2.スウィートデビル
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「…アイリス…お前は本当に俺でいいのか……?」
赤井の言葉にアイリスは言葉を失ってしまい、二人の間に長い沈黙が流れた。
「…それって…どう言う意味……?」
「…そのままの意味だが……」
「………」
「…前の女のことで整理がついてない俺が…、まだ若く 将来あるお前を縛り付けて本当にいいのだろうか……?…と最近 考えていた…」
「!?」
アイリスは目を見開いて驚いた。
「だから お前に考…「秀のバカっ!!」」
赤井は驚いた。
「宮野 明美さんでしょ!? その人の事は秀から話聞いたし、秀がまだ気にしてるのも知ってるよ!?」
アイリスの頬を涙が伝った。
「だからって何なのっ!? 私はただ 純粋に秀が好きなだけなのに…っ!? それなのに…っ」
「……待…「それなのに…どうして そう言う事 言うの…っ!?」」
アイリスの瞳からは涙がポロポロと流れ落ちていた。
「…待て! …俺の話を…「もう 秀なんて大っ嫌い!!!」」
アイリスはそのまま 部屋を出て行ってしまった。
「アイリス!!」
赤井はアイリスを追いかけようとしたが、そのまま 力なくソファに座った。
そして 頭を抱えた。
やはり…怒らせてしまったか……
だが…あんなに泣いて 怒る彼女を見るのは初めてだ……
赤井はため息をついた。
…俺のこと…本当に愛してくれていたのに……
…そんな彼女を傷つけてしまうなんて…
…最低だな…俺は……
その頃、アイリスはGT-Rに乗り、夜の東京を走っていた。
アイリスはジョディに電話かけた。
『はい?』
「………」
『……もしもし?』
「……っ…」
『……アイリスさん?』
「…ジョディ…さん…っ!」
『!』
アイリスの涙声にジョディは驚いた。
赤井がいる“ロイヤルスイートルーム”にはアイリスの大声を聞いたフォルシオンがやって来ていた。
「全く 貴方は何を心配されているんです?」
「……真剣に考えた結果 どうしても確かめたくなったんだ……」
フォルシオンはため息をついた。
何手先も読む頭の良さが裏目に出たのでしょうか……
その頃、アイリスはジョディの第二の“セーフハウス”にいた。
アイリスはジョディに言われ 目を冷やしに洗面所にいっていた。
赤井はジョディと電話をしていた。
『どうして すぐ追いかけなかったのよ!?』
「……返す言葉もない…」
彼女を引き留める言葉が思い浮かばなかったんだ…
『…もう…』
「…迷惑かけてすまんな。 …明日 迎えに行く」
『別に迷惑じゃないわよ。 それと 明日はやめた方がいいと思うわ…。 少し 時間をあげてあげた方がいいわ きっと…』
「…そうか」
『でも 仕事に支障が出ない程度に 早めにね』
「…わかった…」
赤井は電話を切った。
全く 簡単に言ってくれる……
「赤井様…」
「悪いが 一人にしてくれ…」
「かしこまりました」
フォルシオンは一礼して 部屋を出て行った。
赤井はバルコニーに出て タバコを一本吸った。
「さて…」
仲直りするきっかけにしては大きすぎる気がするが……
赤井は電話をかけた。
「…例の件…お願いできますか――…」
次の日、赤井は誘拐犯から解放されたジェイムズをシボレーに乗せて 走っていた。
「それで? わざわざ私を呼び寄せたのだから…その恋人とはよりを戻せそうなのか?」
「ええ…。 後悔させてやりますよ… 私をふった事を…。血の涙でね…」
赤井は黒い笑みを浮かべた。
「…ところで 君の本当の恋人は…? 今日 一緒に連れて行くと聞いていたのだが…」
「…昨日、少し喧嘩をしてしまいまして…」
「君が喧嘩とは珍しいな…」
「どうやら あれこれ考え過ぎた様です…」
「ははっ! 恋愛と言うものは事件の推理とは違って 上手く進まないし、どれが正しいのかもわからない……。 全く 難しいものだよ…」
「…そうですね…」
「…だが、普段は頭が切れる君が 色々悩んでいるなんて…その彼女はとても大切にしてもらっているんだろうな」
「……いえ…大切にしてもらっているのは 私の方なのかもしれません……」
「ん?」
赤井は考え事をして 黙り込んでしまった。
「…そうか。 早く会ってみたいものだよ 君が大切にしている彼女に」
そう言って ジェイムズは笑った。
「…ええ…必ず」
少し時間を置いたら 迎えに行く…
…アイリス――…