1.興味
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アイリスは着替えを終え 浴場から戻ってきた。
ミホークのシャツであるため 長く、今朝と同様、ミニのワンピースのようになっていた。
「上着 ありがとうございました」
アイリスはミホークに上着を返そうと差し出した。
ミホークは無言で上着を受け取った。
「…あの! ミホーク様!」
「なんだ?」
「私…アラバスタに行きたいのです!」
「……“アラバスタ”?」
「はい。 そこで私を逃がしてくださった兵士の方々と落ち合う約束をしているのです」
「……わかった」
「ありがとうございます! では準備してきます!」
アイリスは部屋に向かおうとした。
「待て」
「?」
アイリスは振り向いた。
「その前に朝食にする。 アラバスタまでかなり距離がある」
「そうなのですか?」
「…ぬしは地理のこともわかっていなそうだな…」
「……私 国からほとんど出たことがないので…」
「……そうか」
箱入り娘か…
ミホークは厨房に向かった。
「あ! 私も何かお手伝いを!」
「手伝いなどいらん。 座っていろ」
「…でも…せめて お世話になったお礼をさせてください」
「……いらんと言っている」
お世話に
「……ごめんなさい」
アイリスは大人しくイスに座って待っていた。
少しして ミホークがティーポットを持って戻ってきた。
ミホークは紅茶を淹れて アイリスに渡した。
「紅茶~♪」
アイリスは満面の笑みを浮かべた。
「……紅茶が好きなのか?」
ミホークは自分の紅茶を淹れながら言った。
「大好きです! ミホーク様も紅茶をお飲みになるんですね!」
「…まァな」
「………」
「………」
「………」
「……ぬし さっきからそわそわして 何を待っている?」
アイリスは落ち着かない様子だった。
「え? だって朝食は……」
「俺にとっての朝食は紅茶だけだが」
そう言って ミホークは紅茶を飲んだ。
「えぇ―――!? パンとかないんですか―――!?」
「……朝から騒がしい」
「…あ……ごめんなさい」
お世話になってるんだから我が儘はダメよね
……でも お腹空いた……
アイリスは空腹を紛らすように紅茶を飲んだ。
「美味しい…」
アイリスは満面の笑みでミホークを見た。
「ミホーク様の入れた紅茶 すっごく美味しいです!」
「………飯ぐらい静かにしろ」
「ごめんなさい……でも 本当に美味しくて…」
「………」
誰かと話しながら飯を食べる時が来るとは……
少々騒がしいが…悪いものでもない
アイリスとミホークは朝食を食べ終え、そして 棺船を停めてある陸に向かって歩き出した。
「この島 変わった島ですね」
アイリスはミホークから離れて、興味津々にあちこち見ながら歩いていた。
「あまりウロウロするな。 奴らが…「きゃー!!!」」
ミホークはアイリスの悲鳴が聞こえた方に向かって走った。
そこにはアイリスがヒューマンドリル達に囲まれていた。
「!」
ヒューマンドリル達はミホークに気づくと 恐怖し始めた。
「ミホーク様っ!」
アイリスは思わずミホークに抱きついた。
「ミホーク様 あのお猿さんは何ですかっ…!? 私…何もしてないのに襲われそうになりましたっ…!」
アイリスの表情はミホークの胸板に顔を埋めていたため わからなかったが、今にも泣きそうな声だった。
「やれやれ…」
ミホークはアイリスの頭の後ろを撫でた。
「あれは“ヒューマンドリル”と言って 人間のマネをして学習する賢い“ヒヒ”だ」
「ヒューマン…ドリル……」
「人間を見て 武器の扱いを学んだ…森の戦士と化した“ヒヒ”だ」
ミホークはヒューマンドリルを見た。
「この娘は俺の連れだ。 この娘にしたことは俺にしたものと思え!」
そう言うと 鋭く睨みつけた。
ヒューマンドリルはミホークの睨みに恐怖し 逃げていった。
「ほら いなくなったぞ」
「………」
アイリスはミホークの胸板から恐る恐る顔を離した。
そこには自分とミホークの2人だけになっていた。
アイリスはミホークに抱きついたままに気づいた。
「………ご ごめんなさい!」
アイリスは慌ててミホークから離れた。
「……フン…。 行くぞ」
「…はい」
アイリスとミホークは再び 棺船を停めてある陸に向かって歩き出した。
少しして棺船が停まっている陸に着いた。
「………」
これが船…?
変わったデザイン…
「何をしている 早く乗れ」
ミホークは棺船に乗り 足を組んで待っていた。
「ごめんなさい…!」
アイリスは慌てて乗り ミホークの足元に座った。
そして 棺船はアラバスタに向かって動き出した。