3.ハニートラップ
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【バーボン 標的が来たわよ。 準備はいい?】
【大丈夫です。 任せてください】
「頼んだわよ」
ボーイに変装しているベルモットは妖美に笑った。
アイリスとラジャイオンが鈴木財閥が主催している“Valentine's party”の会場の前に立つと、既に多くの招待客たちがいた。
「!」
「……緊張しているのか?」
アイリスは首を横に振った。
【あ! アイリスさん!】
「!」
アイリスは声の主を見た。
そこにはコナン達がいた。
「アイリスさん 元気だった?」
「…はい」
「記憶の方はどうですか?」
アイリスは首を横に振った。
「そうですか…」
「何か困ったことがあったら 私を訪ねてください」
「ありがとうございます 毛利さん」
「……園子お姉さん どなたですか?」
園子は光彦達を見た。
「そっか あんた達、アイリスさんに会うの初めてだったけ?」
園子はアイリスに視線を戻した。
「こちらは 桜雅財閥の当主 桜雅 アイリスさん」
「“財閥”!? じゃあ 園子姉ちゃんと同じで金持ちなのか?」
「すごいですね!」
「それで 隣にいる口の悪いのが 執事のラジャイオン・クロスフォード…さん」
「余計な事 ガキに言ってんじゃねェよ」
「…執事って感じじゃないですね…」
「執事さんってもっと優しい人なのかと思ってた」
「あァ? 何か言ったか?」
「「「何でもありません!!」」」
「…フン」
「あれ? 哀ちゃんは?」
灰原はコナンの横で、蘭に隠れる様に立っていた。
灰原に気づいたアイリスは歩み寄って 目線を合わせる様に腰を屈めた。
「……初めま… !」
あれ この子…前に…
「…なに?」
「……前に会った事ある…かな?」
「! …ないわよ」
アイリスは微笑した。
「そうだよね…。 よろしくね 哀ちゃん」
「……よろしく…」
記憶を失ってても 直感は冴えてるわね…
「さてと 俺は行くとするか…」
ラジャイオンはコナンを見た。
「俺は今日 アイリスに付いてられねェから、何かあったら
「…わかった」
…“死んでも”……ははは……冗談キツいぜ……
ラジャイオンは去り際にアイリスの頭に手を置いた。
「しっかりやれよ」
「! ………」
ラジャイオンは会場から去っていった。
「何だかんだ言って アイリス姉ちゃんの事 心配しているんじゃねぇーか!」
「まさに 主と執事の良き関係ですね!」
「………」
…数日 一緒にいて気づいた…
貴方は口調は冷たいけど…
実際は 優しくて、私の事をいつも心配してくれている事に――…
その後 アイリス達は会場に入った。
「わぁー チョコレートが沢山!」
「このチョコレート 可愛い!」
「あー 見ろよ! チョコレートファウンテンもあるぞ!」
光彦たちははしゃいでいた。
「こら 勝手に離れるんじゃないわよ! …全く…」
園子はため息をついた。
【チョコレートドリンクはいかがですか?】
ウェイターに変装しているベルモットがアイリス達に声をかけてきた。
「!」
この人の雰囲気…どこかで…
「美味しそう!」
「ありがとうございます」
「はい アイリスさん」
園子はアイリスにチョコレートドリンクを差し出した。
「……ありがとうございます」
アイリスはチョコレートドリンクを受け取った。
「!」
ウェイターに変装しているベルモットは異変に気づいた。
…彼女…こんなに 控えめな性格だったかしら…?
その頃、ラジゃイオンはフォルシオンと料亭の個室で合流していた。
「今の状態のアイリスと離れさせて…何を考えている フォルシオン?」
ラジャイオンはフォルシオンを睨みつけていた。
「そんな顔しないでください」
「チッ」
ラジャイオンはそっぽを向いた。
「お前のことだから 何か考えはあるんだろうがな…」
「ええ。 今回、アイリス様には悪いですが 罠になってもらう事にしました」
「……はァ?」
フォルシオンは妖美に笑った。
「“黒の組織“を誘う 罠に…」
チョコレートを試食して 楽しんでいたアイリスは一人 お手洗いにいた。
「やっぱり 外は楽しいな。 …もう一度 一人で外出するのに挑戦しようかな…」
あまり ラジャイオンさんに迷惑かけたくないし…
お手洗いを済ませたアイリスは会場に戻っていた。
そして 曲がり角を曲がった時、人とぶつかってしまった。
「いたた…ごめんなさい 大丈夫で…っ!?」
アイリスがぶつかった人を見ると、右の頬に火傷の痕がある赤井に変装している安室だった。
「……貴方は…っ!!」
アイリスは突然 頭に激痛が走り その場で倒れてしまった。
……私と一緒に写真に写っている人――…?