2.春日影
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色々な人に呼ばれ 一緒にお酒を嗜んだアイリスはやっと解放され 一人で休んでいた。
【アイリス】
そこに マルコがやって来た。
「あ マルコ様。 楽しんでいらっしゃいますか?」
「ああ 楽しいよい」
「それは良かったです。 …よかったら 隣に来ませんか?」
「…じゃあ」
マルコはシートの上に上がり 座った。
アイリスはマルコの盃にお酒を注いだ。
「ありがとよい」
そう言って マルコは盃に入ったお酒を飲んだ。
「アイリスに注いでもらう酒は美味しいな! もう一杯 いいか?」
「あ はい」
アイリスは再び 盃にお酒を注いだ。
「みなさん 楽しそうで良かったです」
「ああ そうだな。 あんたも飲むかい?」
マルコはアイリスに盃を差し出した。
「…じゃあ 少しだけ」
アイリスは盃を受け取り、マルコに注いでもらった。
「ありがとうございます」
マルコは笑った。
アイリスとマルコは盃を持った。
「アイリス こんな素敵な場への招待 ありがとよい。 …それと 準備 お疲れさん」
「! ……マルコ様…」
マルコは笑みを浮かべた。
「それじゃあ…乾杯」
「…乾杯」
アイリスとマルコはお互いに盃に入ったお酒を飲んだ。
その後も マルコはアイリスに注いでもらい 何杯もお酒を飲んだ。
「マルコ様 少し飲み過ぎではないですか?」
「まだまだいけるよい。 そう言えば 海軍の奴らは呼ばなかったのか?」
「え?」
「ほら 海軍と仲良さそうだったから」
「招待はしたのですが…断られてしまって……」
アイリスは顔を伏せた。
「“海賊と馴れ馴れしくするつもりはない”…と」
「あ………なんか悪いな…」
マルコは申し訳なさそうにした。
「いえ そんな顔をなさらないでくださいっ!」
「だが…」
「いずれ 分かり合える日が来ると思います。 そしたら きっと…【アイリス 少しよいか?】」
そこにハンコックがやって来た。
「ハンコック様…」
アイリスはマルコに視線を戻した。
「構わねェよい。 俺が席を外すから」
そう言って マルコは立ち上がろうとした。
「そなたはそこにいろ。 妾たちが席を外す」
ハンコックはアイリスに視線を戻した。
「行くぞ アイリス」
「…では マルコ様」
アイリスは一礼して ハンコックと共に去っていった。
「……大事な話なのか…?」
残されたマルコは話の内容が気になったが 盗み聞きをするのは気が引けるので お酒を飲んで誤魔化した。
ハンコックはアイリスを連れて 宴会場と化している桜の下から離れた。
「今年も綺麗に咲いたな」
「はい」
ハンコックはアイリスの方に体を向けた。
「アイリス 毎日楽しいか?」
「え?」
その時 風が吹き アイリスとハンコックの髪を靡かせた。
「楽しいですよ…とっても。 …生きていて よかったと思える程に…」
「…そうか。 …傷の方はどうじゃ?」
「………」
アイリスはゆっくりと左の袖をめくった。
アイリスの左手首には自殺未遂の時の自傷行為の痕が残っていた。
「まだ こんなにくっきりと……かわいそうな アイリス」
「いいえ。 この痕は私がノエルを失った悲しみを忘れないように残っているのです…。 もう…私のせいで誰も失うことがないように……」
アイリスは袖を下ろした。
「だから よいのです」
そう言って アイリスは微笑んだ。
「……アイリス…」
「もう 戻りましょうか? みなさんが心配して探しに来てしまうかもしれません…」
「…そうじゃな」
アイリスとハンコックは宴会場と化している桜の下に戻っていった。
木の陰からその話を聞いている者がいたことも知らずに――…
「ずっと着物姿でいることに疑問を感じていたが…そういう事情があったのか……」
「海賊女帝もアイリスの過去を詳しく知っていそうだな」
「だが あの女から事情を聴くのは海軍に聞くよりも難しいだろうな…」
「ああ…エースの弟をもってしても無理だろうな…」
【盗み聞きとは感心しないな…】
「「!?」」