3.ハニートラップ
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「あぁっ!」
頭がぼーっとして 受け身が取れない…
太腿を撃たれて バランスを崩したアイリスの体は勢いよく地面に倒れこんだ。
倒れ込むと同時にアイリスはレッグホルスターから拳銃を二丁取り出した。
動いて 熱が上がっちゃったのかな…
アイリスは撃たれた太腿の痛みに耐え ポールを支えにゆっくりと立ち上がった。
「……はぁ…はぁ…」
「!」
太腿を撃たれただけにしては呼吸が荒いな…
“赤井”と呼ばれた男はアイリスに駆け寄った。
アイリスは赤井に二丁拳銃を向けた。
「……来ないでっ!」
【Akai-san!(赤井さん!)】
赤井の部下たちが拳銃をアイリスに向けたまま 現れた。
「Do not shoot anymore! Then call an ambulance!(もう撃つな! それと 救急車を呼べ!)」
「「「Yes(はい)」」」
赤井の一人の部下は携帯で救急車を呼んだ。
赤井はアイリスに視線を戻した。
「救急車が来るまで そのまま放っておいては危険だ。 応急処置をする」
赤井はアイリスの腕を掴んだ。
「は…放してっ」
アイリスは赤井の手を払い退けた。
その反動で アイリスの身体は道路の方へ後ろ向きで倒れそうになった。
「!」
赤井はアイリスの腰に腕を回し 倒れない様に身体を支えた。
アイリスは既に意識を失っていた。
「!?」
やはりこの体温の高さ…熱があるな
赤井はアイリスを寝かせ 太腿の止血をした。
間も無くして 救急車がやって来た。
赤井は状況を説明した。
アイリスは救急車に乗せられた。
「You are going back and reporting. (お前らは戻って 報告をしていろ)」
「「「Roger! (了解!)」」」
赤井は救急車に同乗した。
そして アイリスを乗せた救急車はサイレンを鳴らしながら その場を後にした。
「あいつ いつになったら戻ってくんだよ!?」
一方、アイリスに置いてかれたラジャイオンは待ちくたびれていた。
「チッ。 携帯切ってやがるし! 仕方ねェ 探しにいくか… 」
ラジャイオンはシオンとレオンを見た。
「お前らも協力しろよ?」
「「オォン?」」
シオンとレオンは首を傾げた。
その頃、大統領との会談を終えたフォルシオンの元にラジャイオンから連絡が来ていた。
「……アイリス様がいなくなった……?」
『…ああ』
「全く 貴方は何をしているんです?」
『……悪ィ…』
「携帯の電源も切られていると言うことですね?」
『…ああ』
「まあ 過ぎてしまった事は 過ぎてしまった事です」
『………』
「…仕方ありません。 本当は使いたくはないのですが…裏の手を使う事にしましょう」
フォルシオンは電話を切って リオンを見た。
「貴方の主には困ったものです」
リオンは尻尾を振った。
フォルシオンは電話をかけた。
「お久しぶりです 龍光様。 少々 頼み事がございまして――…」
その頃、病院に運ばれたアイリスは処置を受けていた。
赤井はアイリスの私物を見ていた。
「身分を証明する物が何も入っていないな…。 携帯の電源は切れていて つけて平気なものなのかわからんしな…」
だが…
あの身のこなしに 二丁拳銃…
組織の仲間にしろ 仲間じゃないにしろ
怪しい人物に変わりない…
アイリスの処置が終わり 病室に運ばれた。
「There is no other thing to life, but I absolutely need your help. (命に別状はありませんが、絶対安静でお願い致します)」
「understood. Thank you. (わかりました。 ありがとうございます)」
医師と看護師はアイリスの病室を出て行った。
赤井はベッドで眠るアイリスを見下ろした。
……お前は一体…何者なんだ――…?