3.五月闇
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アイリス達がエスポワール島を後にして しばらく経った頃――…
「アイリスさん 元気になったかな…ん?」
サボは玄関の前辺りにある棚に置いてある手紙に気づいた。
「手紙?」
サボは手紙の裏側を見た。
そこには“アイリス”と書いてあった。
「アイリスさんから!」
サボは手紙を開いて 内容を見た。
「“昨日は楽しいお茶会をありがとうございました。 そして、ご迷惑かけてすみませんでした。 またお茶会に誘ってくださいね”」
「…アイリスさん…」
【どうした サボ?】
そこにルフィとエースがやって来た。
「アイリスさんからの手紙が置いてあって」
「「アイリスから!?」」
エースとルフィは手紙を覗き込んだ。
「アイリス 元気になったみたいでよかった」
「ああ!」
「そんな事より 手紙が置いてあったって事が気になるんだよな…」
「どう言う意味だ サボ?」
「だって わざわざ手紙なんて置かなくても、直接 会って話せば言い訳だし…」
「なら アイリスに会いに行こうぜ」
「よし! 決ま…ぶっ!」
歩き出そうとして 振り返ったルフィは何かにぶつかった。
その頃、アイリス達はノエルのお墓がある島に着いていた。
「キャメル様 ありがとうございました」
「キュエ!」
「じゃ 行くか…」
「……はい」
またあなたに会えるのね……ノエル――…
アイリスと青雉はノエルのお墓がある丘に向かって歩き出した。
ルフィがぶつかったのはベックマンだった。
「アイリスならいないぞ」
「いないってどう言う事だ…?」
「朝早くに出かけた」
「なるほど。 だから置き手紙か…」
「アイリスはどこへ行ったんだ?」
「それは言えん」
「副船長 教えてくれよ!」
「ルフィ!」
ルフィはサボを見た。
サボは首を横に振った。
「いつ帰ってくる?」
「恐らく 今日の夜には帰ってくる。 まぁ 話なら明日がいいだろう」
「……それは青雉も一緒なのか…?」
「……ああ」
「「!」」
「……そうか…」
アイリスさん…青雉とどう言う関係なんだろう……?
「ここはいつ来てものどがな島だな」
たまに海軍で掃除に来てるしな…
「……ええ」
「大丈夫か?」
「……はい」
「顔色が悪いな。 休むか?」
アイリスは首を横に振った。
「……休むなら あの子の前で…」
「……わかった…」
少しして アイリスと青雉は丘の上に着いた。
「あー空気が美味しいなぁ~」
「……はい」
アイリスはノエルの墓の前にしゃがんだ。
「……ノエル…」
アイリスはお墓に触れた。
「…アイリス…お花を」
青雉はアイリスに花束を差し出した。
「……ありがとうございます」
アイリスは花束を受け取り、お墓に飾り付けた。
青雉もノエルのお墓の前でしゃがんだ。
そして、アイリスと青雉は手を合わせた。
「………」
ノエル…なかなか来れずにごめんなさい……
そして…貴女を救えなかった私をどうか許して下さい……
しばらくして、青雉はかごに入っている、ベックマンが作ってくれたサンドイッチを食べていた。
アイリスは手を合わせたまま ノエルのお墓の前から動いていなかった。
「………」
伝えたい事があるのなら もっとお墓参りに来ればいいののにな…
まぁ…彼女の中でまだ整理がついてないんだろうが……
青雉は丘の下辺りに残っている家を見下ろした。
アイリスの弟がかかった病気が原因で 島の多くの者が亡くなった……
弟を含め、島の唯一の医者だったアイリスは、未だに自分のせいで救えなかったと思っているんだろう……
青雉はアイリスに視線を戻した。
あの病気は未知の病気だった…
決して お前のせいではない……
…だから……もう楽になってもいいんじゃないのか アイリス――…