2.スウィートデビル
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アイリスの容態が一先ず落ち着き 安心した赤井は屋上で空を見上げていた。
そして 宮野 明美からのメールを見た。
「アイリスさんは?」
そこにコナンがやって来た。
「一応 落ち着いて 眠ったよ」
「よかった…」
コナンは扉を閉めた。
そして 赤井の隣に立った。
「…奴らを迎え撃つ策なら まだ思案中だが…」
赤井は携帯を閉じた。
「でもさ 僕 赤井さん見てて思ったよ…。 もしかしたら 僕と同じこと 考えているんじゃないか…って…」
「! …ほう」
コナンは微笑した。
その頃、姿を消していた瑛祐は水無の部屋にいた。
そしてハサミで襲おうとするが、目を開けた水無に止められた。
杯戸中央病院には増員されたFBIの捜査官が集まって来ていた。
「赤井さんが味方でよかったよ…」
「フフッ。ボウヤもな…」
赤井とコナンは水無の部屋を訪れた。
「それで? どうする?赤井さん…」
赤井はドアを閉めた。
「イチかバチかのこの大勝負…」
赤井とコナンは眠っている水無を見た。
「乗ってみる気ある?」
増員されたFBIの捜査官は集まり 作戦会議をしていた。
そこに 遅れて赤井と連絡を受けたフォルシオンがやって来た。
「アイリスさんの具合は?」
「容態は落ち着いた。 はっきりとは出なかったが…インフルエンザの可能性が高く、伝染る危険性があるから 極力近づくなと…」
「アイリス様がご迷惑をお掛けして申し訳ございません」
フォルシオンは深々と頭を下げた。
「…いえ そんな…」
「問題は一緒にいた私たちが感染していないかと言う事だが…」
【インフルエンザの感染率はおよそ10%…てめェらみたいな免疫力の高ェ奴らはまず伝染らねェだろうな】
ラジャイオンが部屋に入ってきた。
「まあ」
ラジャイオンはコナンを睨みつけた。
「!」
俺…この人苦手だわ……
「一緒にいたガキは気をつけた方がいいだろうが…」
「では 念の為にコナン君には検査を受けさせましょう」
「………」
げっ! マジかよ…
「いや 我々も受けておこう。 万が一と言う事もある」
赤井たちは直ぐにインフルエンザの検査を受けたが結果は全員 陰性だった。
「アイリスさんって身体弱いの…?」
「…そんな事はないと思うが…」
「アイリス様は最近 元々体調を崩されていた様です…。 何か考え事をされている様で…」
「…そうか…」
まさか…黒の組織の事か……?
そして 作戦会議が終わり、FBIの捜査官が持ち場についていった。
ジョディは増員の一人としてやって来たキャメルを疑っていた。
赤井は缶コーヒーを飲もうとして 蓋を開けた。
だが 指先をコーティングしていた為 滑り、床に落としてしまった。
「「「!」」」
「あ…」
「ちょっと 大丈夫?」
赤井は缶コーヒーを拾った。
「…ああ」
「ろくに寝てないんじゃないの? アイリスさんの事もあって…」
赤井は病室を出て行った。
そして アイリスの病室にやって来た。
「赤井様」
イスに座っていたフォルシオンは立ち上がった。
「………」
壁に寄りかかっていたライジャイオンは目を開いて赤井を確認すると 直ぐにまた目を閉じた。
「少し様子を見に来た…」
アイリスの呼吸はだいぶ落ち着いていたが、まだ高熱が続いていた。
「まだ熱は下がらない様だな…」
「…ええ。 桜雅家の者は治癒能力が高いはずなので 心配なのですが…」
「………」
赤井は眠っているアイリスにそっと触れた。
…悪かったな
もう少し早く…強引にでも 医者に見せておけばここまで苦しませる事もなかっただろうに……
朝になり、ジェイムズ宛に死んだはずの楠田から荷物が届いた。
ジョディは荷物を受け取り、ジェイムズに渡した。
荷物の中身はコロンバインの植木鉢で、花言葉は“必ず手に入れる”、黒の組織からの宣戦布告だった。
少しして 杯戸中央病院の前には三つの事件によって 患者が殺到して来た。
その時、コナンはコロンバインの植木鉢から音が聞こえていることに気づいた。
赤井が慎重に確認すると、土の中から時限爆弾が仕掛けられていた。
ジョディとキャメルは爆弾処理に向かっていった。
そして、運転を変わったキャメルによって 爆弾は処理された。
各病室の患者には死んだはずの楠田の名で 爆弾入りの贈り物が届いていた。
赤井はアイリスの病室に向かっていた。
【桜雅 アイリス――…】
「!」
アイリスの名前…!
赤井はアイリスの話をしている受付の方へ歩み寄った。
受付では 受付係と配達業者の人が話していた。
「桜雅 アイリスがどうかしましたか?」
「桜雅 アイリス様のお知り合いですか?」
「ええ」
「よかった…! 桜雅 アイリス様宛のお荷物を運んで来たのですが、入院患者にはそんな名前の人はいないと言われてしまって…」
「…そうでしたか」
匿名で入院してるからな…
「それで 桜雅 アイリス様はどちらに…?」
「ああ 彼女には俺から渡しておくよ」
「助かります。 これが 桜雅 アイリス様宛のお荷物になります」
配達業者の人は赤井にアイリス宛の荷物を差し出した。
「…白い薔薇の花束と…一輪の黒い薔薇……?」
「はい。 定番の赤い薔薇じゃないし、特に 黒い薔薇なんて ちょっと不気味で…」
「送り主は誰だ?」
「それが…匿名なんですよ…」
「…匿名…?」
楠田の名じゃないと言うことは 奴らではないのか……?