3.ハニートラップ
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ラジャイオンはフォルシオンに連絡をしに屋上へ行っていた。
ジョディはジェイムズとキャメルをアイリスのいる特別室に呼び出した。
「「アイリスさんが記憶喪失!!?」」
「シーッ!」
ジョディは唇に人差し指を当てながら言った。
ジョディ達は少し離れたベッドの上で院長の診察を受けているアイリスを見て、お互いに見合った。
「……私のせいです……」
「…キャメル…」
【全くだ!】
「「「!」」」
ラジャイオンがアイリスの病室に戻って来た。
「…と言いてェころだが、フォルシオンから伝言だ。 “キャメルさんのせいではありませんよ。 いずれ赤井様が亡くなられた事はアイリス様もお知りになったはずですから”…だとよ」
「……すみません……ありがとうございます…」
「…それで フォルシオンさんは?」
「しばらくあいつはこっちに構えねェらしいから 俺が対処するしか…【嫌っ!! やめてっ!!】」
ラジャイオン達はアイリスの方を見た。
アイリスは怯えながら泣いていた。
「てめェ! アイリスに何しやがった!?」
ラジャイオンは院長の襟元に掴み掛かった。
「私はただ 彼の写真を見せただけだよっ!」
「…彼?」
院長はアイリスの携帯に入っているアイリスと赤井の写真を見せた。
ラジャイオンはアイリスの携帯を奪い 院長を放した。
「……私はその写真を見せて “彼が誰かわかるかい?”と聞いただけだ…」
「………」
ラジャイオンはアイリスに視線を戻した。
「アイリス」
「…っ…」
アイリスは顔を上げた。
ラジャイオンはアイリスと赤井の写真を見せた。
「っ! もうやめて…その人…見たくないっ…!」
「!」
…奴を拒絶してる……?
記憶喪失になったアイリスの中でも 奴を覚えていると言うことか……?
アイリスの診察と検査が一通り終わった。
アイリスは疲れて眠ってしまっていた。
「結果としては、あまりのショックに対人関係の全ての記憶だけ抜け落ちてしまったと言うことになります」
「…全て…か…」
「はい。 恋人、友人だけでなく、自分の記憶すら無いようです」
「どれくらいで戻るんだ?」
「わかりません。 数日で戻る人もいれば、数年かかる方もいます。 また、何かをきっかけとして戻る方もいます」
「…数年……」
「ですが 彼の写真を見て反応を示していましたので、やはり 彼に影響があるかと思われます」
「……そうですか…」
「………」
…だとしても…もう 秀は……
ジョディの瞳に涙が浮かんだ。
院長が病室を出ていき ラジャイオン達が残っていた。
「とりあえず アイリスには少しずつ記憶を戻る様にしてもらわねェと」
「私たちもできる限り 協力しよう」
「…ええ」
…フォルシオンさん、こんな状態のアイリスさんに構えないなんて…一体 どんな大事な要件なの……?
フォルシオンから電話が掛かってきたラジャイオンは、アイリスをジョディに任せ 再び屋上にいた。
『……アイリス様の検査は終わりましたか?』
「…ああ。 ショックによる記憶喪失だとよ…」
『…そうですか…』
「アイリスの心配する気持ちはよくわかるが、“こっち”を気にするより “そっち”に気を遣えよ」
『…ええ……わかっていますよ』
電話を切ったフォルシオンは窓から外を眺めた。
【彼女の様態はどうだ?】
フォルシオンは振り向き 声の主を見た。
「風邪は治り もう少しで退院するようです…。 …ただ……ショックによる記憶喪失の状態です」
「……そうか…」
赤井は窓際にやって来た。
「彼女には悪いが、俺たちにとってはかえって都合がいいかもしれんな」
「…ですが…」
「わかっている」
赤井は窓から外を眺めた。
彼女の記憶喪失が 俺たちの作戦に吉と出るか…凶と出るか……
…そして…気がかりなのは……
…この先 アイリスの記憶がちゃんと戻るのかどうか――…