1.愛する人
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「どこのメーカーに向かってるの?」
「“シボレー”だ」
少しして アイリスと赤井は“シボレー”に着いた。
赤井はGT-Rを停めた。
「ありがとう」
「ああ」
アイリスと赤井は車を降りた。
「いらっしゃいませ」
「C-1500を見せて欲しいんだが」
「C-1500ですね。 どうぞ こちらへ」
店員はアイリスと赤井をシボレー C-1500の方へ案内した。
「こちらになります」
「あまり見たことない形ね」
「アメ車がお好きな方などに人気が高い車種になります」
赤井はシボレー C-1500を観察していた。
「お前はどう思う?」
「私は秀がいいならいいと思うけど…」
「…“けど”?」
「やっぱりセダンタイプの車がかっこいいよー!」
そう言って アイリスは隣に並んでいたセダンタイプの車を見た。
「………」
セダンか…
赤井は視線を戻した。
「お前に聞いといて悪いが こいつにする」
「…えー…残念。 秀がセダンタイプに乗ってたら 絶対似合うと思うのに…」
「……そんなことはないと思うが…」
赤井は店員を見た。
「この車を購入する」
「お色はいかがなさいますか?」
「黒で」
「黒!? 赤じゃないの!?」
「えーっと…」
「黒でお願いします」
「かしこまりました。 少々 お待ちください」
店員は書類を取りに行った。
「どうして 黒なのー!?」
「好きな色だから」
同時に嫌いな色でもあるがな…
「確かに 黒もかっこいいけど…赤の方が絶対かっこいいのに…!」
アイリスはぶーぶー文句を言っていた。
「………」
次に車を買う時は 赤色のセダンにするか…
その後、書類を持って戻って来た店員から説明を受けていた。
「一つ聞きたいんだが」
「はい 何でしょう?」
「今日 購入して、納車はいつになる?」
「そうですね……早くても半月くらいかと…」
「それじゃ遅いの…」
「え?」
「どうにかして 明日にして」
「……明日!? それは無理なお話ですよ お客様」
アイリスの目つきが変わった。
「貴方じゃ話にならないから 社長に連絡してくれる? 桜雅 アイリスが話があると…」
「!」
結局、埒が明かないと判断したアイリスは店員から電話を取り上げ 自分で話した。
交渉の末、シボレー C-1500は明日に納車してもらうことになった。
赤井は現金で一括して払った。
「明日 納車になってよかったね」
「ああ」
「今日の午後は私の車 貸してあげるよ」
「助かる」
アイリスは微笑んだ。
アイリスと赤井は店員に見送られ “シボレー”を後にした。
帰りも赤井が運転してくれていた。
「運転変わらなくてよかった?」
「ああ 気にするな」
「そう言えば、結局 左ハンドルの車にしたんだね」
「まあ 慣れてるからな。 アメ車も悪くないだろ?」
「まあね」
「それに あの車なら、あいつらも乗せて動けるだろ」
「……“あいつら”…?」
アイリスの頭にフォルシオンとラジャイオンがシボレーの荷台に乗っている光景が浮かんだ。
「……うん? 何か違う?」
「……お前 執事たちを想像しただろ?」
「…やっぱり違った?」
赤井はため息をついた。
「…オオカミ達だよ」
「あ! リオン達!」
アイリスは赤井がリオン達のことを考えてくれていた事に嬉しくなった。
「まだ時間あるか?」
「うん。 次の予定は夕方からだから」
「………」
夕方からの試食会と言う予定…本当に存在するのだろうか……
ホテルを出る時 人の出入りがなかった
夕方からなら下ごしらえに来ていてもおかしくないはず
一流のシェフなら尚更だ…
それに…
西園寺さんの言葉も気にかかる…
「…秀?」
「ああ すまん。 少し早いがお昼 食べないか?」
「うん!」
アイリスはとても嬉しそうな顔をした。
赤井は微笑した。
「何が食べたい?」
「秀が食べたいものでいいよ」
「俺は何でもいいんだが」
「じゃあ……お寿司! アメリカじゃ あまり食べてないだろうから」
「ああ。 握りの寿司はアメリカじゃほとんど食べれないからな」
「じゃあ 決まり! お店はここね」
アイリスは携帯の画面を見せた。
「わかった」
アイリスと赤井はお寿司屋さんに向かった。