1.新たな住人
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【アイリス そろそろ一雨来そうよ】
いつの間にか アイリスとマルコの後ろにナミが立っていた。
「…そうですか」
アイリスは中央に立った。
「もうすぐ一雨来るので これにてお開きです」
アイリスの号令のもと 二次会は終了し 片付けをした。
「アイリス また明日なー!」
そして ルフィ達は帰っていった。
家に帰っていくルフィ達を見送るアイリスの表情は悲しげだった。
「………」
また…あの目だ……
アイリスは自分を見ているマルコに気づいた。
「マルコ様 まだいらしゃったのですか? 早くお帰りにならないと 雨に濡れてしまいますよ?」
「…ああ」
そう答えたマルコであったが 動こうとはしなかった。
「……マルコ様…?」
【おーい マルコー、帰るぞー!】
酔っ払い気味のサッチはマルコの肩に腕を回して連れていった。
「おいっ!」
「アイリスちゃん おやすみー」
「おやすみなさい サッチ様。 マルコ様もおやすみなさい」
「…ああ…おやすみ…アイリス……」
まただ…
その悲しげな目は何なんだ…?
マルコ達は早足で家に戻ったが 雨に濡れてしまった。
「ったく マルコがのんびりしてたから濡れちまったじゃなェか…あー 髪が…」
雨に濡れ 酔いが覚めたサッチは鏡の前で髪を整えていた。
「どうせ 風呂入れば崩れるだろ」
「そうそう」
サッチの後ろを通り過ぎていくイゾウ達は貶していった。
「みんな 冷たっ! ん?」
サッチはソファに座って動かないマルコに気づいた。
「どうした マルコ? 浮かない顔して…」
「…何でもねェよい」
マルコは立ち上がって自分の部屋に向かっていった。
「変なマルコ…」
マルコは眠れず ベッドで横になっていた。
「…気になって 寝れねェよい…」
アイリスの悲しそうな目…
あれは何に対してだったんだ……?
次の日 マルコは朝日で目が覚めた。
「いつの間にか 寝てたみたいだねい…」
マルコはベッドから起き上がって 部屋を出た。
「おはよー マルコ」
朝食の支度をしていたサッチが顔を覗かせた。
「マルコ お疲れ気味? 何か飲む?」
「寝付きが悪くてな。 コーヒーをくれ」
サッチはコーヒーを淹れ マルコに出した。
「はいよ」
「サンキュ」
マルコはコーヒーを飲んだ。
「寝付きが悪かったのって アイリスのこと?」
「! …アイリスは関係ねェよい…」
「そうか…そうか…」
サッチは疑いの目でマルコを見ていた。
「……サッチ」
忌々しそうにサッチを睨んだ。
その時 ドアがノックされた。
【おはようございます。 アイリスです】
「はーい どうぞ」
サッチはマルコに視線を戻した。
「噂をすればだな」
「………」
【失礼します】
アイリスは白ひげ海賊団の家に入った。
「おはようございます マルコ様、サッチ様」
「おはよー アイリスちゃん!」
「ああ おはよう」
「住み始めたばかりですし、何か困っていることはありませんか?」
「………わざわざそんなことのために…?」
「え? ええ」
「アイリスちゃんがわざわざ来ることじゃねェよ! 困ってたらこっちから言うし」
「ですが 一応 この島の主ですので…皆様が住みやすい様な環境にするのは私の役目だと思っていますし…」
「………ぷっ…はははっ! アイリスちゃん 真面目だね!」
「え?」
「そんなに気を遣わなくていいよい。 住まわせてもらってるだけで十分だ」
「……そう…ですか……」
アイリスは目を伏せた。
「! アイリスちゃんの心遣いは嬉しいからさ!」
「そんな泣きそうな顔をしないでくれ…」
「……ごめんなさい…」
【あー マルコとサッチがアイリスのこと泣かせてるー!】
「なっ!?」
「えっ!?」
マルコとサッチは驚いた。
「朝から何をやっているんだ マルコとサッチは…」
「そうか そうか。 この二人に言い寄られたか…」
「え?」
アイリスを気遣う様に傍にいたイゾウは問題を更に大きくした。
「「「何ィ!? 言い寄ってきただってっ!?」」」
「いえ…そんなことは…」
「かわいそうな アイリス」
イゾウはアイリスの頭を撫でた。
「ちょっ イゾウっ!」
「アイリス ここにいては君は標的になる。 外へ出よう」
「イゾウ様っ!」
アイリスはイゾウに手を引かれ 外へ出ていった。
「イゾウ! ったく イゾウは女性の扱いが上手いからな……」
「どうする?」
「イゾウはサッチと違って すぐに手を出す様な男じゃないから 大丈夫だろう」
「どうせ マルコとサッチが言い寄ったって言うのもイゾウの出任せだろうし…」
「サッチだったら 大いにあり得る話だが」
「俺はどんだけ信用ないんだ!」
「日頃の行いが悪いからだろ」
「…うっ……」
事実だったため サッチは言い返せなかった。