2.春日影
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「…ハンコック様 大袈裟ですよ…」
「何を言うのじゃ! このまま放っておいたらアイリスが汚れてしまう…」
シャンクスがミホーク達に半殺しにされそうになっている頃、アイリスはハンコックに手を除菌されていた。
「よし これでよいじゃろう」
「ありがとうございます ハンコック様」
【アイリス ごめんな…】
シャンクスがアイリスとハンコックのもとにやって来た頭を下げた。
「貴様! もうアイリスに近づくでない!!」
「ハンコック様」
アイリスはシャンクスを見た。
「シャンクス様 お顔を上げてください…」
シャンクスは顔を上げた。
「私…気にしてませんから」
「……アイリス…」
「それより シャンクス様、少し飲み過ぎです…。 お身体 悪くしてしまいますよ…」
「こんくらい 全然平気だ。 それに もし俺が病気になっても アイリスが看病してくれるし、治してくれるんだろう?」
「! ………」
アイリスの脳裏にノエルのことが浮かび、アイリスは瞳を伏せた。
「…アイリス?」
「…っ……」
アイリスの瞳から涙が流れ落ちた。
「アイリス!?」
少し離れた所にいるマルコ達は異変に気付き アイリスを見た。
「…アイリス?」
「…どうやら 赤髪が何かを言ったらしいな…」
「………」
よりによって アイリスが一番傷つく様な話を……
「ごめんな アイリス! そんな泣かせるつもりはな… 【貴様! アイリスを泣かせるとは何事じゃ!?】」
シャンクスのもとに血相を変えたハンコックがやって来た。
「アイリスを泣かせる者は何人も許さん! 石にしてくれるわ!!」
「…ハンコック様 私は大丈夫です」
アイリスは涙を拭って ハンコックを見た。
「…アイリス…」
「アイリス ごめ… !」
アイリスはシャンクスの頬に触れた。
「シャンクス様 そんな心配そうなお顔なさらないでください」
「…でも」
「私は…大丈夫ですから」
そう言って アイリスは微笑んだ。
その後、お花見はお開きとなり、アイリスはプリエール城へ帰っていった。
「…アイリス 大丈夫かな?」
「何か様子がおかしかったな…」
「………」
シャンクスは浮かない顔をしていた。
シャンクスは肩に手を置かれ 振り返った。
「…ベックマン……俺……」
「アイリスなら大丈夫だ」
「……でも…」
「心配するな」
「……ああ…」
「………」
心配するなと言われても…な…
「「………」」
その後、宴は完全にお開きとなり それぞれ散っていった。
全員いなくなったのを確認したベックマンはアイリスの様子を見に プリエール城に向かっていた。
【ベックマン】
「!」
ベックマンは振り向いた。
「…不死鳥…」
そこには不機嫌そうなマルコが立っていた。
「あれ? そう言えばマルコは?」
「サッチもいないな…」
「あの 二人、どこに行った?」
「さあ? でも 少ししたら戻って来るんじゃない」
「…なら いいんだが……」
そう言うと イゾウはプリエール城の方を見上げた。
エース達が心配する頃、マルコはベックマンと共にプリエール城の壁に寄りかかって 話していた。
「お前もたばこ 吸うんだな?」
「ああ。 たまにな…」
「………」
今みたいな イライラしている時とか か…
ベックマンはたばこの煙を吐き出した。
「…それで 話って…アイリスの事か?」
「! …ああ…」
ベックマンは微笑した。
意外と 恋愛事になると分かりやすいな…
「…俺は隠し事が嫌いなんだ。 知ってる事があるなら 話してくれ」
「………」
ベックマンは目を瞑り 困った様に頭を掻いた。
そして 目を開き 真剣な目でマルコを見た。
「それはできねェ相談だな」
「…なんだと…!」
「別に意地悪とかでは無く、アイリスを想うお前だからこそ 余計に話せない事なんだ」
「っ! …それはどう言う意味だ ベックマン!!」
【お二人ともどうか されたんですか!?】
そこに マルコの怒鳴り声を聞いたアイリスがプリエール城から慌てて出てきた。