1.愛する人
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数十分後、アイリスはソファで横になり ぐったりしていた。
「だから言っただろ…」
赤井はアイリスに飲み物を差し出した。
「…ありがとう…」
アイリスは起き上がり 飲み物を受け取った。
「生き返るー…!」
赤井は微笑した。
「秀はすごいよね。 あんなに走ったのに 少し呼吸が乱れただけだもん」
今は正常に戻ってるし…
「トレーニングしてるからな」
「あ そうだよね。 ごめん…」
「いや。 お前もよくその華奢な身体で あれだけ走れるよな…」
一般の男でも難しい事だろうに…
「そんなことないよ…」
【楽しく談笑中のところ 失礼致します】
「「!」」
アイリスと赤井は声の主を見た。
「フォルシオン!」
「おはようございます アイリス様、赤井様。 こちらにおられたんですね」
「秀に誘われて」
そう言って アイリスは赤井を見て 視線を戻した。
「左様でございましたか」
「それで どうしたの?」
「お嬢様のお車を屋敷から運んできたので そのご報告を」
「ありがとう!」
「そのままでは気持ち悪いでしょう…。 温泉に入られてきてはいかがでしょう?」
「そうだね…」
「私は部屋の方で 朝食の支度をして待っておりますので。 …赤井様にはあまりお時間がありませんから 手短にですよ」
「…わかってるよ」
アイリスは赤井を見た。
「温泉行こ 秀」
「ああ」
アイリスと赤井は温泉に向かっていった。
フォルシオンは二人を見送ると “ロイヤルスイートルーム”に向かって歩き出した。
フォルシオンは懐中時計で時間を確認した。
「…17時まで8時間を切りましたね」
今頃 遠方の皆様は飛行機の中…
…いや…
屋敷にいるラジャイオンからは連絡がまだないですが、もう日本には着かれている方もいるかもしれませんね…
何せ お嬢様のことを大切に思ってくださっている方々ですから…
温泉から戻って来たアイリスと赤井は朝食を食べた。
そして 駐車場にやって来た。
駐車場にはアイリスの赤色のGT-Rが停まっていた。
「アイリス様 キーを」
フォルシオンは車のカギを差し出した。
「うん」
アイリスは受け取ろうとした。
が、アイリスが受け取る前に 赤井が受け取った。
「秀?」
「俺が運転しよう。 さっきので疲れただろ?」
「……じゃあ お言葉に甘えて」
赤井は微笑し 助手席のドアを開けた。
「ありがとう 秀」
赤井は助手席のドアを閉め 運転席に乗り込んだ。
「右ハンドルの車 運転したことある?」
「日本にいた時に少しな」
「左車線だからね」
「フン。 心配しすぎだ」
赤井はGT-Rを出した。
「いってらっしゃいませ」
フォルシオンは一礼した。
【アイリスと赤井君は行ったのか?】
「ええ」
西園寺はフォルシオンの隣に立った。
「彼女にまだ話していないのか?」
「ええ。 そんなことはないかと思いますが…このまま戻って来なくては色々と厄介ですから」
「彼女のことだ。 それはないと思うが…赤井君がいるからな…。 赤井君にも“Raven(レイヴン)”の事は話していなんだろう?」
「はい。 後ほど お話しようと思っておりますが…」
「…そうか」
「さてと…ラジャイオンだけでは心配な部分もありますので、一足先に私も屋敷の方へ戻っております。 また アイリス様と赤井様がお戻りする頃に お迎えにあがります」
「ああ。 わかった」
「では 西園寺様、失礼致します」
フォルシオンは一礼して “レーヴロイヤルホテル”を後にしていった。
「“Raven(レイヴン)”の事を知った彼はどんな反応をするだろうか…」
特にレオナルドの事を知ったら…
君はどう言う態度を取るのだろうね…