2.春日影
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アイリス達を乗せたモビー・ディック号はエスポワール島に向かっていた。
「ロー様 クザン様とは何をお話に?」
「大したことじゃない。 それより 黒足屋たちに連絡しなくていいのか?」
「あ…」
アイリスは慌てて ベックマン達に電伝虫をかけた。
『俺だ』
「ベックマン様 アイリスです。 今 海軍本部を…【アイリスさ~ん!! 今回もいい食材が…『邪魔だ』】」
横からサンジが話しかけてきたが、ベックマンに退かされた様だった。
『何するんだよっ!』
『私用は後でしろ』
『……早く終わらせろよ…』
『それでなんだ アイリス?』
「海軍本部を出て エスポワール島に向かっています」
『そうか。 俺たちは今 会計を済ませたところだ。 できるだけ切り詰めたんだが…今月の分 残り僅かだ。 すまん』
「いえ そのことなんですが…」
『?』
「生活費を大幅に増やしてくれたので お金の心配は大丈夫です」
『そうか よかった。 だが 安心はできねェから これからも切り詰めていく』
「はい お願いします」
『あと サンジが話したいって言ってるから 代わるぞ』
ベックマンはサンジに電伝虫を渡した。
『アイリスさ~~~ん!!』
「どうしました サンジ様?」
『アイリスさんと離れて寂しかったんだよ~~…。 だから 帰ったら俺にハグ…』
その時 マルコ達がイラついた様子で電伝虫を切った。
「……あ…」
切っちゃった…
「そんな奴 相手にしなくていいよい」
「それよりアイリス 軽食!」
「エースだけズルいぞ! アイリス 俺にも!」
「俺のは罰として作ってもらうんだよ!」
「「「………」」」
言い掛かりのな…
「…二人分作りますから…!」
アイリスはエースを見た。
「それで いいですか エース様?」
「……仕方ねェな…」
「やった! アイリス ありがとな!」
アイリスはサッチを見た。
「厨房 お借りしますね」
「俺も手伝おうか?」
「いえ これはエース様からの罰ですから…」
「真面目だねェ~。 厨房 好きに使ってくれ」
「ありがとうございます」
そう言って アイリスは厨房に向かっていった。
その頃 サンジ達はアイリス達と同じくエスポワール島に向かっていた。
「アイリスさん…俺のこと嫌いになったのかな……?」
サンジは電伝虫が切られたことを気にしていた。
「いや あれは周りにいた奴らだろう…」
「じゃあ 俺、アイリスさんに嫌われてない!?」
「…ああ」
「よかったー!」
サンジは飛び跳ねた。
「あいつ…ちょっとやそっとじゃ めげそうにないな…」
「そうだな…」
少しして アイリス達はエスポワール島に帰ってきた。
「アイリスの作る料理 美味かった! ありがとな!」
「いえ こちらこそ」
「まだベックマン達は戻ってきてないようだな」
「先程 電伝虫で“会計を済ませた”とおっしゃっていたので、もう少ししたら 帰って来られるでしょう」
【アイリス お帰り!】
お留守番をしていたシャンクス達が出迎えてくれた。
「只今 帰りました。 異常はありませんでしたか?」
「ああ いつも通り平和だったぞ」
「よかったです」
「アイリス 飯は?」
「あ! 私たちは済ませてきたので…【今 作ってやるよ】」
アイリスはサッチを見た。
「サッチ様 お一人で作ることになってしまいますが 大丈夫ですか? よければ私が手伝いましょうか?」
「アイリス 心配しすぎ」
「え?」
「俺は今までずっと ここの住人の何倍もの人数分の料理を用意してきたんだ。 これくらいの人数 どうってことねェよ」
そう言うと サッチは片目を瞑って見せた。
「アイリスは部屋でゆっくり休んでな」
そう言うと サッチは厨房に向かっていった。
「サッチ様…」
【サッチなら 大丈夫だ】
アイリスはマルコを見た。
「…マルコ様」
「色々 振り回されて大変だったんだろう? アイリスはサッチの言う通り 部屋で休んでな」
「……はい…。 では お言葉に甘えて…」
アイリスはマルコ達に一礼して プリエール城に戻っていった。
「顔色が少し悪かったが 大丈夫か…?」
「アイリスは医者だ。 大抵のことは自分で処置できる」
ルフィはローを見た。
「トラ男 そんなこと言わずに診てあげてくれよ!」
【どうした ルフィ?】
そこに買出しに行っていたベックマン達が帰ってきた。
「アイリスが具合悪いんだよ…」
「なにっ!? アイリスさんがっ!?」
サンジはローの首元を掴んだ。
「ロー! アイリスさんを診ろ!」
「俺に命令するな」
ローはサンジの手を払った。
「なんだとっ!?」
「…“診ない”とは言ってない。 それより お前らに話がある――…」