2.スウィートデビル
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夜になり 赤井が帰って来た。
「無事にジョディの手続きが終わったらしいな?」
「…うん。 明日から…って言っても、明日は学園祭だから 明後日から勤務だよ」
「…学園祭?」
「うん。 私 友人に誘われてるから 明日 行ってくるね。 …秀は行けないもんね…」
「俺は奴らに顔が割れているからな」
「…そうだよね…」
「…一緒に行ってやれないが、気をつけてな」
赤井はアイリスの耳元に顔を近づけた。
「特に 新出には…」
「…わかってるよ」
赤井はアイリスから少し離れた。
「とりあえず、桜雅家の権力を使わせてもらったから スムーズに事を運べる。 ありがとう」
「捜査に役立つなら存分に使ってもらって構わないよ」
アイリスは微笑んだ。
「ああ。 そうさせてもらうよ」
「でも 潜入捜査って楽し…」
その時 アイリスの脳裏に“スコッチ”と言う人のことが浮かんだ。
アイリスが赤井の顔を見ると 思いつめた表情をしていた。
「ごめんなさい。 そんなつもりで言ったわけじゃ…」
「…わかっている。 気にするな」
「………」
……どうすれば 負い目を感じなくなるのかな……
“バーボン”と言う人は組織の人だから
もう会う機会もないだろうし…
何か 仲直りする方法とかないのかな――…
次の日、アイリスとフォルシオンは園子に誘われた“帝丹高校学園祭”に来ていた。
「すごい人ね」
「はい」
「園子ちゃん達のクラスは“シャッフル・ロマンス”って言う超ラブ・ロマンスをやるらしいよ」
「ほう。 演劇ですか。 それは楽しみですね」
「しかも “黒衣の騎士”って言うヒーロー役なんだって!」
「それはそれは 園子様は張り切られているでしょうね」
その時、ジョディの姿が目に入った。
「あ ジョディさん!」
ジョディは振り返った。
「アイリスさん」
「私たち 演劇を観に行くんですけど、一緒にどうですか?」
「ごめんなさい。今回は別行動をさせてもらうわ。 手続きもあるしね」
「…そうだね。 じゃあね ジョディさん。 …気をつけて」
「ええ。 アイリスさんも」
ジョディは背を向けて歩いていった。
ジョディと別れ 歩いていると、フォルシオンは体育館に出来ている行列を見つけた。
「あそこみたいですね」
「本当だ! 園子ちゃんに挨拶してこよ」
「はい」
アイリスとフォルシオンは舞台裏に入っていった。
その頃、 蘭と園子はコナンに変装した灰原たちと合流していた。
「園子ちゃん!」
「あ アイリスさん! それに フォルシオンさんも」
「お久しぶりでございます 園子様」
「!」
燕尾服…執事?
それに この人たち 普通の人とは何か違う……
「園子 知り合い?」
「うん。 紹介するわね。 こちらが 桜雅財閥の当主 桜雅 アイリスさん」
「っ!?」
桜雅財閥!?
“桜雅財閥”を知っていたコナンに変装している灰原は目を見開いて驚いた。
「どうしたの コナン君?」
「うううん。 何でもない」
道理で雰囲気が違うわけだわ…
「………」
どうやら 桜雅財閥を知っているようですね…
ですが こんな子供がなぜ……?
実に興味深い……
フォルシオンは妖美に笑った。
「初めまして 桜雅 アイリスです。 下の名前でお呼び下さい」
「で お隣にいるのが 執事のフォルシオンさん」
「桜雅家の執事をしております フォルシオン・クロスフォードと申します。 以後 お見知りおきを」
フォルシオンは一礼した。
蘭たちも自己紹介をした。
「その若さで当主とは素晴らしいですな」
「ありがとう」
「私 探偵を職業としておりますので 何か困った際は是非 ご連絡ください」
小五郎は名刺を差し出した。
「ちょっと お父さん!」
「いえ 構いませんよ。 頂戴致しますね」
アイリスは名刺を受け取った。
「すみません」
「いいお父様だね」
アイリスは微笑んだ。
「…あの…アイリスさんはハーフですか?」
「うん。 イギリス人とのハーフだよ」
【蘭さん ちょっといいですか? ラストのセリフのきっかけですが…】
台本を見ていた新出先生に変装したベルモットが声をかけてきた。
「ちょっと すみません」
「どうぞ」
あの人が…新出先生……
恐らく ベルモットが変装している人物……
アイリスはフォルシオンを横目で見た。
フォルシオンは頷いた。
こんなに堂々と変装して姿を現しているとは……
アイリスとフォルシオンは目つきを変え 新出先生に変装しているベルモットを見た。
笑っちゃうね
笑ってしまいますね