1.愛する人
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17時になり、広間で“Raven(レイヴン)”の集まりが始まった。
まず、一緒に席でゆっくり食事をし、その後は立食パーティーとなった。
アイリスはレオナルドを避けながら 談笑していた。
「そうそう 君の彼 帰って来たんでショ?」
「例のイケメンな彼ね」
「…え? どうして 知って…」
【君 彼がいたのかい!?】
アイリス達のもとに声を荒げたレオナルドが駆け寄って来た。
「アイリス どうなんだい!?」
レオナルドはアイリスを問い詰めた。
「…い……」
アイリスの脳裏に赤井の言葉が過った。
“行って そいつに俺の話をして来い”
…ダメ……
…やっぱり……言えないよ……
アイリスは黙り込んでしまった。
「「………」」
フォルシオンとラジャイオンはその様子を見ていた。
「黙り込んだらわからないよ…」
レオナルドはヴィクトリアと龍光を見た。
「その彼 名前は何て言うんだい?」
「!」
「彼の名は あ…「いないよ…っ!!」」
「「「!」」」
「…彼なんて…いないよ…っ!」
ごめんね…秀……
「本当?」
アイリスは軽く頷いた。
「ああ 良かった! 君に相応しいのはこの僕だからね」
そう言って レオナルドはアイリスを抱き寄せた。
「離して…!」
アイリスはレオナルドの腕から逃れ様とした。
だが、レオナルドは抱きしめる力を強めた。
「君はどうして 僕のこの熱烈なアプローチを断るんだい? やっぱり 彼が…「いないって 言ってるでしょ…!」」
その時 ドアが勢いよく 開いた。
「「「!」」」
アイリス達はドアの方を見た。
「……秀…!?」
そこには 赤井が立っていた。
「あら 写真で見るより いい男じゃない」
「……まさか…」
「あの人が アイリスの彼ダヨ」
「!? ………」
レオナルドは赤井を睨みつけた。
赤井はレオナルドを睨みつけて 歩み寄った。
「彼女を離してもらおうか?」
「アイリスは“彼はいない”と言ったからね。 君にそんな権利はないと思うが…」
赤井はアイリスを見た。
「結局 言ってないのか…?」
「……ごめんなさい」
赤井はため息をついた。
「お前は優しいな」
「……秀…」
「……僕を無視して話を続けないでくれるかい?」
アイリスと赤井はレオナルドを見た。
「さあ 彼は君の何なんだ? ちゃんと答えてくれたら 離してあげるよ」
「………」
アイリスは赤井を見た。
赤井は頷いた。
アイリスは視線を戻した。
「…秀…うううん。 …彼は……」
「……彼は…?」
アイリスは深呼吸をして 真っ直ぐな目でレオナルドを見た。
「…彼は…私の愛する人です」
アイリスの言葉にしばらくの間 沈黙が流れた。
レオナルドは無言でアイリスの拘束を解いた。
「秀…!」
アイリスは赤井に抱きついた。
「……やり過ぎだぞ レオナルド」
「…ですが…」
「君にはやはり ここは向いてないと思うよ」
「…それは……出禁にする…と言う訳ですか…」
「…“出禁”? そんな甘いもので済む訳ないだろう?」
「っ!」
その瞬間 レオナルドは拳銃を向けられ、首元に倭刀が当てられた。
「何かの冗談ですよね…?」
「…“冗談”? フフッ…」
倭刀を首元に当てている龍光の目が前髪の隙間から怪しく光って見えた。
「君はここで始末されるべきだヨ」
「っ!?」
「ちょっと待って…!」
「「「!」」」
アイリスはレオナルドの横に立った。
「“始末”だなんて 絶対ダメ!」
アイリスはレオナルドを見て 視線を戻した。
「こんな人でも “Raven(レイヴン)”を支えてくれてる…仲間…でしょ? …違うの?」
アイリスの瞳には涙が浮かんでいた。
「……ふふふふふっ!」
その時 レオナルドの笑いが響き渡った。