3.五月闇
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マルコに会いに行く為、プリエール城を出たアイリスは見聞色の覇気を使った。
「……マルコ様のはこれかしら…」
アイリスはマルコがいる木を目指し 歩き始めた。
【アイリス!】
「!」
アイリスは声の主を見た。
「ロー様! こんにちは」
ローは微笑した。
「アイリスが外に出てるなんて珍しいな」
「…え?」
「最近 アイリスを見てなかったから…」
「……確かに…梅雨は外出を避けたくなりますので……」
「……まァな」
「もし、私に何か御用でしたら 遠慮せずに城を訪ねてください」
「…そうか。 なら毎日行っても文句はねェーよな?」
「…え…?」
「クク。 冗談だ」
「……もう。 ロー様のは冗談に聞こえませんよ…」
「悪ィな」
アイリスとローは微笑し合った。
「では ロー様、私はそろそろ…」
「悪かったな。 引き止めて」
「いえ。 では また」
アイリスは微笑んで 会釈し、背を向けた。
「アイリス」
アイリスは振り向いた。
「…何か悩み事とかあったらいつでも相談しろよ」
「! ……ありがとうございます…」
「……ま 心理学は得意分野じゃねェけどな」
「ふふっ。 ロー様なら何でも熟せそうですけどね」
そう言って アイリスは笑いかけた。
ローと別れたアイリスは、再びマルコのもとへ向かい始めた。
少し歩くと、白ひげ海賊団の家が見えてきた。
「皆さん 何をされているんですか?」
白ひげ達が自分たちの家の前で、流しそうめんをしていた。
「今日はあまりにも暑くてな。 少し時期外れかもしれねェけど…」
「…今日はいいお天気ですからね。 少し汗ばみますし…」
「アイリスも食べるか?」
「……折角のお誘いですけど、今 あまり食欲がなくて…」
「「「………」」」
白ひげ達はお互いに見合って 黙り込んでしまった。
「…私…なんか変な事を…?」
「いや そう言う訳じゃない。 ただ…」
「マルコも同じ事言ってたんだよな…」
「!?」
アイリスは目を見開いて驚いた。
アイリスから今朝のマルコとの出来事の話を聞いたサッチは、アイリスをプリエール城に帰らせて 1人でマルコがいる木の下にやって来た。
「おーい! マルコ!」
「………」
サッチは跳んで 木の上に乗った。
「マルコってば! 寝てんのか?」
「………」
マルコは遠くを見ていた。
「ったく 起きてるなら返事しろよな! ほらよ」
サッチはマルコの横にそうめんとつゆとお椀を置いた。
「ここ 景色いいな!」
サッチはマルコの横に座った。
「………」
「マルコ いい加減 機嫌直せよな? アイリスちゃん すっごく申し訳なさそうにしてたぜ」
「……アイリスが来たのか?」
「さっき 俺たちの家の前にな。 本当はマルコに会いに行く為に通りかかったんだろうが、俺が帰らせた」
「……そうか」
マルコは瞳を伏せた。
「マルコが怒る気持ちはよくわかるけどさ、あのアイリスちゃんがお前に嘘までついて隠したかったって事は よっぽどの訳があったんだと思うだよな…」
「!」
マルコははっとした。
俺は…今朝 一方的に話して 決めつけただけだ……
アイリスの言葉を何も聞かないで……
マルコは立ち上がった。
「サッチ ありがとな」
「おう!」
鳥型に姿を変えたマルコはそのままプリエール城へ向かっていった。
「ちゃんと向き合って話してあげろよー!」
恋愛の話になると 急に自信なくすんだよな マルコは…
もっと堂々としてればいいのにさ
「ん?」
その時 サッチはマルコ用のそうめんが無くなっている事に気付いた。
「やべっ! あれ 持ってちまったのか!?」
サッチは急いで 木から跳び降りて、マルコを追いかけて プリエール城へ向かっていった。
マルコ そのそうめん、アイリスちゃんには食べさせるなよ――――!!