2.スウィートデビル
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次の日、アイリスと赤井は黒の組織の手がかりの糸である水無が運ばれた杯戸中央病院に来ていた。
水無は命に別状はないが 意識が戻らず、昏睡状態だった。
「行くぞ アイリス」
「え? うん」
アイリスと赤井は水無の病室から出た。
「水無さんはいいの?」
「あそこに俺がいても目が覚めると言うものでもないだろう?」
「…それはそうだけど……」
「それなら お前と共に過ごす時間に当てた方が断然いい」
「!」
「これから病院に泊まることが多くなるだろう…。 そうなったら お前といる時間も少なくなるからな…」
「……秀…」
アイリスと赤井は杯戸中央病院を出て 駐車場に停めてあったシボレーに乗った。
「行きたい場所は?」
「う~ん……じゃあ 鎌倉は? あ でも…人混み避けた方がいい…?」
「いや 人混みの方が好都合だろう」
「じゃあ 決まり! 紅葉楽しみー!」
「お前は紅葉も好きだよな」
「うん!」
しばらくして 鎌倉に着いた。
「沢山いるね。 あ 外人の観光客も沢山いるよ」
「おい 勝手に何処か行くなよ…」
赤井はアイリスの手を掴んだ。
「えへへ…ごめん」
アイリスは赤井の腕に腕を絡ませた。
アイリスと赤井は色々なお寺を廻り 紅葉巡りをして一日楽しんだ。
そして 帰路についた。
「楽しかったね」
「ああ」
「今度はお花見行きたいなー」
「春になったらな」
去年 約束してあるしな…
「早く春にならないかなー」
赤井は微笑した。
あの桜が満開になる教会で 2人きりのお花見を――…
水無が入院して ひと月が経った。
水無は昏睡状態のままだった。
そして 今日はクリスマス・イブ。
2日間の休暇をもらった赤井はアイリスを連れ 東都リゾートに向けて車を走らせていた。
「秀って東都リゾートって行ったことあったけ?」
「…俺が自主的に行くと思うか?」
アイリスは微笑しながら 首を横に振った。
「俺が行ったのはお前と行ったアメリカの方だよ」
「そっか…。 懐かしいね」
「…ああ」
しばらくして アイリスと赤井は東都リゾートに着いた。
赤井は出資者であるアイリスに言われ 関係者用の駐車場に車を停めた。
そして ホテルに荷物を預け、アイリスと赤井は東都リゾートに入園した。
「特別な日だけあって カップルが多いね」
「…そうだな。 だが…」
赤井はアイリスを抱き寄せた。
「俺たちも だろ?」
「……秀…」
アイリスは頬を少し赤く染めて 嬉しそうに笑った。
「じゃあ まずは…」
アイリスは赤井を連れて お店に入った。
「もうお土産を買うのか?」
「違うよ! これだよ!」
アイリスは東都リゾートのキャラクターの冬仕様の帽子を持って見せた。
「う~ん…秀って…可愛いの似合わないね……」
アイリスは赤井に似合う帽子を選んでいた。
「…一応…男だからな……」
俺の為に必死に選んでくれているのは嬉しいが……
「あ これは!」
アイリスは海賊の帽子を手に取って 赤井に被せた。
「うん! いい感じ!」
「…まあ いいんじゃないか…」
「じゃあ 秀の帽子決定ね。 私はどうしようかなー…」
アイリスは自分の帽子を選び始めた。
その時 頭の上に冬仕様の白猫の帽子が被された。
「!」
「お前は猫が似合うからな。 …“季節外れのハロウィンパーティー”の時も」
「…ありがとう!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「さて どれから乗る?」
「お前が決めていい」
「私は何回も来たことあるから 秀が決めてよ」
「…なら お前のおすすめを廻りたい」
「…それじゃ一緒だよ…」
「…すまん」
「もう 仕方ないなー…。 じゃあ 2日間あるから 端から廻って 全部乗ろう!」
「…全部…?」
「うん! 全部!」
そう言って アイリスは悪戯な笑みをした。