1.愛する人
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赤井たちはヘーヴロイヤルホテルに到着した。
ドアマンは車のドアを開けた。
「お待ち申し上げておりました 赤井様、ジョディ様」
「ああ。 ありがとう」
「ありがとう」
赤井とジョディは車を降りた。
ラジャイオンはフォルシオンと同様に自分自身で車を停めに行った。
赤井とジョディはエントランスに案内された。
「これが…ヘーヴロイヤルホテル…」
「まだオープンはしてないらしい」
「え? じゃあ…【お待ちしておりましたよ 赤井さん、ジョディさん】」
向こうからオーナーである西園寺が歩いてきた。
赤井とジョディは会釈した。
「この度は滞在先としての提供 感謝します」
「いいや 構わんよ。 このホテルはセキュリティ面も強化してある。 君たちのような立場の人にも安心して過ごしてもらえるだろう」
西園寺は赤井を見た。
「それより アイリスの恋人である君に会えるなんて嬉しいよ」
「…いえ」
「さて 立ち話もなんですから、ディナーでもご一緒にいかがです?」
「では お言葉に甘えて」
「こちらですよ」
西園寺の後に続き 赤井とジョディは歩き出した。
その頃、全ての温泉を廻ったアイリスが最後の温泉から出てきた。
「あー 気持ち良かった!」
【それは良かったです】
外ではフォルシオンが待っていた。
「フォルシオン!」
アイリスはフォルシオンに駆け寄った。
「フォルシオンは温泉入った?」
「ええ。 アイリス様が温泉巡りをしている間に手短に済ませました」
「そう。 で 今度は部屋の案内してもらうんだよね?」
「いいえ、アイリス様。 時間も時間ですし、先にディナーにしようとの事でしたので」
「あ そうだね。 お腹 空いちゃったし。 それで どこのお店?」
「フランス料理のお店でございます」
「フランス料理…ってことは ドレスコード有り?」
「はい。 フォーマルでとなります」
「服装指定も一流ね。 早くドレスを探しに行こう」
「…はい」
フォルシオンは懐中時計で時間を確認した。
「………」
まずいですね…
先程 赤井様たちが到着し 今頃 服を選んでいるところでしょうから、
このまま行けば どうしてもジョディ様と鉢合わせになる…
そうなれば ジョディ様はアイリス様の顔を知りませんが、アイリス様は写真で見たことがあるので FBIがいることに気づいてしまう……
「フォルシオン 考え込んでどうしたの?」
「アイリス様」
…仕方ありませんね
「なに?」
「折角会場にいるのですから レストランを見て ドレスのイメージをされてはいかがですか?」
「え? …確かに いつも屋敷から着てっちゃうからね…。 それ いいかも」
「では お店の方へご案内します」
「うん」
フォルシオンはアイリスを連れて 高級フランス料理店“Éternel(エテルネル)”に向かった。
「おい まだドレス決まらねェのか!」
ラジャイオンの怒号が女性用の試着室の扉の向こうから聞こえていた。
【もう少し。 ドレスなんて滅多に着る機会ないんだから! あら これも素敵】
「全く 女って奴は…」
「女なんてそんなものだろう」
タキシードに着替えを済ませた赤井はソファに座って待っていた。
「男と違って ドレスは沢山のデザインやカラーがあるからな」
「フン」
「……それで さっきの俺の答えはお前の求める答えになったと判断していいんだな?」
「……勝手にしろ」
「…そう判断しておくよ」
そう言って 赤井は立ち上がった。
「どこへ行く気だ?」
「まだ時間がかかりそうなんでね。 少しホテルの中を見させてもらっているよ」
【赤井様 ご案内いたしましょうか?】
「いや。 ご厚意 感謝する」
赤井は一人で歩いて行った。
「お前ももう このホテルにいるのだろうか……?」
赤井はフォルシオンとの電話のやり取りを思い返した。
『お久しぶりですね 赤井様』
「ああ。 夜分にすまんな」
『いえ。 それで どうかされましたか?』
「今日、これから日本に行くことになった」
『…それは随分と急ですね』
「追っていた獲物が日本に行くらしくてな」
『日本も より物騒になりそうですね…。 それで どうして来日することを私に話したのです? アイリス様に直接連絡された方がよろしいのでは?』
「いいんだ。 彼女にはまだ内緒にしておきたくてね」
『ふふ そうですか。 では 私は赤井様の計画が上手くいく様にフォローさせていただきますね』
「計画と言う程 大したものではないが…。 ありがとう。 それと これからのことなんだが――…」
赤井は美容院の看板に気づいた。
「美容院もあるのか…」
赤井は自分の長い髪を見た。
「明かりはついてるが、今日 営業してくれるだろうか?」
赤井は美容院に入った。
「髪を切ってもらいたいんだが…」