2.スウィートデビル
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午前中、アイリスと赤井は入院したジョディのお見舞いに来ていた。
「ジョディさん 命に別状なくて 本当に良かった」
「ああ」
そして、午後休をもらった赤井はアイリス達を連れて 山奥にピクニックに来ていた。
「着いたぞ」
アイリスはシボレーから降りた。
「風が気持ちいー! 空気も美味しー!」
リオン達が荷台から降りてきた。
「さあ リオン、シオン、レオン、いっぱい遊んできていいからね」
「「「ワォン」」」
リオン達は嬉しそうに走っていった。
アイリスは大きなレジャーシートを敷いた。
「今日は私がサンドイッチ作ってきたよ」
「ほう…そいつは楽しみだな」
その時 赤井の袖をリオン達が引っ張った。
「ん?」
赤井はリオン達を見た。
「なんだ?」
「“秀と遊びたい”って」
「「「ワォン!」」」
リオン達は尻尾を振った。
「…仕方ないな」
「いってらっしゃい。 私はお昼の支度しておくから」
「ああ」
赤井たちは走っていった。
そして、お昼の時間になり アイリスと赤井はサンドイッチを食べていた。
「…どう?」
「ああ 美味いが…」
「…“が”…?」
「…もう少ししょっぱい系のものがあると 嬉しいな…」
「あ…ごめん」
アイリスの作ってきたのはフルーツなどの甘い系サンドイッチがほどんどだった。
「あ!」
アイリスはもう一つの箱を出した。
「これ 秀が不満だったら出してってフォルシオンが…」
赤井が蓋を開けると そこにはしょっぱい系のサンドイッチがぎっしり詰まっていた。
「これは助かる…」
フォルシオンはよくわかっているな…
アイリスは凹んでしまった。
そう言えば 自分の好みしか考えてなかった…
ダメだな…私……
しばらくして お昼を食べ終えた。
「「ごちそうさまでした」」
アイリスが片付けようとした時 頭に手が乗せられた。
「!」
「ご馳走さん。 美味かったよ」
「…秀…。 今度はちゃんと秀の好みで作ってくるね…」
「ああ」
おやつを食べ終えたリオン達は木陰で昼寝をしていた。
「休暇をくれたジェイムズさんにお礼 言わないとね」
「…そうだな。 ジェイムズはお前のことを気に入ったらしい」
「…そう。 とってもいい人だよね」
「出身はお前の母親と同じ イギリスだから、話が合うところもあるだろう?」
「…うん」
赤井はレジャーシートに横になり 目を瞑った。
「……寝ちゃうの?」
「…少し横にさせてくれ。 今日は徹夜だったからな…。 それに あいつらの遊び相手は疲れる…」
「ふふっ。 お疲れ様」
赤井は片目を開けた。
「枕があると嬉しんだが…」
「…枕?」
赤井は人差し指でアイリスの膝をトントンと示した。
「ああ そう言うこと」
アイリスは座り直した。
「どうぞ」
「サンキュ」
赤井はアイリスの膝に頭を乗せた。
「おやすみ 秀…」
アイリスは赤井の頭を撫でた。
その時 アイリスの脳裏にジンの顔が浮かんだ。
……ジン…
…いつまでも この平和な時が続きます様に―――…
ある日、水無が黒の組織の“キール”だと確信したコナンはジョディ達と合流し 後を追っていた。
だが、バイク事故によって水無は頭を強く打ち付け 意識不明の重体の状態で病院に搬送されていった。
その頃、水無の靴底に付けられた発信機に気づいたジンは標的を小五郎に変えた。
赤井はアイリスと共に 遠くのビルの屋上にいた。
「もっと近くに建物があれば良かったのに…」
「問題ない」
「でも ここ…黒の組織が狙撃するであろうあの建物から700ヤードは離れているよ…」
しばらくして ジン達が現れ 小五郎を狙おうとしていた。
しかし、コナンによって防がれた。
「まあいい。 こいつを仕掛けた奴は迂闊にも指紋を残している様だ」
ジンは手に持っている盗聴器を見ながら言った。
その時 盗聴器が狙撃された。
「!」
ジンは狙撃した方を コルンから取り上げたライフルのスコープ越しに見た。
そして 赤井とアイリスの姿に気づいた。
赤井…秀一…、そして アイリス…
「秀!」
「ああ」
赤井はジンの持つライフルのスコープを狙った。
「っ!」
スコープを割った銃弾はジンの頬に傷をつけた。
やっと会えたな…愛しい愛しい宿敵……恋人さん…
赤井はジンを狙撃した。
ジン達は逃げる様に去っていった。
「良かった…」
小五郎さんが無事で…
アイリスは赤井を見た。
「ありがとう 秀…」
「ああ。 それより 怪我はないか?」
「うん。 大丈夫だよ」
アイリスは笑った。
アイリスと赤井はシボレーに乗って 帰路に向かっていた。
「それにしても 秀はすごいよね」
「ん?」
「だって 700ヤードも離れている所から あんな小さな盗聴器を狙撃できるんだもん! 秀はすごいよ!」
「…大した事じゃない」
「うううん! 秀は本当にすごいって!」
「…フン。 …褒めても何も出ないぞ」
「秀が傍に居てくれれば 何もいらないよ」
そう言って、アイリスは笑いかけた。
だから…ずっと傍にいてね―――…