2.スウィートデビル
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ジョディは“ジョディ・サンテミリオン”と言う名で 蘭と園子が通う帝丹高校に赴任して来た英語教師として潜入を開始していた。
夜、赤井はジョディと電話で話していた。
『お目当ての標的の一人は爪にかかったわよ…』
「そうか」
『ええ…。 容姿を変えて堂々と学校に通ってるみたい…笑っちゃうでしょ?』
「…フン。 標的名はどうする?」
『標的名?そうねぇ…』
「………」
『“Rotten apple”…“腐ったリンゴ”にでもしておきましょうか…』
「奴にお似合いだな」
赤井は微笑した。
『そう言えば 学園祭の時に新出先生に変装しているベルモットがアイリスさんに接近していた所を見たんだけど…何か聞いてる?』
「! …いや 聞いてない。 彼女は全てを話してくれるわけではないからな…」
『…そう…。 まあ 秀が気にする様なことはなかったから 安心して』
「…ああ」
…秘密にされるのは少し悲しいな…
電話を切った赤井は寝室に入った。
アイリスは寝息を立てて 眠っていた。
赤井は眠っているアイリスの髪に優しく触れた。
「…だが お前のことだ…。 俺に余計な心配をかけまいとしているのだろう…?」
…アイリス――…
赤井はバルコニーに出て タバコに火をつけた。
そして、ヴィクトリアの言葉を思い返した。
“結婚はもう少し先として、貴方 先に婚約だけする気はある?”
赤井はタバコの煙を吐き出した。
「…婚約か…あまり深く考えた事はなかったが…」
赤井は携帯に残っている明美からの最後のメールを見た。
「………」
前の女のことで整理がついてない俺みたいな奴が…、まだ若く 将来ある彼女を縛り付けて本当にいいのだろうか……?
数日後、赤井たちがバスジャック事件に巻き込まれた。
アイリスは一人で、事情聴取から解放された赤井を迎えに来ていた。
「秀っ!」
アイリスは赤井の胸に飛び込んだ。
「よかった…無事で…っ!」
「心配かけたな…」
赤井はアイリスの髪を撫でた。
アイリスと赤井はGT-Rに乗り その場を後にした。
「…ジョディさんはよかったの?」
「ああ。 どうやら 知り合いがいたみたいだし、今日の調査は終わりだからな」
「ってことは 今日はもう帰れるんだよね!?」
「…ああ」
「わーい! じゃあ 今日は外食してこう!」
「…いや 今日は部屋の方でいい」
「え…?」
アイリスは赤井を見た。
「今日は…お前に話したいことがあるんだ…」
赤井の目は真剣だった。
「………」
…何だろう…?
アイリスと赤井は“レーヴロイヤルホテル”の“ロイヤルスイートルーム”に帰って来た。
そして、部屋の方に夕食を持って来てもらった。
「「いただきます(!)」」
アイリスと赤井は夕食を食べ始めた。
「随分と上機嫌だな?」
「だって 秀と一緒に夕食食べるなんて 久しぶりなんだもん!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「…そうか」
赤井は微笑した。
「…それで 話って…?」
「ああ…明日 俺の予定に付き合って欲しいんだが…」
違う…本当に話したい事はこれじゃない…
「秀の予定? うん! もちろん!」
…デートのお誘いかなー?
アイリスは笑った。
その後、アイリスと赤井は順番にお風呂に入り 寛いでいた。
「秀」
「………」
赤井は何か考え事をして 黙り込んでしまっていた。
「…秀…?」
「………」
もし 彼女にこの事を聞いたら きっと怒るんだろうな……
「ねぇ 秀ってば…!」
…疲れてるのかな…?
赤井はアイリスを見た。
「…ああ 悪い…」
でも それでも聞かないと前に進めないんだ……
「もう 休んだ方がいいんじゃない…?」
「いや 大丈夫だ」
アイリスを見る赤井の目が真剣になった。
「お前に聞きたい事があるんだ…」
彼女を大切に想うからこそ――……
アイリスと赤井は向かい合って ソファに座った。
「…単刀直入に言う…」
「……うん…」
アイリスと赤井の間に緊張が走った。
「…アイリス…お前は本当に俺でいいのか……?」