1.愛する人
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「ふふふふふっ!」
レオナルドの笑いが広間に響き渡った。
「……何がおかしいんだ?」
「ふふふっ! いや 失礼」
レオナルドはアイリスを見た。
「君は本当に優しいね。 まるで女神様の様だ」
「!」
アイリスに向けたレオナルドの顔は今までのいやらしい顔ではなく 昔の優しい顔だった。
「それに、やっと アイリスの言葉でちゃんと彼のことを話してくれた事…とても嬉しいよ」
「…え…!? …知ってたの…?。 私…貴方に話した覚えは……」
レオナルドは笑った。
フォルシオン達も笑った。
「どう言うこと…?」
「どうやら 事情を知らなかったのは俺と彼女だけの様だな…」
アイリスは赤井を見た。
「秀…どう言う意味?」
「それは 私が説明しましょう」
フォルシオンはアイリスと赤井の方に歩み寄って来た。
そして、事情を説明した。
「え―――――っ!?」
アイリスは驚きの声をあげた。
「ですから 今までのは全てレオナルド様の芝居で、レオナルド様は自ら 悪役を引き受けられたと言うことです」
レオナルドは頷いた。
「僕たちはただ 赤井君のことをアイリスの口からちゃんと聞きたかっただけなんだ」
「! ………」
「…ごめんね。 君に嫌な思いをさせてしまって…」
「…うううん。 …私の方こそ 全然気づかなくて…ごめんなさい……」
「これからは アイリスと赤井君のこと 見守っていくよ」
「…レオナルド……。 ありがとう!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
その後、赤井とヴィクトリア達は自己紹介をし合った。
そして、赤井を混ぜた“Raven(レイヴン)”の集まりはお開きとなり、アイリスと赤井はアイリスと赤井の部屋に戻った。
「変わってないな この部屋も」
「秀が日本にいた頃のままだからね」
「…そうか…」
アイリスはお風呂に入りにいっていた。
先にお風呂を済ませた赤井はミニテーブルに置いてある アイリスと自分が写っている写真を見ていた。
その時 ドアがノックされた。
「はい?」
「ヴィクトリアだけど 少しいいかしら?」
「どうぞ」
ヴィクトリアが部屋に入って来た。
「アイリスはいないわね?」
「今 お風呂に入っていますが…」
「なら ちょうどいいわ」
ヴィクトリアはソファに座って赤井を見た。
「赤井君 単刀直入に聞くけど、貴方はアイリスとのこと どこまで考えているの?」
「! ……正直に言うと…あまり深くは考えていません」
「………」
「…ですが、近い将来 彼女を妻に迎えたいと思っています」
「…なら 良かった。 アイリス そこが不安だったみたいだから」
「……そうでしたか…」
俺があまり言葉で伝えてないからだろうか……
「そこで なんだけど…」
「?」
「結婚はもう少し先として、貴方 先に婚約だけする気はある?」
少しして アイリスが部屋に戻って来た。
「ただいま」
「…お帰り」
赤井はソファに座り 指を組んで考え事をしている様だった。
「…秀 大丈夫? …具合悪いの…?」
アイリスは赤井の顔を覗き込んだ。
「いや 大丈夫だ」
赤井はアイリスの頬に触れた。
「お前をもっと大事にしよう…そう考えていたんだ」
「…え…?」
赤井の表情は真剣だった。
アイリスは自分の頬に触れている赤井の手に触れた。
「…もう…充分 大事にしてもらっているよ…」
「…そうか」
赤井は微笑し アイリスに口付けた。
赤井は自分の腕を枕にして眠っているアイリスを見ていた。
赤井はアイリスの言った言葉を思い返した。
“…彼は…私の愛する人です”
赤井は微笑した。
「本当にお前は…」
赤井はアイリスの髪に口付けた。
愛おしいな――…