3.ハニートラップ
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その日の夜中、アイリスは特別室に移動した。
少しして 赤井を連れたラジャイオンが入ってきた。
「アイリス 大丈夫か!?」
「心配かけて ごめんね」
「べ 別に心配なんかしてねェよ!」
ラジャイオンはそっぽを向いた。
「そっ」
アイリスは微笑した。
ラジャイオンは横目でアイリスを見た。
無事で良かった…
「それで…」
アイリスは赤井を見た。
赤井はアイリスに深々と頭を下げた。
「この度の件 申し訳なかった…」
「………」
アイリスはフォルシオンとラジャイオンに視線を戻した。
「…席を外してくれる?」
フォルシオンとラジャイオンは特別室を出て行き アイリスと頭を下げたままの赤井が部屋に残っていた。
「いい加減 頭上げてよ」
赤井は頭を上げた。
「大体はフォルシオンから話は聞いたよ。 FBIなんでしょ?」
「……ああ…」
「…馬鹿な人。 自分の所為にするなんて」
「……お前を撃ったのはまだ新人なんだ。 いきなり汚点を付ける訳にはいかんだろう…」
「フォルシオンには全部お見通しだと思うけど」
「俺もそう思うよ…」
「優しい人なのね」
「……どうだろうな…」
「目つきはかなり悪人だけど」
「……よく言われる…」
「ふふっ」
アイリスは微笑した。
「…それで俺は何を償えばいい?」
「…償い?」
アイリスはきょとんとした。
「君はすんなり 俺の事を許してくれたみたいだが…それでは俺の気がすまん」
「なに 不満な訳?」
「…いや そう言うわけじゃないんだが…」
「…変な人…。 じゃあ アメリカの有名なスイーツを買って来てよ」
「………は?」
「だから “スイーツ”! それならいいでしょ?」
「……ああ…」
その後 アイリスと赤井は他愛ない会話をした。
少しして アイリスは眠ってしまっていた。
「赤の他人がいるのに 寝てしまうとは…危機感がないな…」
とても暗殺一族の当主とは思えんな…
赤井はアイリスの部屋を去ろうとしたが、引き止められた時に言われた言葉を思い返した。
「“もし 貴方が本当に私の命を狙っている人だとしたら、とっくに私は殺されているでしょ?”…か…」
…君は不思議な人だな…
…まるで…彼女みたいだ――…
次の日、赤井はアイリスに沢山のスイーツを買って来た。
「本当に買って来てくれたの!?」
「君が“買って来て”と言ったんだろう?」
「そうだけど…本当に買って来てくれるって思ってなかったから…しかもこんなに沢山!」
嬉しそうにするアイリスのベッドの上はスイーツの箱だらけだった。
「……“有名”と言われても 俺にはよくわからないがな…」
「スイーツなんか食べそうな顔してねェからな」
「………」
「良かったですね アイリス様」
「うん!」
アイリスは満面の笑みを浮かべた。
「!」
赤井は目を奪われ 黙り込んでしまった。
「ねぇ」
「………」
「ねぇってば!」
「!」
赤井は我に返った。
「大丈夫?」
「…ああ」
「一緒に食べようよ!」
「…君の為に買って来たものだ。 俺は遠慮する」
「えー…美味しいのに…」
そう言って アイリスは一口食べた。
「これも美味しい!」
「………」
アイリスは色々なスイーツを食べていた。
赤井はその様子を少し離れた所で見ていた。
「気になるのなら 頂けばいいじゃないですか?」
「…別にそう言う訳じゃない」
「アイリス様に興味を持たれましたか?」
「! ……少なからずな」
「ふふ。 そうですか」
アイリス様も同じ気持ちのご様子…
【これ 苦ーい!】
アイリスは顔をしかめた。
「赤井様」
「………」
赤井はアイリスに歩み寄った。
「くれてみろ」
「食べてくれるの!?」
アイリスは赤井にスイーツを差し出した。
赤井は一口 食べた。
「……言う程 苦くはないが…」
「苦いよ! 舌 可笑しいんじゃない?」
「…君の舌がお子様なんじゃないか?」
「! 私は甘い物が好きなの!!」
アイリスと赤井は言い合っていた。
「ふっ」
「ふふっ」
少しして アイリスと赤井は笑い合った。
アイリスと赤井の笑い声はしばらくの間響いていた。
……その時から貴方の事が気になってたんだよね……
その後、少しして 付き合い始めて……
…それから……
…それから――……
アイリスは5日ぶりに目を覚ました。
「「アイリス(さん)!!」」
ラジャイオンとジョディはアイリスの顔を覗き込んだ。
「アイリスさん 具合は…?」
「………」
アイリスは口を開かなかった。
「……アイリスさん?」
「アイリス 具合でも悪いのか!?」
「………」
「おい! 返事しろよっ!!」
「……“アイリス”って……私のこと…ですか……?」
「「!?」」