1.愛する人
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ディナーをする高級フランス料理店“Éternel(エテルネル)”を見てきたアイリスはイブニングドレスを選んでいた。
「“Éternel”はフランス語で“永遠”…」
「“永遠”って言うと 赤色を想像する人も多いけど、“紫色”の方がその意味は強いんだよね」
「さすが 色についてお詳しいですね」
「でも“紫色”って言っても 色々あるよね…」
「そうですね」
「う~ん…あ このドレスいいかも!」
アイリスが手に取ったのは 薄い赤紫色のフリルがついたイブニングドレスだった。
「……あれ? このドレスって…」
「流石 お目が高い。 そちらは “クリスティーヌ”のドレスになります」
「やっぱり…」
ヴィクトリアおば様がデザインしたドレス…
アイリスは鏡の前で合わせてみた後 試着した。
「うん いい感じ♪」
アイリスはフォルシオンを見た。
「どう?」
「とてもお似合いですよ。 アイリス様の好きな赤みも少し入ってますしね。 あとはこれとこれとこれを合わせるのがいいでしょう」
フォルシオンは靴とバックとアクセサリーを選んだ。
「うん! フォルシオンが選ぶものにハズレはないからね」
「ありがとうございます」
フォルシオンは胸に手を当てて 頭を下げた。
「さて では参りましょうか」
「うん!」
支度を終えたアイリスは “Éternel(エテルネル)”に向かって歩き出した。
先に支度を終えた赤井とジョディは“Éternel(エテルネル)”の前で待っていた。
「西園寺さん 遅いわね…」
「………」
そろそろか…
果たして 上手くいくだろうか?
「…秀?」
「………」
髪を切り 連絡なしで帰って来た俺を見たお前はどんな顔をするだろうな?
「ねえ 秀ってば!」
ジョディは赤井の肩を軽く叩いた。
「ん? なんだ?」
「どうしたの ぼーっとして…」
「いや 少し考え事をな…」
彼女のことを考えていると ついぼーっとしてしまうな…
“Éternel(エテルネル)”に向かっている途中 アイリスは西園寺とラジャイオンと合流していた。
「雷おじ様、ラジャイオン 待たせちゃってごめんね」
「西園寺様 大変お待たせしました」
フォルシオンは頭を下げた。
「ああ 構わんよ」
「全くだ」
「…ごめんね」
「………。 …そのドレス…よく似合ってる…」
「ああ。 今宵も綺麗だな アイリス」
「…二人とも……ありがとう」
「きっと彼も喜んでくれるだろうね」
「……彼? 雷おじ様以外に誰かいるの?」
「ああ 言い忘れてしまったが、私の知り合いが来ていてね」
「ふ~ん? そうなんだ」
「アイリスのよく知っている人だよ」
「私がよく知っている人? う~ん…誰だろう?」
「ほら あの二人だよ」
アイリスは西園寺の視線の先を見た。
「!?」
…秀……?
でも 短髪……
…似た人……?
【俺の顔も忘れてしまったのか?】
「!?」
その瞬間 アイリスの手からバックが落ちていった。
フォルシオンは落ちていくバックを掴んだ。
「アイリス様 落とされましたよ」
「……どうして……?」
アイリスの耳にフォルシオンの声は聞こえていなかった。
「…久しぶりだな アイリス」
「!?」
あの子が 桜雅 アイリス……!?
暗殺一家で想像していたジョディは一般的な女性の容姿のアイリスに驚いた。
「……どうして…ここにいるの……?」
「FBIの仕事で しばらく日本にいることになったんだ。 お前を驚かしたくて 伝えなかった。悪かったな」
「……っ…」
アイリスの瞳から涙が溢れ出した。
「……っ……秀っ…!」
そして、アイリスは赤井の胸に飛び込んだ。
赤井はアイリスを受け止めた。
「…秀っ…ずっと会いたかった…!」
「ああ 俺もだ」
赤井は強くアイリスを抱きしめた。