3.五月闇
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【“アイスタイム”】
その瞬間 アイリスの左手首から指先が凍った。
「……クザン…様…」
アイリスはそこで 意識を手放した。
気を失ったアイリスは、プリエール城の自分の部屋に運ばれ ベッドに寝かされていた。
「なんでお前がいるんだ 青雉?」
「アイリスとの明日の予定の件で来たんだが…」
青雉は離れた所にあるベッドで眠っているアイリスを見て エース達に視線を戻した。
「参ったなぁ これは…」
「アイリスとの予定って何だ?」
「それは教えられねェ。 だから俺がここにいる事は………えーと…アレだ…。…何だ…――忘れた。 もういいや」
【誰にも言わなきゃいいんだろう?】
アイリスの様子を見ていたベックマンが歩いてきた。
「ここにいるメンバー以外にはな」
「話が早くて助かるよ」
ルフィはベックマンに駆け寄った。
「アイリスは!?」
「恐らく 疲労から来たものだ。 火傷の方も大した事ないから安心しろ」
「「「良かった…」」」
ルフィ達はほっとした。
青雉はイスから立ち上がり アイリスが眠っているベッドの方へ向かっていった。
ルフィ達も向かおうとした。
「待て」
「「「ん?」」」
ルフィ達は振り返った。
「なんだ?」
「アイリスが火傷した経緯を話せ」
「…ああ」
ルフィ達はお茶会の時の話をした。
「――それで アイリスの手に紅茶がかかっちゃって…」
ルフィは申し訳なさそうに顔を伏せた。
「……そうか。 その後はどうした?」
「俺は氷を取りに行こうとした所に 青雉が来た」
「俺はタオルを取りに行こうとした。 その後はサボと同じだ」
「俺はアイリスの手首の様子を見た。 その後はサボとエースと同じだ」
「! …エースとサボはもういい」
ベックマンはルフィを見た。
「ルフィにはまだ聞きたい事がある」
「……?」
ルフィは首を傾げた。
「…じゃあ 俺たちは先に行ってるからな」
「あ…ああ」
エースとサボはアイリスが眠っているベッドの方へ向かっていった。
「…なぁ 副船長…」
「ん?」
「その時見えちゃったんだけど…」
ルフィは言いにくそうにした。
「…見たのか?」
「え?」
「…アイリスの手首の傷痕を…」
「副船長 知ってたのか!?」
「…ああ」
よく知ってる……
彼女は俺に全てを話してくれているから――…
「副船長が知ってるって事は…火傷の傷痕じゃないって事か!?」
「…あ? ああ…」
「…なーんだ 良かった! 火傷で傷痕ができちまったのかと思って焦ったぞ! 良かったー!」
ルフィは満面の笑みを浮かべた。
「…なぁ もう俺も行っていいか?」
「ああ 構わないが…」
「よし!」
ルフィはベックマンの横を通り過ぎ様とした。
「ルフィ」
「ん?」
ルフィはベックマンに視線を戻した。
「アイリスの傷痕の事は誰にも絶対言うな。 いいな?」
「……? ああ わかった」
その後 ルフィはアイリスの元に向かって行った。
アイリスの傷痕を知る者がいずれは増えるだろうと考えていたが…
急に増えたな…
その中にルフィがいるのはかなり不安だが……
まぁ 「口外したら この島から出てってもらう」と釘を刺しておいたから、恐らく大丈夫だろうが…
ローとサッチにも目を配らせるか…
ベックマンは離れた所にあるベッドで眠っているアイリスを見た。
青雉が来たという事は、明日は弟の命日…か―ー…