2.スウィートデビル
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配達業者の人が去り、赤井はアイリス宛に届いた白い薔薇の花束と一輪の黒い薔薇を確認した。
「どうやら 爆弾も入っていない様だ…」
奴らと同じタイミングに匿名で贈られてきた この謎の薔薇の花束と一輪の薔薇……
…俺の思い過ごしならいいんだが……
白い薔薇の花束と一輪の黒い薔薇を持った赤井はアイリスの病室を訪れた。
病室のドアの前にはラジャイオンが立っていた。
「呑気に贈り物か?」
「俺からではない…匿名の送り主からだ…」
「…中は確認したんだろうな?」
「無論だ」
「…フン」
ラジャイオンはドアの前から退いた。
赤井はアイリスの病室に入った。
「赤井様……その花は…?」
「アイリス宛に届いた 匿名の贈り物だ」
「…匿名?」
フォルシオンは白い薔薇の花束と一輪の黒い薔薇を受け取った。
「送り主に当てはありそうか?」
「いえ。 最初は“Raven(レイヴン)”の方々を疑ったのですが…知らせていませんし…」
【それに 奴らがもし何かしらの方法で知ったら 直接来ちまうだろうしな】
ラジャイオンが病室に入って来た。
「そうですね。 だから 知らせてないんですけど…」
フォルシオンは白い薔薇と黒い薔薇を別々の花瓶に飾った。
「しかし…」
フォルシオンは顎に手を当てた。
「白い薔薇と黒い薔薇…送り主は相当 趣味が悪いですね…」
「…ああ」
白い薔薇の花言葉は…“私は貴女にふさわしい”…
そして…
黒い薔薇の花言葉は…“貴女はあくまで私のもの”…
…まさか…送り主は――…
赤井たちは杯戸中央病院の外で集まっていた。
「それにしても 彼らはどうやって患者の名を?」
「楠田よ。 彼はナースステーション患者の名前と病室が書いている表示板を写真に撮っていたから…」
ジョディはジェイムズを見た。
「多分 彼から送られていたその写真で 宛先を指定したのだと…」
「うむ」
「だが それではアイリスの部屋に届いた説明が出来ないがな…」
「え?」
「楠田が写真を撮った時 アイリスさんは入院してなかったし、そもそも アイリスさんが入院しているのは特別室だから」
「!」
「それに アイリス宛の贈り物には送り主の名も無く 爆弾も入っていなかった…」
「…じゃあ 単なる知り合いからじゃないの…?」
「…いや 彼女の知人には入院している事を誰にも知らせていないらしい…」
「…と なると…誰が……?」
「……今はそれより 奴らのことが先だ」
贈り物の相手は恐らく 奴だ……
ジョディ達は各病室の爆弾を回収していった。
その時 テレビに病室にいる元気な姿の水無の映像が流れた。
ジョディ達は水無の部屋に集まった。
そこには眠ったままの水無がいた。
赤井たちは組織の狙いは爆弾ではなく、爆弾につけた発信機で水無の病室を突き止めることであることに気づいた。
そして FBI達は最終手段である、3台の車で組織を撹乱させつつ 病院から水無を脱出させる作戦に変更した。
赤井は阿笠博士に連絡しようとしたコナンの携帯を取り 返した。
そして コナンの言葉から思いついた、組織の目をくらまし 水無を脱出させる良策を話した。
「問題は 水無 玲奈を乗せた車を誰が運転するかだが…」
色々な面で高度な技術が必要と言うことから 赤井が適任だとジェイムズは言った。
だが 赤井は目を付けられる危険性が一番高いと言う事から 断った。
「なら 銀髪の彼は?」
「ラジャイオンのことか?」
「ええ」
「彼なら難なくこなしてしまうだろうが…、彼らにはアイリスに万が一のことが会った時に対応してもらいたい」
送り主である奴が 何か仕掛けてくる可能性はないとは言えないからな……
相談し合った結果、水無の乗せた車は爆弾処理の時に活躍したキャメルが運転することになった。
「どうせ死んでも 悲しんでくれる家族はいませんしね」と言ったキャメルの言葉にジョディは矛盾を感じた。
赤井は杯戸中央病院を出る前にアイリスの病室を訪れていた。
アイリスの熱は下がったり 上がったりしていた。
「…アイリス 具合はどうだ?」
「…だいぶ 良くなったよ…。 ありがとう…秀…」
アイリスは弱々しく微笑んだ。
少しして アイリスは眠ってしまった。
「ちゃんと寝て 早く良くなれよ」
赤井はアイリスに顔を近づけた。
「…行ってくる」
そして 口付けた。
「伝染ってもしらねェぞ」
赤井はラジャイオンを見た。
「フン。 これでも 体は丈夫な方だ」
赤井はフォルシオンとラジャイオンを見た。
「アイリスにもしもの事があったら 頼んだぞ」
「はい。 お気をつけていってらっしゃいませ」
フォルシオンは一礼した。
キャメルに疑いを深めたジョディは運転を変わろうとしていた。
だが キャメルによって気絶させられてしまった。
FBIの作戦通り 3台の車は杯戸中央病院の地下駐車場から出た。
その情報をキャンティから得たジンはキャンティを1台目、コルンを2台目、ウォッカを3台目につけた。
ジンは杯戸中央病院周辺に残り指示に専念することにした。
「………」
アイリス……
俺が贈った薔薇を受け取ってくれたか……?
奴に対しての宣戦布告でもある 白い薔薇の花束と一輪の黒い薔薇を――…