1.愛する人
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【本当 あんたは女心がわからないわね…】
「「!」」
アイリスとラジャイオンは声の主を見た。
そこには世界的に有名なハイブランド“クリスティーヌ”の創業者の一族 兼 デザイナーであるヴィクトリア・クリスティーナが立っていた。
「ヴィクトリアおば様!」
「Bonjour!(こんにちは!) 久しぶりね アイリス」
ヴィクトリアはアイリスを抱きしめた。
ヴィクトリアはラジャイオンを見た。
「お前も久しぶりね」
「けっ。 うるさいのが来た…」
「“うるさい”って何よ!?」
その時 ドアがノックされた。
「誰よ?」
【ヴィクトリア様 司です】
ドアをノックしたのは西園寺家の執事 如月 司だった。
「!?」
司さん!?
「入っていいわよ」
【失礼致します】
ヴィクトリアの大きなトランクを持った如月が部屋に入って来た。
「司さん!」
アイリスは如月に駆け寄った。
如月はアイリスを見た。
「アイリス様 お久しぶりでございます」
そう言って 如月は一礼した。
「司さんは海外に行ってるって雷おじ様が言ってたんだけど…もしかして 今日の集まりのの為に?」
「はい。 “Raven(レイヴン)”の皆様に声かけを。 手紙では読まれない方もいらっしゃいますし…」
如月はヴィクトリアを見た。
「ヴィクトリア様が“迎えに来て欲しい”と仰られて」
「当たり前じゃない。 私が行くんですから、迎えくらいないとね」
アイリスは苦笑いをした。
ヴィクトリアおば様らしい…
「そうそう 今日はアイリスの為にドレスを持って来たのよ」
ヴィクトリアは如月を見た。
「司」
「はい」
如月は持っていたヴィクトリアの大きなトランクを床に置き 中からラッピングされた袋を出した。
「アイリス様」
如月はラッピングされた袋をアイリスに差し出した。
「ありがとう」
アイリスは受け取った。
アイリスはヴィクトリアに視線を戻した。
「ありがとう ヴィクトリアおば様」
ヴィクトリアは笑った。
「開けてみて」
「うん!」
アイリスはラッピングされた袋を開けた。
中には純白のミニドレスが入っていた。
「わー 綺麗!」
「“クリスティーヌ”の未発表のドレスだそうです」
「…未発表?」
「まだ試作品の段階なの。 ほら こっちへいらっしゃい」
ヴィクトリアはアイリスの手を引いて 鏡の前に立たせた。
アイリスは鏡の前で純白のミニドレスを合わせてみた。
「すごく可愛い」
「そりゃそうでしょ 私がデザインしたんだから」
「…うん!」
「ほらほら いつまでも合わせてないで 早く着てみましょ」
そう言いながら ヴィクトリアはアイリスから純白のミニドレスを取り上げた。
「では 私たちは一度 部屋を失礼致します」
如月は一礼して 背を向けてドアの方へ歩き出した。
ヴィクトリアはラジャイオンを見た。
「ほら あんたも。 この部屋は今から男子禁制よ」
「へいへい」
ラジャイオンも背を向けてドアの方へ歩き出した。
「では ごゆっくり」
ラジャイオンと如月は部屋を出ていった。
「さあ 着替えましょ」
「…うん」
アイリスは純白のドレスに着替え始めた。
【アイリス様のドレスは決まりましたか?】
部屋の外で待っているラジャイオンと如月の元にフォルシオンがやって来た。
「ああ。 ヴィクトリアが持ってきたドレスでな」
「それは良かった。 どんなドレスなんですか?」
「“クリスティーヌ”の未発表のドレスで、ウェディングドレスをモチーフにしたドレスだそうです」
「ウェディングドレスを…」
ヴィクトリア様はアイリス様に結婚を意識させたいのでしょうか……
「やっぱり 私の想像してた通り、あんたによく似合ってるよ」
「…ありがとう。 でも…なんか ミニのウェディングドレスみたい…」
「あら よくわかったわね」
「え?」
「このドレスのモチーフはウェディングドレスなの。 花嫁しか着れないウェディングドレスをもっと身近な物に…と考えて作ったのがこの ミニウェディングドレスなのよ」
「…そうなんだ」
素敵なドレスだけど…
結婚なんてまだまだ先の話だし……
アイリスは瞳を伏せた。
……秀は…
…私との結婚を少しでも考えてくれているのかな……?