3.五月闇
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気温が徐々に暖かくなってきたエスポワール島だったが、アイリスの大嫌いな梅雨がやって来た。
「…今日も雨……」
アイリスは瞳を伏せた。
「アイリス!!」
その時 アイリスの部屋にルフィが入ってきた。
「ルフィ様!?」
アイリスは振り返った。
【こら! ルフィ! 人の部屋に入る時はノックしろ言っただろ!】
続いて エースが入ってきた。
「あ 忘れてた…」
「ったく…」
エースはアイリスを見た。
「アイリス ごめんな!」
「…いえ」
「とりあえず やり直し」
エースは扉を示して言った。
「…わかったよ」
ルフィはアイリスの部屋を出て行った。
「アイリス 少し付き合ってくれ」
「…はい」
アイリスは微笑んだ。
少しして アイリスの部屋がノックされた。
「は…「アイリス!!」」
アイリスの部屋にルフィが入ってきた。
「こら ルフィ!!」
「なんだよ! ちゃんとノックしたぞ!」
「ノックすればいいってもんじゃねェって! ちゃんと相手の返事を聞いてからだろが!」
エースとルフィは言い合いをし始めた。
そして しばらくの間、ルフィのマナーレッスンに付き合わされたアイリスだった。
「――それで…私に何の御用でしょうか?」
「あ! これ!」
ルフィはアイリスにお茶会の招待状を差し出した。
「まぁ ご丁寧にありがとうございます」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「それで 日時は…」
「今からだぞ!」
「…え?」
「急でごめんな。 ルフィが招待状 渡すの忘れてたみたいでさ…」
「サボが準備して待ってるんだ!」
「サボ様が?」
「…今日 予定大丈夫か?」
「………」
今日は明日の準備をしようと思っていたのですが…
「…予定あるのか…?」
ルフィは悲しそうな顔をした。
「大丈夫ですよ ルフィ様」
アイリスは微笑んだ。
帰ってからでも大丈夫でしょう…
「やったー! よし 行こう!」
ルフィはアイリスの手を引いて走り出した。
「えっ…ちょっ ルフィ様…!」
「こら ルフィ!」
アイリスとルフィの姿は見えなくなった。
「ったく しょうがねェ弟だな…」
エースは後を追った。
アイリスとルフィはプリエール城を出た。
「うわっ! めっちゃ雨降ってんなー!」
「ルフィ様 傘は?」
「にしし。 ない」
「今 持って来ますね」
アイリスは傘を取りに戻った。
プリエール城の中に戻ると エースが前から走ってきていた。
「ん? どうした?」
「雨がひどいので傘を…」
「行きはそんな降ってなかったんだけどな…」
「取ってきますので ルフィ様と一緒に待っていてください」
「一緒に行こうか?」
「大丈夫ですよ」
そう言って アイリスは自分の部屋に戻っていった。
エースとルフィはプリエール城の入口で待っていた。
「最近 雨ばっかりだな…」
「そう言う時期らしいぞ。 アイリスが前 教えてくれた…えーとっ…【“梅雨”だろ?】」
エースとルフィは声の主を見た。
「「サボ!?」」
そこには傘をさしたサボが立っていた。
「待ちくたびれて迎えに来た。 …アイリスさんは?」
【お待たせしました エー…サボ様?】
サボは笑った。
アイリスはエースとルフィに傘を渡した。
「ありがと アイリス」
「サンキュ」
「アイリスさんの傘は?」
「…予備の傘がなくて…」
アイリスは困った様に笑った。
「「じゃあ 俺いらねェ! あ」」
エースとルフィの声が見事にハモった。
「いえ。 風邪を引かれたも困りますし」
「じゃあ もし良かったら 入る?」
「…でも…」
サボはアイリスの手をそっと掴んだ。
「どうぞ」
「……じゃあ お言葉に甘えて…」
アイリスはサボの隣に並んで立った。
「じゃあ 行こうか? せっかく作ったお菓子が冷めてしまうから」
「…はい」
アイリス達は三兄弟の家に向かって歩き出した。