね…」
そう言って 安室は困った様に笑った。
「探偵をされているんですね」
「何か困ったことがあったら ご相談してくださいね」
安室は胸ポケットから名刺を取り出して アイリスに差し出した
「…ありがとうございます」
アイリスは名刺を受け取った。
安室は笑った。
食事を終えたアイリスと安室はお店を出た。
雨は止んで 綺麗な夕焼け空だった。
「すっかり 長居してしまいましたね」
「ええ。 あの…」
「?」
「御馳走様でした。 …奢って頂いてすみません」
「いえいえ。 女性に奢るのは男の仕事ですから」
そう言って 安室は笑った。
アイリスは安室の上着を見た。
「上着 本当によかったですか?」
「ええ。 お店の中で だいぶ乾きましたし」
「………」
「…何か引っかかってしまっているのであれば、またこうして 会ってくれませんか?」
「! …ええ」
「約束ですよ?」
優しい人だから きっと大丈夫だよね…?
安室の名刺により 連絡先を受け取っていたアイリスは自分自身の連絡先を伝えて 別れた。
「彼女 口止めをされているみたいで 話してくれませんね…」
『なら もっと信頼できる様な関係性を築きなさい』
「ええ そのつもりです」
益々 彼女に興味をもちましたから――…