2.スウィートデビル
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蘭と新出先生に変装しているベルモットは台詞のことで話し合っていた。
「男前やなァ! ひょっとして 蘭ちゃんの相手役?」
「そう!」
「え? 園子ちゃんがヒーロー役じゃないの?」
「…あ」
園子はアイリスを見て 頭を下げた。
「…ごめん アイリスさん! 私 怪我しちゃって…代役を頼んだの。 私が出ないって言ったら アイリスさん来てくれないかも…と思って 知らせてなかったの…本当にごめんなさい」
「園子ちゃん 顔上げて」
園子はゆっくりと顔を上げた。
「怪我は平気なの?」
「…うん。 大丈夫だけど…」
「良かった。 そんなことで 園子ちゃんからの誘いを断るわけ無いでしょ?」
「…アイリスさん…」
「じゃあ そろそろ席に行ってるね」
「うん!」
アイリスとフォルシオンは観客席に向かっていった。
コナンに変装している灰原達も観客席に向かっていった。
そして アナウンスが入り “シャッフル・ロマンス”が上演された。
「なかなか本格的ですね」
「うん!」
そして 演劇の見せ場になった。
「キャ―――!!!」
その時 悲鳴が聞こえた。
殺人事件により 演劇は中止になり、目暮警部たちがやって来た。
そして 目暮警部、小五郎、平次での推理が始まり、容疑者は4人に絞られた。
その頃、アイリスは園子のもとを訪れていた。
「はぁー…最低。 変な事件は起こるし、劇は中止になっちゃうし、おまけに雨まで降ってきて…。 お祭りムードが台無しよ…」
「残念だったね 園子ちゃん…」
「アイリスさん こんなことになってごめんね」
「うううん。 とっても楽しい舞台だったよ」
「ええ。 高校の学園祭の演劇とは言え とても素敵でしたよ」
「ありがとう アイリスさん、フォルシオンさん」
「じゃあ 私はこれで。 誘ってくれてありがとう 園子ちゃん」
アイリスは背を向けて歩き出した。
「え? もう帰っちゃうの? まだ事件は…」
アイリスは振り返らず歩いて行ってしまった。
「…あ……行っちゃった…」
本当 不思議な部分が多いのよね アイリスさんは…
「申し訳ありません 園子様」
園子はフォルシオンを見た。
「うううん。 アイリスさんに会えてよかったよ」
「それはよかったです。 アイリス様もきっと同じことを思われていますよ」
そう言って フォルシオンは笑った。
「では 園子様、そろそろ失礼致します」
「はい。 アイリスさんにもよろしくお伝えください」
「はい」
フォルシオンは一礼して アイリスの後を追っていった。
アイリスは一人 駐車場の方へ向かっていた。
【ちょっといいですか?】
アイリスは振り向いた。
そこには新出先生に変装しているベルモットが立っていた。
「…何でしょう?」
…ベルモット…
「いえ。 園子さんのお友達だった様だったので、ご挨拶を と思って」
フォルシオンがアイリスの元に戻ろうと角を曲がった時、アイリスと新出先生に変装しているベルモットが話しているのが見えた。
「………」
やはり 接近してきましたか……
新出先生に変装しているベルモットはアイリスと他愛ない会話をしていた。
【お話し中 失礼致します】
フォルシオンはアイリスと新出先生に変装しているベルモットの横に立ち 頭を下げた。
「アイリス様 そろそろお時間が…」
「もう そんな時間?」
アイリスは新出先生に変装しているベルモットを見た。
「では 新出先生、ここで失礼しますね」
「ええ。 楽しいお時間をありがとうございました。 また会う機会がありましたら その時はよろしくお願いします」
アイリスは微笑むと フォルシオンと共に歩いて行った。
新出先生に変装しているベルモットのメガネが曇り 怪しい笑みを浮かべた。
「…“Sweet devil”……」
アイリスは白色のロールス・ロイスに乗り “へーヴロイヤルホテル”に向かっていた。
「アイリス様 本当に事件の方はよろしかったのですか?」
「いいよ。 私たちが出しゃばることでもないでしょ?」
「…そうですね」
例え 殺人事件だとしても 興味が無いことには首を突っ込まない……
お嬢様の冷酷な部分ですね――…
フォルシオンはアイリスを見た。
「ん? なに?」
「…いえ…何もありません」
フォルシオンは前方に視線を戻した。
…それより…ベルモットと何の話をされたのでしょうか……?
…お嬢様は黒の組織のことを何も話してくれませんね……