1.興味
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「ミホーク様 何日くらいでアラバスタに着くのでしょうか?」
「さァな…」
「……世界はとても広いのですね」
「ぬしは“国からほとんど出たことがない”と言っていたな」
「……はい。 私が国から出たのは隣の国に行った時だけです」
「隣の国?」
「はい。 私の王国であるネコ王国は同じ島内にあるイヌ王国と言う国と隣同士にあるんです」
「ネコとイヌではあまり仲が良さそうな気がしないが…」
「……確かに国民同士はあまり仲良くありません。 でも 王族同士は仲良しですよ」
「…そうか。……先ほどの言い分だと島から出たことがないと聞こえるのだが…」
「…その通りです…。 外は危険だからとお父様が出してくれませんでしたので 今回が初めてです」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「………そうか」
島に軟禁状態か……
だが何のために…?
「ミホーク様はこうやってよく海に出られるのですか?」
「たまにな」
「ミホーク様は自由なのですね…」
「……何がだ?」
「だって ミホーク様もあんな大きな城に住んでいるのだから 元王様か何かなのでしょう?」
「…いや。 あの城は俺が住み処とした城だ」
「え そうなのですか? てっきり私はそう言う方だったのかと思っていました」
「少し前 ヒューマンドリルの話をしたのを覚えているか?」
「…はい。 “人間を見て 武器の扱いを学んだ”賢いヒヒさん…でしたよね?」
「…ああ。 あの土地では昔 戦争があった」
「…戦争っ…!?」
「その戦争をしている凶暴な人間たちを見て育ったため あのような戦士と化した…」
ミホークは下を向いているアイリスが微かに震えているのに気づいた。
「怖いか?」
アイリスは微かに首を横に振った。
「かわいそうな…ヒヒさん達なのですね……」
アイリスの瞳から一筋の涙が頬を伝った。
「………ぬしが泣くようなことではない」
アイリスのような穏やかな者のそばにいれば穏やかに育っていたのだろうな……
「…っ……」
アイリスは泣きながら頷いた。
「……アイリス…」
ミホークはアイリスの頭に手を置いた。
「! ……」
アイリスは涙を拭ってミホークを見上げた。
「アイリス ぬしに1つ忠告しておく。 ぬしのそのお人好しでは悪人にすぐに利用される」
「……利用…?」
「ああ。 今回のこともぬしが父親の心を見抜けなかったことも原因の一つであろう」
「………」
アイリスは自分の情けなさにミホークを直視できなくなり 視線を逸らした。
「だが…」
アイリスは再びミホークを見た。
「ぬしのその純粋な心、俺は嫌いではない」
「…ミホーク様……」
「世の中はぬしが思うほど善人ばかりではない。 それだけは覚えておけ」
「……はい」
でも ミホーク様は優しいですよね
こうして…追われる身の私の願いを聞いてくださっているのだから…
アイリスは微笑した。
「何がおかしい?」
「いいえ 何でもありません」
そう言ったアイリスであったが、顔は笑っていた。
「?」
ミホークは不思議そうにアイリスを見ていた。
ミホーク様って…変わった人…
クライガナ島を出発し 半日が経ち 棺船を大きな街で有名なリベルテ島に停めた。
「降りろ」
「…え……ミホーク様 私はアラバスタに…「わかっている。 いいから降りろ」」
アイリスは不安そうな顔でミホークを見上げた。
もしかして ミホーク様は私を置いていくつもりなの……!?
そう考えるとアイリスの顔は恐怖に変わっていった。
「心配するな。 ぬしを置いていくわけではない」
「え!?」
私 口にしていたのかしら…?
「口にはしていない」
「!? …ミホーク様はエスパーなのですか?」
「いや。 ぬしは思っていることが顔に出やすいようだ」
「!」
アイリスは思わず 自分の顔に触れた。
ミホークはその様子を見て微笑した。
「アイリス これを羽織り フードで顔を隠しておけ。 見つかっては困るであろう」
ミホークはアイリスにマントを差し出した。
「そう言うことなら 私 姿を変えますので…」
そう言って アイリスは小さな黒猫になった。
「! ……ネコ王国の者はみな 姿を変えれるのか?」
小さな黒猫の姿をしたアイリスは頷いた。
〔ニャー ニャー〕
毛並みや色は人によってバラバラですよ
「?」
〔ニャー ニャーン?〕
ミホーク様 聞いてます?
「ぬしが何を言っているのかわからないな…」
〔ニャー…〕
普通の人間の方には通じないみたいですね…
ミホークは小さな黒猫の姿をしたアイリスを自分の肩に乗せた。
〔ニャー〕
ありがとうございます
小さな黒猫の姿をしたアイリスを肩に乗せたミホークは街に入っていった。