3.ハニートラップ
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「ええ そうです。 赤井に変装した僕を見て 気を失ってしまったので、医療室に一緒にいます」
『彼女 何か言ったの?』
「いえ “貴方は…”しか言ってません」
『そう。 まあ いいわ。 彼女から目を離さないで』
「了解」
顔に火傷の痕がある赤井の変装を解いた 安室は電話を切った。
「この人が桜雅 アイリス…ベルモットに写真を見せられた時にも感じたが……普通の女性にしか見えないな…」
安室はドレスの下から覗く 二丁拳銃に気づいた。
「…随分と物騒な物を持ち歩いているんですね…」
二丁拳銃……拳銃の腕は優れているみたいですね…
次に安室はアイリスのバックの中を確認した。
「…携帯…ロックが掛かっているみたいですね…」
下手にロックを解こうとすると 危険そうだ…
「……ん…」
その時 アイリスが目を覚ました。
安室は直ぐに携帯をバックに戻した。
「気がつきましたか?」
「……私…」
「廊下で倒れていたのを見かけて 僕がここに運びました」
「…そうでしたか…ありがとうございました…」
アイリスは微笑んだ。
「っ! いえ…」
可愛らしい人…
アイリスは上体を起こした。
「起きて大丈夫ですか?」
「特に痛いところもないので 大丈夫です」
「…ところで 僕が貴女を見つける前に ニット帽をかぶった男とすれ違ったんですけど、知り合いですか?」
「!」
アイリスは驚き 顔を伏せた。
「……わかりません。 とても親しい関係の方だったと伺っています…」
「……どういう意味ですか?」
「…私…記憶を失ってしまっているんです…」
「!?」
安室は目を見開いて 驚いた。
アイリスは自分の事など全てのことを忘れてしまっている事を話した。
安室は時計を確認した。
「さてと 僕はもう行きますね。 友人はもう少ししたら来ると思うので」
「本当にありがとうございました」
アイリスは頭を下げた。
「…記憶…戻るといいですね」
赤井の唯一の手掛かりだから……
「はい」
アイリスは笑った。
安室は笑い返すと 医療室から出て行った。
少しして コナンたちが医療室にやってきた。
「アイリスさん 大丈夫!?」
「…大丈夫です。 親切な方が運んでくれたので」
「…親切な方?」
「少し前に帰ってしまったんですけど……あ お名前聞くの忘れちゃった…」
「今回 招待した人は割と近場の人が多いから また会えると思うよ」
「よかった。 ちゃんと会って お礼がしたいな…」
その後、“Valentine's party”はお開きとなり、アイリスは迎えに来たラジャイオンと共に 帰路についていた。
あのガキから アイリスが倒れたと聞いたが…
ラジャイオンは横目で後部座席に座るアイリスを見た。
話す気配はないか……
ラジャイオンは正面に視線を戻した。
アイリスを 黒の組織を誘う罠にすると言うフォルシオンの作戦……
果たして上手くいくのか……?
その頃、安室とベルモットも帰路についていた。
「……彼女…記憶を失っているそうです…!」
「…なるほど…そう言う事ね…」
ベルモットは前髪を掻きあげた。
「あまり驚かないですね。 思い当たる節でも?」
「実際に会ったことない貴方はわからなかったかもしれないけど…性格が違った気がしただけよ」
「へぇー そうなんですか?」
謙虚な可愛らしい方だなと思ったんですが…
安室は正面に視線を戻した。
「じゃあ、今の状態の彼女なら 近づきやすいかもしれないって事ですね?」
「…まぁ そうなるわね」
「なら 僕たちで記憶回復の手助けをするのはどうですか?」
「! ふふっ 珍しいわね。 貴方から積極的になるなんて」
「…赤井の生死が気になって 夜も眠れないもので…」
「そう。 まぁ いいんじゃない。 …でも 私は桜雅家の執事に面が割れてるから、貴方が直接 接触しなさいよ」
ベルモットは妖美に笑った。
「貴方の“ハニートラップ”に落ちない女なんて、なかなかいないでしょうから」
「……褒め言葉として受け取っておきますよ…」
「あら そのつもりで言ったんだけど?」
「………」
本当は…個人的に 彼女の事が気になっているんですけどね――…