1.愛する人
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しばらく抱き合っていたアイリスと赤井は名残惜しそうにゆっくりと離れた。
「…あ…」
「……みんなを待たせてる」
そう言って 赤井は西園寺を見た。
「では 再会を祝ってディナーにしようか」
ラジャイオンは高級フランス料理店“Éternel(エテルネル)”の扉を開けた。
「さあ アイリス様」
フォルシオンはアイリスにバックを渡した。
「……ありがとう」
アイリスは赤井を見た。
赤井は自分のことで戸惑いを隠せないでいるアイリスの腰に手を添え お店に入った。
「「「いらっしゃませ。 お待ち申し上げておりました」」」
メートルとギャルソン達は頭を下げた。
「今日は無理を言ってすまんね」
「とんでもない。 こんな素敵なディナーに当料理店を選んで頂けるなんて 光栄です。 では お席へご案内します。 こちらへ」
メートルの後に続き アイリス達は歩き出した。
「どうぞ。 こちらのお席になられます」
ギャルソン達は椅子を引き、女性→男性の順に座った。
フォルシオンとラジャイオンはアイリスの傍に立っていた。
「お前たちも座りなさい。 今日くらい 一緒に食べようじゃないか」
「西園寺様 お心遣いありがとうございます。 ですが 私どもは遠慮します」
「そうか…残念だ。 では 後でお前たちの部屋に料理を運ばせるよ」
「ありがとうございます」
フォルシオンは頭を下げた。
まず 食前酒が運ばれて来た。
西園寺はアイリス達を見た。
「では グラスを持って」
アイリス達はグラスを目線の高さで持った。
「乾杯」
アイリス達は目線を合わせて 会釈し 一口飲んだ。
しばらくして シェフ達自らコース料理を運んで来た。
「この度は当料理店を選んで頂き ありがとうございます。 どうか今宵のディナーが最高のものになりますように」
「ああ ありがとう」
シェフ達は戻っていった。
「さて 料理の方を頂くとしよう」
そして アイリス達は料理を食べ始めた。
その後 お酒が回った西園寺とジョディは話が合い 盛り上がっていた。
アイリスは終始 何も喋らず、赤井と会話をすることはなかった。
その様子をフォルシオンとラジャイオンは見ていた。
「あいつ 具合が悪いのか?」
「…相変わらず 貴方は感情を読み取るのが下手ですね」
「っ! …そう言う繊細なことは苦手なんだよ」
「はいはい。 恐らく 赤井様が戻ってくることを知らされてなかったアイリス様は赤井様と話すことにまだ頭や心の準備ができず、戸惑っているのでしょう」
「は? そんなの普通に話せばいいだろ」
「そう言う訳にはいきませんよ。 女心とは難しいものなのです」
「…ふ~ん…」
フォルシオンとラジャイオンは視線を戻した。
程なくして お開きとなり、アイリス達は“Éternel(エテルネル)”を出た。
「アイリス あまり口にしてなかったみたいだが…口に合わなかったか?」
「いいえ。 とても美味しかったですよ。 ごちそうさまでした」
アイリスは微笑んだ。
「そうか…それならいいんだが…」
「私…今日は疲れました。 お部屋はどちらになりますか?」
「ああ…アイリスが泊まる部屋は“ロイヤルスイートルーム”だよ」
西園寺はフロアガイドを見せて ICカードキーを渡した。
「ありがとう。 おやすみなさい 雷おじ様。 また明日 今日見れなかった所を案内してくださいね」
「…ああ。 おやすみ アイリス」
アイリスは微笑むと 背中を向けて歩いて行った。
「………」
アイリス…
「全く アイリスには困ったものだ…」
「ええ」
西園寺は赤井を見た。
「すまないね 赤井君。 あまり計画が上手くいかなくて…」
「いえ。 色々と配慮してくださってありがとうございます。 それより 西園寺さん」
「なんだい?」
「今日 今のお店以外でこの時間から営業させることができるお店はありますか? できればバーの様なお店がいいんですが」
西園寺は赤井を見た。
「ああ それならちょうど1つのバーが開店準備で来てるはずだよ」
「どこのお店ですか?」
「“rencontre(ランコントル)”と言うお店だよ」
西園寺はフロアガイドを見せた。
「夜景がとても綺麗なお店なんだ。 お店の方には私から連絡しておくよ」
「ありがとうございます。 お願いします」
赤井は一礼して アイリスを追いかけて行った。